Yと収束
@dedeyan
第1話 残念なY君
「めぐみちゃんのお母さんはこないの?」
10歳の子供にとって純粋な疑問だった、授業参観に父親しか来ないのだから、
「祐介お前!」「最低っ」
知らなかった
「めぐみちゃん大丈夫?」「てめぇっ!!!」
痛かった、ただ頰が痛かった、それと混乱してた。
何が触れたのか…どの言葉がめぐみちゃんを泣かせたのか、まるで。
学校では教えてくれなかった。塾の先生も知らなかった。
家には顔を真っ赤にした父が待っていた。
「祐介!学校の先生から聞いたぞ!女子を泣かせたな!」
頰が痛む
「祐介っ!!!お前また同じミスを!なんどやったらわかるんだ!」
疲れてた、ただ眠かった、頭が働かない。
「そんなんで白崎中に受かるか!!父さんがここまでしてやってるのに!!」
怒鳴られて成績が上がるもんかと思った、なぜか口に出た、口が緩い。
また頰が痛む
頰から漏れてんだ、ボロボロになった頰から、口の中にしまっても、疑問が。
その時からだと思う、人が嫌いになった、怖くなった。
どうせだ、どうせがまとわり付く、隣のあいつも後ろのあいつもきっと
きっと俺が嫌いだ、でも嫌な奴と思われたくないからだ、露骨な反応はしない。
そうやって自分の正直な嫌悪を抑えてる、すごく嫌いだ、そういう奴が
嘘吐きだ、かわいそうだ、哀れだ、正直に生きれないのは弱いからだ。
でも自分の方が強いとは到底思えない、なぜか虚しくなる。独りだからだと思う。
また、混乱してきた、気づけば目の前に教員がいて、叩かれ…はしなかった。
また頰が痛む。
「祐介君は何がしたいのかな?」
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