1th Anniversary Special Edition's Side Story TAKE2【THE PANIC ROOM IN WONDERLAND】

前回までの千刃花センジンカ〜帝国特務テイコクトクム戦闘部隊〜セントウブタイ



大隊長であるオルケイディアより

特級厳令トッキュウゲンレイメイを授かったレンゲイ、ガーベラ

ジジ、リナリア、ダンデライの5名は

ナーベルク帝国の北西に位置する村

クンカクンスへと向かう事になった。

その任務とは、異変の起きた村の住民と

調査の為に出向いた

一刃花隊イチジンカタイ警邏ケイラ部隊との連絡が途絶えた為、

事態を重くみた上層部は

特級厳令トッキュウゲンレイを発令し、隊長格である5名を

向かわせたのであった。


レンゲイ

一刃花隊イチジンカタイ副隊長ジジ

四刃花隊ヨンジンカタイ副隊長ダンデライ

五刃花隊ゴジンカタイ副隊長ガーベラ

六刃花隊ロクジンカタイ副隊長リナリア

ツの花びらに幸運あらんことを!!」


ダンデライ・ガーベラ・リナリア

「ハッ!!!」


  ジジ心の声

((どうも、この任務...ニオうな...。))



彼らは知らなかった。



命を賭けた殺人遊戯デスゲーム



幕を開けることを。



作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇 1thワンス Anniverアニバーsaryサリー

Specialスペシャル Edition'sエディションズ  Side Storyサイドストーリー TAKE2テイクツー

THE PANICパニック ROOMルーム INイン WONDERLANDワンダーランド



ーー搭乗から1時間後ーー


五刃花隊ゴジンカタイ専用

移動用イドウヨウ小型飛行魔進マシン   ヱ流9エルクから降りた5名は

立ち込める深い霧に愕然ガクゼンとしていた。


レンゲイ

ヱ流9エルク。滞空モード。」



レンゲイはヱ流9エルクを再び上昇させ

まじまじと周りを見渡した。


レンゲイ

「上空からでも分かりましたが

降りてみると更に濃いですね。」


ジジ

「そうだな。村全体...

いや、谷全体を覆ってやがる。」


ダンデライ

「それにこのニオイは...」



ここはナーベルク帝国の首都

ルシファンブルクから北西に位置する

鹿と香りの村クンカクンス。

6000m級の白鷹山シラタカサン嵩音山タカオトサン

何万年と風に削られ作られた大渓谷ダイケイコク

麝香鹿ムスクの谷があった。

更にそれを囲む様に

巨大な森林が広がっていた。

谷の上に立ち並ぶ石造りの家々は風情フゼイに溢れ

時代をサカノボった様な風景が並んでいる。

そして、クンカクンスで最も有名なのは

谷の名前にも由来する 麝香鹿ムスクである。

麝香鹿ムスクとは

絶滅危惧種に指定されている鹿であり

その 麝香鹿ムスクから採取できる  麝香ジャコウ

極めて少ない為乱獲が行われていた。

しかし現在では商業目的での殺生は

禁止されている。

更には香木コウボクと言われている

コウの原材料となる木々が

麝香鹿ムスクの谷の森に生息しており

風が吹くたびに様々な香りが

村全体を包んでいた。

そう、ここは

ナーベルクきってのコウの生産地である。


リナリア

「いい香り...。

任務じゃなくて観光で来たかったなぁ。」


ジジ

「こんな霧が濃いのにか?

まだ昼前なのに夜みてぇじゃねぇか。

それに...まぁまぁ風強ぇし。」


ダンデライ

「谷なのでそれは仕方ないのでは?」


リナリア

「うーん。  ヱ流9エルクの中で

ラキーナちゃんの資料と合わせて

Mangoroid マンゴロイドで調べて見たら

普段はこんな感じじゃ無いみたいだけど...」


レンゲイ

「そうですね。あまりにも不自然」


ダンデライ

「隊長。この独特なニオイは

資料に書いてあった  麝香ジャコウですか?」


レンゲイ

香木コウボクのニオイが混ざり合って

なんとも言えませんね。

それに  麝香ジャコウ

製造禁止のはずですから。

それよりも...おかしいと思いませんか?」


ジジ

「何がだ?」


レンゲイ

「風は吹き抜けるのに

霧なのか、はたまた雲なのか分かりませんが

全く晴れる気配が有りません。」


ジジ

「確かに。」


ガーベラ震えながら

「ど、ど、どうしやすか!!

ジジの兄貴!!

帰りやすか!!帰りやしょうぜ!!

先輩!!そういえばアチシ!!

忘れ物しやーーー」


  ジジ遮る様に

「バカか?何で帰るんだよチビ!!」


レンゲイ

「帰らないで下さいガーベラ君。

着いたばかりですから。」


リナリア

「ガーベラちゃん

昔から怖いの苦手だもんねー。

声は大きいのにねぇー。」



そういうとリナリアはイタズラに笑った。


ガーベラ震えながら

「そ、そんなこと、な、無いっすよ!!

アチシだってね!!こ、こんな霧!!」


  レンゲイ遮る様に

「動かないで下さい!!」


リナリア

「ガーベラちゃん!!」


ガーベラ

「え!?」


  ダンデライ遮る様に

「ガーベラさん!!

無闇矢鱈ムヤミヤタラに近づかないで下さい!!」


ジジ

「フンッ。ビビってても

フラフラ行っちまうぜ?このチビはよ。」


ガーベラ震えながら

「ジジの兄貴...ビビって...

ビビビビってないすよ!」


ダンデライ

「レンゲイ隊長。

魔導具タリスマンはどうでしょうか?」


ジジ

「やたらと使わねぇ方がいい。

このニオイの中じゃすぐ黒く濁るぞ。」


リナリア

「そうね。でもすぐ使える準備は

してた方がいいんじゃない?」


レンゲイ

「確かにそうですね。」



するとレンゲイは空中に小さな種を投げると

素早くハコから紅玉コウギョクを取り出した。


レンゲイ

「芽吹け」



レンゲイの花纏捧君カテンホウクンにより

綺麗な花が咲きツタが腕に絡むと

花弁で紅玉コウギョクを包んだ。



花纏捧君カテンホウクンとは

鞘花ショウカの力を解放しなくとも

鍛錬によりサヤの力の一端イッタン

使用することが出来る鞘花ショウカ特有の能力チカラである。


ダンデライ

「レンゲイ隊長。その花は...」


レンゲイ

「ぇえ。キスツスの花です。」


ガーベラ

「...先輩」


リナリア

「...レンゲイ」


レンゲイ

「僕が芽吹かせた花は念じるだけで

刃汽ジンキを込めることが出来ます。

刃汽ジンキが切れかかる事がない限り

勝手には発動しないでしょう。

それと、これを。」


ジジ・リナリア・ガーベラ・ダンデライ

「痛っ」


ジジ

「何しやがる!」


レンゲイ

「いま、皆さんの皮膚ヒフ桜雌鹿サクラメロクで特殊に調合した

篝火花カガリビバナの種を植え付けました。

仮に何かあった場合

僕が生存確認が出来るのと同時に

刃汽ジンキ回復、傷を癒やしてくれます。」


リナリア

「ちゃ、ちゃんと後で

取ってくれるのよね!?」


ジジ

「おい!!レンゲイ!!

取らねぇと俺達の支払い口座の引き落とし先

全部お前に変えるからな!!」


レンゲイ

「皆さん心配しないでください。

健康であれば明日の朝には排出されますよ。」


リナリア

「待って!!どっから!?まさかーー」


  ジジ遮る様に

「やめろリナリア!!

お前の口から聞きたくねぇ!!!

おい、ダンデライ!!お前が言え!!」


ダンデライ

「わ、私ですか!?

勿論、埋め込まれた所ですよね?」


レンゲイ

「違います。」


リナリア

「いやぁー!!!取ってぇ!!」


ジジ

「正気かよ!!!」


レンゲイ

「無害ですよ。安心してください。」


  リナリア遮る様に

「出来るか!!」


ガーベラ

「あ、意外にすんなり入れやしたぜ!!」



話しているうちに

ガーベラは霧の中に入ってしまっていた。



レンゲイ

「ガーベラ君!!ったく...

君はいつもいつも!!」


ジジ

「昔と何も変わってねーな。フハハッ」


ダンデライ

「我々も行きましょう。」


リナリア

「そうね。」



一同は霧の中を歩いて行った。

うっすらと見える石造り家と建物の数々

そして刃汽知覚ジンキチカクを駆使したが

人の気配、刃汽ジンキの気配は

何も感じられなかった。



刃汽知覚ジンキチカクとは

自身の刃汽ジンキを広げる事により

周囲の刃汽ジンキを感じとる能力チカラである。

集中すればするほど感覚が研ぎ澄まされ

時間はかかるが

刃汽ジンキの質を判断することにより

誰がどこにいるかを

感じ取る事ができる能力チカラである。



ーー数分後ーー



レンゲイ

「やはり、刃汽ジンキは感じられませんね。」


ダンデライ

「私もだめです。」


リナリア

「私も」


ジジ

「俺もだ。」


ダンデライ

「周辺にまで広げてみましたが

刃汽知覚ジンキチカクに反応はないです。」


レンゲイ

「そうですか。

近くにいないか。

別の可能性があるか。ですね。」


ダンデライ

「そうですね。

生命反応はどうでしょうか?」


レンゲイ

「近辺にはいませんね。」


リナリア

「となると。村には誰もいない。」


ジジ

「霧でほぼ見えねーけどな。」


ダンデライ

「せめて、痕跡コンセキを辿る事が出来れば...」


ジジ

「じゃぁ辿るか。」


レンゲイ

「どうやって辿る気ですか?」


ジジ

「俺は警邏ケイラ部隊の一刃花イチジンカだぜ?

見てろよ。」



するとジジは地面の砂を丁寧に払い

地面をいながら何かを探し始めた。


ダンデライ

「ジジ副隊長何をしてるんですか?」


ジジ

「おっあったあった。」



するとジジは内ポケットから

小さな小瓶を取り出すと

隠密刃具オンミツジングの一つ

辿力粉タドリキコを地面にき始めた。



隠密刃具オンミツジング 辿力粉タドリキコとは

刃汽ジンキを持つ者が歩いた際に残す

残留刃汽ジンキを指定して

可視化する事ができる白い粉である。


リナリア・ダンデライ

「ゴホッゴホッ!!」


リナリア

「ちょっと!!先に言ってよ!!」


ジジ

「見てろ」

剋刃ゴクハ十二ジュウニ 絶追ゼッツイ!!』



ジジは地面に手をつきそう叫ぶと

白い足跡アシアトが付き

辿ることが出来る様になった。


レンゲイ

「という事は...

それが一刃花隊士イチジンカタイシ足跡アシアトですね。」


ジジ

「あぁ。俺の部下のだ。」


ダンデライ

「この奥に続いてるようですね。」


リナリア

「しかも...」


レンゲイ

「真っ直ぐと迷いなく。」


ジジ

「どこに立ち寄る事もなく

一直線に進んでやがる。」


レンゲイ

「そうですね。所でガーベラ君」


  ガーベラ震えながら

「な、なんすか...」


ジジ

「なんだ?えらく静かじゃねぇーか。

さっきまでの威勢の良さはどこいった?」


レンゲイ

「大丈夫ですか?

落ち着いて下さい。ほら。」



レンゲイは手のひらにある見えない何かを

ふぅーっと飛ばすように

ガーベラに吹きかけた。


ガーベラ

「えへへ。ふぁーっあったかーい」


ダンデライ

「レンゲイ隊長何をしたんですか?」


レンゲイ

「ちょっとした気付薬キツケヤクですよ。

1分もあればオサマります。」


ガーベラ

「ウフフ♪ウフフ♪

さぁ、足跡アシアト辿るっすよぉー!」



フラフラとするガーベラを先頭に

更に一同は村の奥深くに入っていった。


ダンデライ

「更に暗くなって来ましたね。」


リナリア

「風も強いわね。」


ジジ

「それにニオイも強い」


レンゲイ

「霧も濃くなりました。」


ガーベラ

「まだまだ足跡アシアトは♪

途絶えてないっーーーえ。」



ジジ

「マジかよ...」


ガーベラ震える声で

「な、なんか聞こえるっす!!

せ、先輩!!さっきの!!

さっきのもう一回!!」


レンゲイ

「ガーベラ君!!

ソデを引っ張らないで下さい!!」


ダンデライ

「風が何かに反響してるのでしょうか...」


ジジ

「次第に大きくなってきやがる」



リナリア

「谷が...歌ってる」



レンゲイ達は歌声を聴きながら

話し続けた。


ダンデライ

「...どうしますか?この先は森です。」


レンゲイ

「もちろん入るしかないでしょう。

ってガーベラ君!ソデ!!」


ガーベラ

「さっきの!!さっきのぉお!!」


リナリア

「不気味ね。」


ジジ

「ぁあ。ラキーナの言ってた事は

間違いなかった。」


レンゲイ

「行きましょう。

各自、すぐに戦闘出来る様に」


リナリア・ダンデライ・ジジ・ガーベラ泣きながら

「了解!!」



そして、一同は更に暗く更に霧深キリフカ

更に香り強い森林内部に足を踏み入れた。


レンゲイ

「...まるで月明かりを頼りに

進んでるみたいですね。

ダンデライさんお願いできますか?」


ダンデライ

「はい。」

滅刃メツハイチトウ

剋刃ゴクハイチトモシビ



ダンデライは刃術ジンジュツで創った刀の先端に

小さな炎を灯し松明タイマツした。


ダンデライ

「さぁ前に進みましょう」



ダンデライを先頭に歩き出すと

次第に一同は温度さえも

下がっていくように感じていた。

そして、時折笑い声の様なものが

森中に響き渡っていた。


ダンデライ

「少し寒いですね...」


リナリア

「なんか出て来そうな雰囲気だし...」


???

((クックックックックッ))


ガーベラ

「ぎゃーーー!!!!」


ジジ

「うるせーぞ!!チビ!!!」


ガーベラ

「だってぇー!!」


レンゲイ

「副隊長らしからぬ言動ですよガーベラ君。

部下がいなくて良かったです。」



しかしガーベラの返事は無かった。



レンゲイ

「ガーベラ君!!聞いていますか?

それでは鞘花ショウカにはなれま...

ガーベラ君!?!?」





そこにはガーベラの姿は無かった。


レンゲイ

「臨戦態勢!!!八卦ハッケの陣!!

互いの背中を守りつつ

滅刃メツハ刃術ジンジュツ構え!!」



4人は背中を合わせて四方に警戒した。


ジジ

「おい!!構えったって

どこに向かって撃つんだよ!!」


ダンデライ

「形状変化しますか!?」


リナリア

「なんで!!!

さっきまでここに居たのに!!」


レンゲイ

「どうなってるんだ!!!

ガーベラ君!!!ガーベラ君!」


ジジ

「チッ刃汽ジンキも分からねぇ!!」


ダンデライ

「元々この村に来てから

刃汽ジンキ知覚が正常に働きません!!」





ジジ

「…嘘...だろ!?!?

リナリア!!!リナリア!!!」



???

((クックックックック))


ジジ

「テメェ!!!リナリアを!!

どこやった!!!!」


レンゲイ

「ジジさん!!僕達はすでに

何らかの攻撃を受けています!!」


ダンデライ

「まずいですね...」


レンゲイ

「僕らが気付けない攻撃です。

こんな手だれがいたなんて...

解放します!!!!!」


ジジ

「待て!!足跡アシアトを辿る!!

ダンデライ!!!

形状変化して辺りを燃やせ!!」


ダンデライ

「分かりました!!!

3数えたら上に飛んでください!!」


ジジ

「了解!!!

レンゲイ!!!上空に飛んだらーーー」





ダンデライ

「レンゲイ隊長!!!!!!!」



そこにレンゲイの姿は無かった。



ジジ

「おいおいおいおい...レンゲイは鞘花ショウカだぞ」


ダンデライ

「警戒をオコタらないようにしましょう。」



???

((クックックックック))



すると突然、目の前が真っ暗になった。



ジジ

「今度はなんだ!!!!

おい!!ダンデライ!!!!!」



しかし返事は無かった。


ジジ

「クソッ!!!!!!

何の真似だ!!!!!!」



すると、一瞬の静寂の後

森の奥深くから歌が聞こえて来た。



ジジ

「歌?...?」





そして



ジジさえも





消えてしまった。






レンゲイ

「...グッ。」



レンゲイは床に伏せていた。



レンゲイ

「ここは...。」





ガーベラ

「先輩!!!!!」


ダンデライ

「レンゲイ隊長!!」


リナリア

「レンゲイ!!」


ジジ

「...やっとお目覚めかよ。」



すでに疲労困憊ヒロウコンパイだったレンゲイは

ゆっくりと立ち上がった。


レンゲイ

「ガーベラ君!?それに皆さん!!

グッ...やけに身体が重いのですが

皆さん大丈夫ですか?」


ジジ

「なんだ?俺達副隊長はまだしも

癒しがメインの花の鞘花ショウカ

何言ってんだ?」


レンゲイ

「こんな疲労感は...久しぶりです。」


リナリア

「そうね...」


ガーベラ

「あっ。言われてみればアチシもだ...」


ダンデライ

「それよりも隊長...

この部屋を見てください。」


レンゲイ

「すみません。

ここは一体...」



レンゲイ達は大きな部屋にいた。

床全てが蛍光灯の様に光り

それ以外に光は見当たらず

扉さえ見えなかった。



すると歌声が突然、頭の中で響き渡り

身体中にトドロいた。



ジジ

「この歌...」


リナリア

「ラキーナちゃんが言ってた..」


ガーベラ

「なんなんすか...」



ポポ

「リテェエイク!!

ポポポポポォーーー!!

ようやく目覚めましたねー!!」



仮面を被った小柄で小太りな男が

シルクハットをクイッと被り直し

突然現れた。

その男の声は頭に直接語りかける様だった。



ガーベラ

「ヴッ!!思念!?念波すか!?」


レンゲイ

「分かりませんが...そのタグイでしょう。」


リナリア

「グッ...ちょっと!!

何のつもりよ!!!

今すぐ出さないとぶっ殺すわよ!!」


ガーベラ

「明らかにコイツが元凶っすよ!!!」


ジジ

「ッ...どう見ても怪しさ満点だな。

おいテメェ...

覚悟は出来てんだろうな?あ"ぁ"!?」


ダンデライ

「その命...頂戴致します。」


レンゲイ

「待ってください。嫌な予感...

いや違和感がします。」



すると、その不気味な笑い方の男が

突然、レンゲイの耳元で囁いた。



  ポポ囁きながら

「ハァァイ。レンゲーイ」


全員

「何!?!?」



レンゲイは素早く拳を繰り出すも

更にフッと消え遠くに現れた。


ポポ

「ポポポポポポポォー!!」


ダンデライ

「この声...

あの歌はあなたが歌っていたんですね。」


ポポ

「どんなふうに聞こえるんだい?

美声だったかな〜?ポポポポ!!」


ジジ

「人の頭ん中に

土足で入って来てんじゃねぇーよ。」


ポポ

「ふーん。その例え興味深ーい!!

さぁ!!ようこそ!!貴様ら!!

不思議の国ワンダーランドへ!!

ここはねぇ!!ポポにとっては超最高ワンダフル!!

貴様らにとっては......

超最低ナッスィング!!ポポポポポポー!!

そして!!今このーー」


レンゲイ遮る様に

不思議の国ワンダーランド...

これはあなたの仕業ですか!?」


ダンデライ

「村人はどうしたんですか!?」


ジジ

「うちの部下を返してもらおうか!!」


ガーベラ

「アチシをビビらせてたのが

こんなゾウみたいな仮面被ったアフロとは!

そのシルクハットごと

ぶっ叩いてやる!!」


リナリア

「私達が誰だか

分かってるんでしょうね?」


ポポ

「相変わらず脳筋だなー」


レンゲイ

「皆さん!!解放します!!」


ジジ

「ぁあ!!」


レンゲイ

「天輪!!」


ジジ

滅刃メツハイチ!!!!」


ジジ・リナリア・ダンデライ・ガーベラ

トウ!!!!」





しかし、何も起こらなかった。



レンゲイ

「何!?解放出来ない!?」


ジジ

「何だこれ!!

こんな事...あんのかよ...」


ダンデライ

「どう言う能力チカラでしょうか...」


ガーベラ

「アチシ...の...失恋男爵ミスターハートブレイク...」


リナリア

「嘘...」



ポポ

「ポポポポポポポポー!!

相変わらず最後まで話を

聞かない貴様らだねー!!」



そしてポポはフッと消えると

レンゲイ達の頭上に浮かんでいた。



ジジ

「ふざけた笑い方しやがって!!」


ガーベラ

「聞いてるだけでアチシ

ムカついてきやした!!

ぶん殴ってやりたいっすジジの兄貴!!」


ジジ

「俺もだ...いつものやるぞ!!」


ガーベラ

「え!?ちょっ...兄貴!?!?」


ジジ

「行ってこい!!オラッァア!!」


ガーベラ

「ギャーー!!いつものって何ぃい!?」


リナリア

「ちょっと!ジジ!!!」


ダンデライ

「ガーベラさんが空中に...」


レンゲイ

「投げられて...ますね」


ガーベラ

「ぎゃぁぁーーー!!!」


ジジ

「ぶん殴りてぇんだろ?

行ってこい!!!!」


ダンデライ

「なんて非道なんだ!!」


ポポ

「まぁいいけどさー。

意味...無いよ?」



ポポの発言通りガーベラは身体をすり抜けた。


ジジ

「すり抜けた!?」


ガーベラ

「ぇえええー!!!」



ガーベラはクルッと回転して

綺麗に着地した。


ガーベラ

「殺す気か前髪!!!!」


レンゲイ

「ジジさん。無謀すぎますよ!!」


ジジ

「あ"ぁ"!?

ガーベラの体術知ってんだろ?

自分でどうにか出来んだろうが。

それとも何か?

自分とこの副隊長信じてねーのか?

ハッ。相変わらず過保護だなレンゲイ」


レンゲイ

「グッ。それとこれとは話が別です。

今はそんなことしてる場合ーー」


  ポポ遮る様に

五月蝿ウルサいなー。

ポポ聞き飽きたよ。パチン指を鳴らす音



全員

「ガッッ」



ポポが指を弾いた瞬間

全員が突然イスに縛られた。


ダンデライ

「何!?いつのまに!!!」


リナリア

「何してくれてんのよ...」


ガーベラ

「離せ!!!離せ!!!」


レンゲイ

「...目的はなんだ!!」



ポポ

「血の気が多いし話し聞かないし。

特にジジとガーベラには手を焼くよぉ!

ポポも初めてだから戸惑ってるんだよね!

こんなに大変なのは!!!」


レンゲイ

「待て。何故僕達の名前を知ってる。」


ポポ

「知ってるよ?

思わせぶりなリナリアと

カタブツなダンデライ。

過保護なレンゲイと

おてんばなガーベラ。

そして、目つきの悪いジジ」


ジジ

「なんで俺だけ外見なんだよ!!」


レンゲイ

「何者だ...」


ポポ

「はぁ。先進まないからさ

とりあえず私語厳禁ね!!!!!」


レンゲイ

「質問に答えろ。」


ジジ

「何者だって聞いてんだよテメェ!!」


ポポ

「私語厳禁。パチン指を鳴らす音


リナリア・ガーベラ

「グァァア!!!!!」


ジジ

「リナリア!!!」


レンゲイ

「ガーベラ君!!!」


ダンデライ

「何だ...これは...」


レンゲイ

「何をした!!!!」


ジジ

「テメェ!!!!」



突如、リナリアとガーベラは叫び始めた。

同時に2人とも耳の一部から血を流していた。



リナリア

「耳が...」


ガーベラ

がれ...」


ポポ

「全部はいでないよー?

ポポポポポポポポー!!

ポポも分かってきたんだよねー。

レンゲイとジジを黙らせるのは

本人を傷つけても意味ないって。

1番効くのはそのメス達を

お仕置きする事だってさ。

言うこと聞かないなら

また、いっとく??」


ジジ

「テメェ!!ふざけーー」


リナリア  遮る様に

「ガァァァァ!!!」


ジジ

「リナリアァア!!!!」


ポポ

「ほい。」



ポポはジジの足元に

リナリアの爪を2枚投げた。


リナリア

「はぁ...はぁ...はぁ...グッ」


ジジ

「んのーー」


  ダンデライ遮る様に

「ジジ副隊長!!!やめてください!!

私語は厳禁です!!!」



ポポ

「ダンデライは相変わらず賢いオス!!

冷静だねー!!!

次は指落とすからねー!!

あ。レンゲイ。言っとくけど

花纏捧君カテンホウクンも使えないからね?」


レンゲイ

「...ッッ」



ポポ

「よし!!ようやく始められるね!!

さて。話し聞いてくれるかい?

千刃花の諸君。」



5人はポポをキッとニラみつけながら

イスに縛られたまま話を聞いていた。


ポポ

「リテェエエイク!!

はいはーい!!

ようこそ!!貴様ら!!

不思議の国ワンダーランドへ!!

ここはねぇ!!ポポにとっては超最高ワンダフル!!

貴様らにとっては......

超最低ナッスィング!!ポポポポポポー!!

そして!!今この場所は!!!!

決して逃げることなど出来やしない

不思議ワンダーの中でも

無秩序アナーキーな世界!!

生きたければ勝ち抜けばいい!!

村人3000人とオノレの命をかけて

恐怖を刻め!!!!

歓迎するよ貴様ら!!!!!!

ようこそ!!遊戯闘技場パニックルームへ!!!

ポポポポポポポポ!!!

ポポポポポポポポ!!!」



ガーベラ

「なん...なんすか...それ...」


リナリア

「生きたけれ...ば勝ち...抜く!?」


ダンデライ

「どう...言う...事ですか...」


ジジ

「ふざける...な...ふざけるな!!」


レンゲイ

「一体...何が目的で...こんなーー」



ポポ 遮る様に

パチン指を鳴らす音 ゲームスタート」



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇 1thワンス Anniverアニバーsaryサリー

Specialスペシャル Edition'sエディションズ Side Storyサイド ストーリー TAKE2テイクツー

THE PANICパニック ROOMルーム INイン WONDERLANDワンダーランド

toトゥ beビー continuedコンテニュー...






おまけ






  ポポナレーション

君との出会い。

何百年と経った世界の中で

唯一みつけた温かな光



ポポ

「ねぇ、ポポのこと怖くないの?」



ポピー

「怖くないよ」



ポポ

「みんなポポを見たら逃げる」



ポピー

「私は怖くないよ。」



ポポ

「ねぇ、君の名前は?」



ポピー

「ポピー。」



ポポ

「ポピー...ポポと似てる。」



ポピー

「うん。そうだね。」


  ポポナレーション

誰もが逃げだす谷の底で

君だけはいつも明るく照らしてくれた。

そして時折、君が口ずさむメロディは

いつもどこからか聞こえる

あのメロディだった。



ポポ

「ねぇ!!その歌なに!?」



ポピー

麝香鹿ムスクの歌っていうのよ!」



ポポ

「へぇー!! 麝香鹿ムスクの歌っていうんだ!!

僕にも教えてよ!!」



ポピー

「うん!!いいわよ!!

一緒に歌いましょう!!」






  ポポナレーション

だけど、君は...

人間に殺されてしまった。





(完)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る