lyric_3
なあ聞いてるかい?
あの夏の花火なんだけど
中止になったらしいよ
キミにはもう関係ないんだろうけど
まあ独り言さ
聞かなかったことにしてよ
僕は今日も他人のイノチを食って
死ぬまでの時間を稼いでいます
キミには到底こんな姿見せられないけど
それも、もうどうでもいいか
自分勝手な身勝手の僕のことだ
あの夏の遠すぎる空を勝手に思い出して
炎天下の落ちた蝉に目を落として
一人で気ままに死ぬために歩くんだろう
キミから貰った大事なものも
もうそろそろなくなりそうだ
信条と、力と、それからこのイノチと…
それくらいの 片手で収まりそうな数だ
半分くらいは自分から手放したんだけど
キミならまあ許してくれるだろうさ
けれど、
僕は今日も僕を許せない
信条を破ろうとする僕を許せない
イノチを捨てようとする僕を許せない
イノチなんて
キミとの距離を縮めさえできなかった
そんな使えないモノさ
いっそ、全部捨ててしまいたいんだ
見えない打ち上げ花火の絶命
それにキミをダブらせてみたり
あの夏の陽炎を思い出したり
キミがいなくなったことに理由を探した
キミの失踪に誰かの摂理を見つけようとした
そんな僕を僕はまだ許せない。
僕はまだ僕を許せない
なあ聞こえてるか?
あの医者のメグだけど
今もぴんぴんしているよ
キミにはもう意味ないんだろうけど
まあ独り言さ
聞き流してくれてかまわないよ
僕は昨日も他人の不幸を餌に
死ぬまでの日々を浪費していました
どっかのキミには到底こんな醜態見せられないけど
それも、もうどうでもいいよ
自己中心的な僕には余るものだ
今でも僕は自分のことで手荷物が一杯で
キミのことを考えている風にしているけど
蓋を開ければ自分の苦しみのことだけさ
キミから貰った大事な力も
半分は砂漠に埋めてしまったよ
半死半生の腐った人 そんな感じで…
都会の砂漠を彷徨って 廃棄場を探したんだ
そんなことしても許すんだろうけどさ
キミは
僕は今日もキミを赦せない
本当に怒っているのかなんて分からない
キミの何に腹を立てているのかなんて分からないけど
力なんて
互いに理解することさえできなかった
そんな使えないモノだ
いっそ全部奪い去って欲しいんだ
見えない打ち上げ花火の鬼哭
それにキミをダブらせてみたり
あの夏の蜃気楼を思い出したり
キミとの出会いとその旅に意味を探した
怒ることができなかった僕にキミは謝った
そんなキミを僕はまだ赦せない
僕はまだキミを赦せない
季節違いの優しい日差しをたたえて
白い小さな部屋でキミは微笑んでいてさ
「怒っていいんだよ」
怒れるはずなんてないだろ
キミは何も悪くないのに
何を怒れば良かったのか?
責められたかったのか
断罪されたかったのか
キミと僕は目を逸らすしかなくって。
心を逸らすしかなくって。
今になって思い出しても
何にも変わりはしないのにな
花火ももうすぐ終わりに近い
橋の先にはキミはいないけれど
自分勝手な身勝手の僕のことだ
この夏の広すぎる空を勝手に反芻して
炎天下を飛んだ蝉に顔を上げて
一人で気ままに死ぬまで歩くだろう
キミから貰った大事なモノも
もう思い出しか残っていないよ
別れてから出会った人々 皆に一つ一つ手渡して…
非情な広いこの世界でキミにしてやれなかった事をしたかったんだ
キミならって、今もキミのことを思い出してさ
だから、
僕は今日も僕をゆるさない
キミとの記憶を大切に仕舞って錆びさせて
記録を大切そうに数えて錆びさせて
僕なんて
キミを救うことすら、力になることすらも
できなかった
そんな使えない者なんだ
見えない打ち上げ花火の薄明
それにキミをダブらせてみたり
あの夏の離別を思い出したり
キミとできなかったコトを数えて後悔した
いなくなってから自分を散々に責め立てた
そんな僕を僕はまだゆるさない
僕はまだ僕をゆるさない
最期までキミを怒れなかったことを後悔した
別れてからもキミに叫べないくらいに弱かった
そんな僕を僕はまだゆるさない
僕はまだゆるさない
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