Gehenna Prison's Side Story
Gehenna Prison's Side Story 【THE HALLOWEEN PARTY】
ここはラミオラス帝国にある
世界三大監獄の一つ
そこで
その罪を
悲鳴と
そして、今夜は更に特別な夜。
血は赤く更に
痛みは更に
そんな特別な夜を
待ちにまった少女の夢を
少しだけ、覗いてみよう。
エリカ
「ねぇ!ねぇ!!!
ウィンナー作ろうと思うの!!
どの子がいいと思う?
うん。そうだね!マンサクさんの言う通り
この子にしよ!!」
おや、囚人の腹を裂いてるね。
床と壁に張り付いているネジれた時計に
血がついてしまったよ?
エリカ
「もう!!時計についたら
何時か分からないじゃない!!!」
どうやら時間を気にしている様だね。
エリカ
「次はどうする??ミートパイ?
そうしよっか!!えい!!
わぁー!!!ミキサー持ってくる!!
待ってて!グラシズさん!マンサクさん!」
楽しそうだねぇ。
良い夢が見れているみたいだね。
エリカ
「んしょっ!!んしょっ!!
はいっ!!ポーイッ!!」
おや?あんなに大きなミキサーに
生きたまま人を入れるなんて
流石じゃないか。
「グルグル♪イジイジ♪
とろけてドッカーン♪
魔法じゃないよサクリファーイス♪
グルグル♪イジイジ♪
とろけてドッカーン♪
キャンディケーンも真っ青真っ青♪
グルグル♪イジイジ♪
とろけてドッカーン♪
エリカの心も煮込んでドッカーン♪
ドンドンドドンのドンドドーン♪」
おやおや?
楽しくなって歌っているのかい?
正気の沙汰じゃないのが伝わる歌だね。
エリカ
「出来たぁ!!
えーっとぉ、
後、10分かな??
楽しみだね!!マンサクさん!グラシズさん!」
僕も楽しみだよ。
沢山の悲鳴と血が見れるからねぇ。
エリカ
「ウィンナーにミートパイにえっとぉ...
あっ!!キャンディ作ってなーい!!
A型は飽きちゃったから
ちょっとクセがあるけど
AB型のキャンディにしよっと!!!
そぉーーれっ!!!」
綺麗な雨だ。
煌めく緋色の雨。
だけど少しやりすぎじゃないかい?
ほとんど死んでしまったよ?
エリカ
「さぁーてとっ!
大釜さーん!!こっちだよー!!」
おっと、人の顔した大釜が飛んでくるなんて
この世界は君の思うがままなんだね。
エリカ
「よし!!!お砂糖たっくさん入れて
レモン汁も入れて甘〜くしよっと!
はぁ。楽しみだなぁ。
さて、時計の針もそろそろ重なる。
いよいよ君も起きる時間だ。
心の準備はいいかい?
さぁ!!たっぷりとご堪能あれ!!!
罪人達が更に収監される事を願い祝う!!
年に一度しかない
ようこそ!!
作者 REN’sJackson
ー
番外篇
【
ダチュラ
「フンッ...そろそろ時間か。
来い!!
ダチュラは空に向かって叫ぶと
紫色の巨大な鬼が
上空からバサバサと翼を羽ばたかせながら
勢いよく降りてきた。
ダチュラ
「さっさと
そう言うとダチュラは
蹴り飛ばした。
ダチュラ
「この
ダチュラはそう言って唾を吐くと
その様子を見ていた
恐ろしさのあまり震え上がり岩陰に隠れた。
ダチュラ
「そうか...。そろそろエサの時間か。
ダチュラが指を鳴らすと
山岳地帯の地面が割れ
中から怯えた囚人達が数十人出て来た。
ダチュラ
「生き残りたければ逃げ回るがいい!!
制限時間は1時間。
逃げ切れば再び牢に戻してやる!!」
げっそりと痩せこけた囚人は
その言葉通り
すると、
囚人達に襲いかかった。
ダチュラ
「鬼ごっこの始まりだ!!!
フッハハハハ!!
フッハハハハハハッ!!」
ここは
広大な山岳地帯が広がり
決まった時間に囚人達は外に出され逃げ回る。
自分達を
ダチュラ
「さて、あのクズ共はどこにいるのやら。」
ダチュラは手首に付けた緑色のトゲトゲしい腕時計
誰かと話し始めた。
ダチュラ
「私だ」
サラセニアが看守長に
持たせている通信機器である。
外部との連絡手段を一切取らせぬ様に
使える
サラセニアが開発した。
普通の通信機器であれば聴覚に
訴えかけるために音を鳴らすが
拷問を始めると看守長達は夢中になって着信音にさえ気が付かない為
強烈な異臭を放ち
着信を知らせる機能が付いている。
サラセニアはそれを
着信音ならぬ着信臭と名付けた。
その他にもGPS機能やスケジュール機能など
様々な機能が付いており
次世代の通信機器として期待を持たれている。
アセヴィ
「ぁあん!!もっと!!もっと!!!
ん??何よこれ!!クサッッ!!!」
マンディ
「オラっ!!!このクソアマが!!
まだまだ足り!!クセェ!!!!」
スズーラ
「ゲハッハッハッ!!!クッッサ!!!」
ダチュラ
「私だ。もうすぐ12日とーーー」
「おいテメェ!!これでかけて来んなって
何回も何回もーー」
「ガラ空きだぁ!!!
ライライライーーーー」
「ウフン!!!エロよ!!エロが足りーー」
「ケケケケケケケッ!!!
欲しいならよぉ!!!くれてッッ」
ツーツーツーッと通話が切れてしまった。
ダチュラ
「おい、聞いているのか!!!
クッ...あのクズ共が。
まぁ良い。位置は掴めた。
行くぞ
するとダチュラは囚人達の悲鳴をよそに
抜けていった。
ーーアセヴィサイドーー
熔岩に囲まれた決闘場
アセヴィ
「まだよ!!!まだよぉ!!!!
もっと!!!私を
本気で本気でお願いよぉおお!!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ
望み通りにしてやらぁ!!!!!!」
スズーラ
「ブチ殺してやるわぁあ!!!」
『『
『『
『『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
マンディ
『『
スズーラ
『『
アセヴィ
『『
ドーンッと大きな爆発が起きると
3人はそれぞれ解放した。
マンディは鎧の様な
アセヴィに向かって上空から振り下ろし
スズーラは地上から人型の鎧を
高速回転させて突進させた。
マンディ
『
スズーラ
『
アセヴィ
「アガガガガガハッ!!!ウグッ!!
足りないわぁーん!!!!」
アセヴィは
正面からまともに喰らっていた。
マンディ
「ケケケケケケケッ!!!!」
マンディは自身の手首をガリガリ
引っ掻くと血をドバドバと流していた。
マンディ
「テメェの汚ねぇ血を!!
見せてみろやぁぁあ!!!!」
スズーラ
「その座はもらったぁあ!!
ライライライライラーー」
「はぁ。エクスタシーには...
程遠いわね...」
スズーラ
「何!?下から触手!?」
マンディ
「チッ!!!」
アセヴィ
『
唇の付いた触手の乱撃が
スズーラとマンディを襲う
マンディ
「ガッ」
スズーラ
「グッ」
アセヴィ
「アンタ達みたいな陰険デブス
元々興味ないのよ!!!!!」
スズーラ
「この俺を...豚だと!?
許さんぞォォオ!!アセヴィ!!」
『
マンディ
「この...豚共がぁあ!!!!」
『
「ライライライライライライ!!」
「ダリャリャリャリャリャ!!」
「エロとグロ、グロとエロ
そのシンフォニーこそが
マンディによる飛ぶ斬撃の嵐
そして、
激しく火花を散らしていた。
アセヴィ
「んもう!!何度やっても同じよ!!!」
マンディ
「何!?」
スズーラ
「これは!!」
マンディ、スズーラの身体をからめとっていた。
「この快感、分けてあげる。」
『
『
アセヴィ
「何!?泡...」
ダチュラ
「そこまでだ。
アセヴィ、スズーラ、マンディ」
スズーラ
「
マンディ
「ふざけやがって!!ダチュラ!!!」
アセヴィ
「邪魔しないで!!!こんなものーー」
「動くな。」
アセヴィ
「なっ!?」
ダチュラは巨大な泡を
アセヴィの周りに無数に展開していた。
ダチュラ
「この空間は
次元が違えば
よって支配人である私が
マンディ
「テメェ如きの空間なんざ
斬り裂いてやるよぉ!!!!!!」
ダチュラ
「全く分かっていないようだな。
これでエリカ嬢の機嫌を損なえば
どうなるか...
その身をもって教えてもらうとしよう。」
マンディ
「ケッ!!!」
スズーラ
「そうか...エリカ嬢の目覚めか...」
アセヴィ
「私は構わないわ!!
エリカ嬢に
最高に甘美な快感をこの身に刻んで貰うのよ!!
ァァアン!!想像絶するぅ!!
カ・イ・カ・ン!!」
そう言ってアセヴィは身体を
ビクビクと
ダチュラ
「ふざけるな。
アセヴィ
「アガッ」
ダチュラは容赦なく泡を一気に弾け飛ばすと
一瞬でアセヴィの元へ移動して
腹をグリグリと踏み潰していた。
アセヴィ
「アガッ...アッ...アッ」
ダチュラ
「貴様が良くとも
迷惑を
アセヴィ
「アギャ」
「分かったか?」
アセヴィ
「アグッッ」
ダチュラ
「この...メス豚がぁぁあ!!!!」
「ァァァァアンンンンッ!!!」
ダチュラはアセヴィを蹴り飛ばすと
空間を解いた。
マンディ
「
強さこそが絶対だろうが。
ケケケケケケケッ。
序列四位のお前が偉そうにしてんじゃねぇよ。」
スズーラ
「それを言うなら貴様は俺に
舐めた口しか
それをどう説明する。」
マンディ
「舐めた奴に舐めた口を
何が悪いんだよカスが。
副団長を降ろされた負け犬が」
スズーラ
「貴様!!!
ふざけおっーーー」
「やめろと言っている
スズーラ
「グハッ」
マンディ
「おい。なんの真似だぁ?」
マンディは泡を切り裂くと
ダチュラを
ダチュラ
「時間の無駄だ。
次は本当に消し飛ばすぞ。...ん?」
するとバチっと
マンディ
「ケケケケケケケッ
この俺と本気でヤる気か?
ダァァチュラァァア!!」
ダチュラ
「待て、これは私ではない。」
スズーラ
「じゃぁ誰の仕業だ!!!」
アセヴィ
「あ、ぁあ...ぁあ!!!
この
サラセニア閣下!!!!!!!!」
するとスポットライトがバンッと点灯した。
そこに現れたのは
オレンジ色のカボチャを
歌い踊るサラセニアの姿であった。
「ハロハロ ウィンウィン♪
ハロウィンウィン♪
ハロハロ ウィンウィン♪
ハロウィンウィン♪
ハロハロ ウィンウィン♪
ハロウィンウィン♪ ヘッ!!
ハロハロ ウィンウィン♪
ハロウィンウィン♪ ヘッ!!
今夜はパーティー
アセヴィ
「サラセニア閣下ぁぁあー!!!
そのお姿!!!!!好きぃぃい!!」
マンディ
「サラセニア閣下!!」
ダチュラ
「サラセニア閣下!!」
スズーラ
「サラセニア...」
四人はすぐさま
サラセニア
「ぁあ!!!神よ!!!!
荒れ狂う火柱の如く燃え上がる愛よ!!
迷える仔羊が奏でる無意味で無駄な
反吐が出るほどの
ヤメさせ
再び戻りサラセニアは
火柱を避けながら
四人の元へやってきた。
サラセニア
「久しぶりですね。
Mr.ダチュラ。」
ダチュラ
「ハッ!!お久しぶりでございます!」
「ハロウィンウィン!!」
ダチュラ
「ハロウィンウィン!!」
サラセニア
「Mr.マンディ」
マンディ
「お久しゅうございます閣下」
「ハロウィンウィン!!」
マンディ
「ハロウィンウィン!!」
サラセニア
「
アセヴィ
「そのお姿!!まさに
「ハロウィンウィン!!」
アセヴィ
「ハロウィンウィン!!!
ァァアン!!
カボチャさえも着こなすサラセニア閣下は
全世界の憧れですわ!!!」
サラセニア
「え...っと...ミスタァ...」
スズーラ
「サラセニア...」
サラセニア
「ん??どなたでしょうか?」
スズーラ
「なん...だ...と?
この俺を!!!忘れたと言わーーーガッ」
「知りませんねぇ。」
スズーラ
「ガッ...アガッ」
サラセニアはすかさずスズーラの首を
片手で締め上げて持ち上げた。
サラセニア
「上官への口の
豚の事など
とうに忘れてしまいました。
敬語...忘れてしまった様なので
私めがこの手で教えて差し上げましょうか?
"スーズラ"?」
スズーラ
「ウグッ...グッ...私は...スズーラ...だ」
サラセニア
「だ?今...なんと?」
スズーラ
「グッ...私の...名前は...スズーラ...で...す」
サラセニア
「ん?」
スズーラ
「...閣下」
サラセニア
「それで?」
スズーラ
「ハロ...ウィンウィン」
すると、サラセニアは首を離した。
スズーラ
「ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
「やれば出来るじゃないですか。
スーズラ」
スズーラ
「も、申し訳ありません」
ダチュラ
「して、閣下。
予定よりも少しお早いご到着で。
それに
サラセニア
「
コロコロ出口が変わる地下迷路など
時間の無駄です。
仮に万が一、国境付近に出てしまったとしたら
今、大騒ぎになっていますから
面倒ですしね。」
アセヴィ
「しかし閣下!!
鉄壁の守りがあるのも事実ですわ!!
入ったものは永遠に
喰われるか地獄への入り口へ辿り着くか
それともまだ見ぬ世界へ運良く出られるか。
宜しければ閣下!!!
私と共に愛の迷路へとシケ込みませんこと?
そして、我らが子を宿し
最強で最狂の戦士を育てるのはいかが?」
サラセニア
「私めは神に誓った身!!
不貞は許されないのです!!!
そう!!!これがまさに愛!!!
愛なのです!!!!!!!!」
アセヴィ
「ァァアン!!!
サラセニア閣下ぁあ!!」
ダチュラ
「黙れアバズレ!!」
アセヴィ
「その響き...良い!!!!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ。
サラセニア閣下...
先ほどおっしゃっていた面倒とは?」
サラセニア
「
アセヴィ
「
聞いたことがないですわ...」
スズーラ
「ナーベルクの北東に
特殊な民族の部落がある。
そこにある遺跡だ。
ナーベルク人でさえも近づかない
危険な民族と言われている。」
マンディ
「面白そうじゃねぇかよ!!!
血が!!血がうずくぜぇえ!!!!」
スズーラ
「バカが。
ダチュラ
「
法に従わなくても良いのか。
その様な所があるのだな。」
サラセニア
「まぁ、あなた方に話しても
何の意味も無いですが単純な話です。
新たなダンジョンが出現した様ですが
ラミオラス帝国軍もナーベルク帝国も
そのダンジョンに入れていません。
ただ、樹海付近の戦況は
入れもしないダンジョンの取り合いに
なっているのです。」
ダチュラ
「なるほど...。」
マンディ
「その部族の住む森の一帯がダンジョンに
なったって話しですかケケケケケケケッッ」
アセヴィ
「しかし、今日は
ダチュラ
「そうです。閣下。
エリカ嬢を起こしに行かねばなりません。」
サラセニア
「なんと!!エリカ嬢の目覚めが
まだなのですか?
それはそれは急がねばなりませんね。
行きますよ。
ダチュラ
「ハッ」
マンディ
「ハッ」
アセヴィ
「ハッ」
スズーラ
「...ハッ」
サラセニアは足早に
最下層
サラセニア
「さて、そろそろですね。」
アセヴィ
「エリカ嬢の目覚め!!待ち遠しい!!」
マンディ
「沢山血を見せてくれんだろなぁ!!
エリカ嬢!!」
スズーラ
「俺は出来れば会いたくはない。」
ダチュラ
「お前の様な腰抜けなど死んでしまえ。」
スズーラ
「なんだと!?」
ダチュラ
「エリカ嬢は我らがボス。
ボスに不信を抱くなど笑止。
喜んで殺されるがいい。」
マンディ
「テメェなんか
ただの雑魚だ!!いや、豚だ!!!
ケケケケケケケッ」
スズーラ
「言わせておけば貴様ら!!」
サラセニア
「うるさいですよ。
エリカ嬢はひとたび戦場に上がれば
ロージア様が以前、こう言っていました。
あるはずのない軍
世間には知られていない第四の星。
スズーラ
「アンノーン...誰も知らない軍」
マンディ
「俺らがシャバに出て暴れる日なんて
来るのかよ。ケケケケケケケッ。」
アセヴィ
「どうかしらね。
いつだって決めるのは殿方よ。」
ダチュラ
「来る。
全ては
サラセニア
「大戦が控えています。
その時は
そして、副団長には...」
マンディ
「当然の結果です。
この私こそ最も副隊長にーー」
「あり得ません」
アセヴィ
「私ですね!!なんたって!!
序列一位ですもの!!!」
「違います。」
スズーラ
「副団長としての経歴のあーー」
「死になさい。」
スズーラ
「な、なぜ私だけ!!」
「私だ。」
サラセニア
「
ダチュラが能力、実績共に
マンディ
「閣下!!ダチュラは序列四位です!!
マンディは爪を立てて
ガリガリと手首を引っ掻きながら言った。
アセヴィ
「そうですわ!!」
スズーラ
「こんな若造!!認めん!!」
ダチュラ
「クズ共が。
貴様らの様な
副団長になれると思う方がイカれている。」
スズーラ
「お前が言うなど笑わせる!!!」
サラセニア
「ンフフッ。ロージア様が決めた事ですよ。
エリカ嬢にはまだ知らせぬ様にとのことです。
時期が来るまでは。ね。」
その後もマンディとアセヴィ、スズーラは
納得のいかない様子だった。
ダチュラ
「黙れ。これで分かったと思うが
私は貴様らの上官だ。
これからは言うことを聞けクズ共」
マンディは手首をガリガリと
血を流すほど引っ掻きながら
長い舌をベロッと出した。
マンディ
「ふざけんじゃねぇ!!ダチュラ!!
今ここで!!俺が殺してやる!!」
アセヴィ
「私がまとめて相手してあげるわよ?
ムフフフッ」
ダチュラ
「なんだと?
ならば、望み通りにしてやーー」
「ンフフフッ。ダチュラ。
あくまでも
ダチュラ
「ハッ!!心得ています。」
サラセニア
「この先、更に適任者が
現れるかもしれませんから。」
ダチュラ
「ハッ!!」
スズーラ
「あんな小娘と若造に従うなど...」
サラセニア
「今なんと?
確かに生意気なクソガキですが上席。
他軍の私めならまだしも
直属の部下である看守長が
無礼な口を利くなど許されませんよ」
スズーラ
「申し訳...ありません。」
サラセニア
「ダチュラ」
ダチュラ
「ハッ。解放は看守長全員
解いておりません。」
サラセニア
「よろしいです。
何かあれば各自で対処しなさい。
ダチュラ
「奥歯に皆、仕込んであります。」
サラセニア
「血を抜かれたら即座に使うのです。
全ての血が抜かれたとしても
五日もすれば元に戻るでしょう!!
なんと!!素晴らしいのでしょうか!!
効き目は言うまでもない!!!
そう!!!
それが神の愛なのです!!!!」
サラセニアは天井を
祈る様に指を組んだ。
マンディ
「ケケケケケケケッ。サラセニア閣下。
もうそろそろです」
マンディは見るからに重そうな扉を指差した。
サラセニア
「あっという間ですね!!では...」
「私が開けますので閣下はーー」
すると突然、ドーンッと扉が勢いよく開いた。
エリカ
「サリーお兄ちゃぁぁあん!!!!」
スズーラ
「ガハッ」
扉から飛び出して来たエリカは
サラセニアに向かって抱き付こうとしたが
サラセニアは隣にいたスズーラの髪を
引っ張って盾にした。
スズーラ
「な...に...?」
エリカ
「
スズーラ
「これは...ガハッ」
スズーラは腹部から出血していた。
エリカは刺したナイフを勢い良く引き抜くと
そのナイフをマンディに向かって投げた。
エリカ
「マンディお兄ちゃん!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ。
相変わらずですねエリカ嬢」
マンディは
ナイフを弾いてスズーラに向かって投げた。
スズーラ
「グッ!!貴様!!」
エリカ
「アセヴィお姉ちゃん!!!
アハハハッッアハハハッッ!!」
バンッバンッバンッと
ライフルがアセヴィに撃ち込まれた。
アセヴィ
「アッ!!アッ!!アハーン!!
エリカ嬢!!おはようございます!!」
アセヴィは
全てを受けたが貫通する事なく弾が
パラパラと落ちた。
エリカ
「頑丈...だね!!」
アセヴィ
「ァァアン!!!」
エリカは素早くアセヴィの
ゼロ距離でライフルを撃ち込んだ。
『
スズーラ
「何!?ガハッッッ!!!」
スズーラの足首に
唇が吸い付いていた。
エリカ
「あっ!!ダチュラお兄ちゃん!!
チョコあげるね!」
ダチュラ
「ありがたく頂戴いたします。
スズーラが」
ドーンッと爆発音が鳴り響く。
スズーラ
「グハッッッ」
エリカが放り投げたチョコを
指を鳴らして泡で包むと
スズーラの目の前で爆発した。
スズーラ
「貴様...ら...」
しかし
スズーラの傷がみるみる癒えていった。
エリカ
「あっ!言い忘れてた!!
みんなぁ!!おはマル梵天!!」
ダチュラ
「梵天おはマルでございます!!」
スズーラ
「梵天おはマルですエリカ嬢!!」
マンディ
「梵天おはマルですケケケケケケケッ」
アセヴィ
「梵天おはマルですわ!!」
サラセニア
「エリカ嬢。相変わらずの寝起きの悪さですね。
その弾丸...見たところ
エリカ
「ピンポーン!!!
この前作ったんだぁ!!!
どうだった?アセヴィお姉ちゃん!!」
アセヴィ
「感じましたわぁぁん!!
もう一万発頂いても?」
エリカ
「そんなに弾ないよぉ!!
今度作っておくね!!」
マンディ
「流石です。エリカ嬢。ケケケケケケケッ」
ダチュラ
「お
毎度、出迎える身にもなって下さい。」
エリカ
「だって運動しないとぉ!!
今日は
行けないから運動できないしぃ!!」
スズーラ
「ご勘弁を。身が持ちませぬ」
マンディ
「テメェなんざ
どうせ治るんだからよ。」
スズーラ
「そういう問題ではない!!」
サラセニア
「エリカ嬢。覚えていますか??」
エリカ
「え!?なになに!?」
サラセニア
「
エリカ
「覚えてるよー!!!
待ちに待った
ハロハロウィンウィン♪ハロウィンウィン♪」
エリカは小踊りをしながら回っていた。
エリカ
「でぇもぉ...サリーお兄ちゃんは
良いとしてぇ...なんなの?その格好」
エリカはギロッと看守長を睨んだ。
((まずい...))
ダチュラ
「エリカ嬢!!これには!!」
「やる気あんの?
ねぇ!!ねぇ!!ねぇ!!!」
アセヴィ
「エ、エリカ嬢!!私共の衣装を
エリカ嬢に選んでもらおうと思っていまして!」
((ナイスだ。アセヴィ!!))
エリカ
「それ本当?」
マンディ
「ケケケケケケケッ!!」
エリカ
「何笑ってんの?」
マンディ
「も、申し訳ありません!!
エリカ嬢の選ぶ衣装が
楽しみでして!!」
((押し切れる!!))
エリカ
「ふーん。」
スズーラ
「衣装?そんな事言ってたか?」
((殺す!!!))
エリカ
「え?今なんて?」
サラセニア
「エリカ嬢!!
スズーラはバカ故に
字もろくに書けない始末。
言葉すら最近覚えたくらいですので
気にすることはありません!!」
エリカ
「え?そうなの?なんか可哀想...」
スズーラ
「な!?」
((助かりました!!閣下!!!))
サラセニア
「演目を聞いた上で
今年は私めが用意しております故
ご安心下さい。
そう!!!
プロデュースbyサラセニア!!!!
サラセニアが手を叩くと
部下達が様々な衣装を運んできた。
サラセニア
「ご覧あれ!!!!
ファンタスティック!!
そして!!ゴージャス!!!
オカルトなものからポップなものまで!!
もちろん!!!テーマは
カーテン!!カモーンヌッ!!!!」
エリカ
「え?え!?」
サラセニアがそう叫ぶと
部屋が暗転しエリカと看守長達は
それぞれのカーテンで仕切られた。
サラセニア
「ドラムロール!!!」
部屋中にドラムロールが鳴り響く
サラセニア
「タッタラーン!!」
エリカ
「うわぁ!!可愛い!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ!!」
ダチュラ
「なるほど...」
アセヴィ
「パンティは
脱いでも良いでしょうか!!」
スズーラ
「俺...の格好...」
サラセニア
「まずは!!
サラセニアが指を鳴らすと
それぞれにスポットライトが当てられ
部下達のオーバー過ぎる歓声が沸いた。
サラセニア
「年齢、性別問わず犯しては血を
魅惑のドラキュラマッチョメーン!!
ダダダダチュラ!!!!!!!!!」
ダチュラ
「我が筋肉こそが正義」
サラセニア
「お次は!!上官殺しや
部下殺しさえも
軍法違反の大嘘つき!!スズーラ!!!」
スズーラ
「とって食っちまうぞ!!
って!!ほぼ裸だろ!!これ!!」
サラセニア
「エーンドゥッ!!!
警官殺しのマザファッカー!!
自傷行為はお手の物!!
手首を切ってはグールグル!!
マンーーーディィィ!!!」
マンディ
「返り血浴びればキューティクル100倍!!
ケケケケケケケッ」
サラセニア
「まだまだ行きますよぉ!!
エロとグロ!!グロとエロ!!
快感セクシーエクスタシィィイ!!!
命を刈り取る死神淫魔ァァァア!!
アセヴィィィイ!!!!!」
アセヴィ
「ァァアン!!
その視線、
サラセニア
「そしてぇえ!!
最狂の天使!!!いや、
誰もが憧れるプリティウィッチ!!!
即死魔法は基礎魔法!!!!!
エーーーリカァァア!!!!!!」
エリカ
「エリカがみーんな殺してあげる!!」
サラセニア
「そして、私めを加えて
今夜の
盛り上げる所存でございまぁぁす!!
以後、お見知り置きを。」
サラセニア
「では、参りましょう。
準備は出来ていますか?」
マンディ
「この日の為に数ヶ月前から
準備をしてきました。
ケケケケケケケッ。」
アセヴィ
「
大イベント!!!」
スズーラ
「ゲハッハッハッ!!
練習する度に死人が出たがな!!」
ダチュラ
「それも仕方ないこと。
年に一度のお祭り。
エリカ嬢も見ていただければ
お喜びになる。」
エリカ
「そうなの!??
楽しみだなぁ!!!!
エリカもね!!
ちゃぁんと練習したんだ!!」
サラセニア
「それはそれは楽しみですね!!
私めもしっかりと
準備して参りましたよ!!」
エリカ
「ふーん。」
サラセニア
「興味がない!?
そんなまさか!!
私めの演目はさぞ!!
気に入っていただけるかと!!!」
エリカ
「別に」
サラセニア
「別に!?
ぁあ!!!神よ!!
この哀れな少女に
私めの芸術が分かる知恵と知識を!!
今!!すぐに!!与えたまえ!!!」
エリカ
「はぁ、サリーお兄ちゃんうるさい。
もう行くよ。」
サラセニア
「うるっ...うるさいとは!!
この私めが!?うるさいと!?
幼き頃!!
あのミュージカルに魅せられたあの日から
私めは目覚めたのです!!!
内なる役者の魂が!!!!!」
((ただのSMショーだろーが))
ダチュラ
「閣下、エリカ嬢のいつものお
他意はございません。」
サラセニア
「他意しか感じませんが!?」
エリカ
「うるさいのはその外見だけでいーのにぃ」
エリカはめんどくさそうに
本棚の中にあった一冊の赤い本を開き
その中に入っていたボタンを押した。
エリカ
「行こ!!」
エリカがボタンを押した瞬間
本棚が割れると道がひらけた。
そして、ガタンガタンっと
遠くから音が聞こえてきた。
スズーラ
「こ、これは...道ですか?」
エリカ
「ほら、みんな行こ!!
あ!!
スズーラ
「はい。この様なものが
まさか
仕掛けてあるのですか?」
エリカ
「んー。エリカの部屋とぉ
正門と
マンディ
「ケケケケケケケッ
しっかり掴まらねぇと
マグマに落ちるぜ?
いや、落とすぜ?
ケケケケケケケッ!!!」
アセヴィ
「
エリカ嬢の遊び心が
たぁあっぷりとあるのよ?」
ダチュラ
「さぁ、サラセニア閣下と
エリカ嬢は先を行かれたぞ。」
洞窟の様な道は心地良い反響音が鳴り
サラセニアは思わず口ずさんでいた。
サラセニア
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪」
エリカ
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪」
サラセニア
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪」
エリカ
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪」
サラセニア
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪ダチュラ!!」
ダチュラ
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪スズーラ!!」
スズーラ
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪アセヴィ!!」
アセヴィ
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪マンディ!!」
マンディ
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪閣下!!」
サラセニア
「ハロハロウィンウィン
ハロウィンウィン♪ヘーイ!!」
エリカ
「あっ!着いたぁ!!!」
スズーラ
「こんな場所に
ジェットコースターですか!?
私が副団長の時は聞いていません!!」
マンディ
「だろうな。」
サラセニア
「はい。教えていません。」
そこに広がっていたのは
曲がりくねった線路が複雑に絡んだ
赤いウサギのジェットコースターだった。
サラセニア
「ンフフフッ。
名を
ボアフレアにある
大層、エリカ嬢は気に入っておりまして
移動手段を兼ねて私めが作ったのです。
まぁ、エリカ嬢がそのジェットコースターに
乗った事など一度も!!ありませんが!!
映像でしか観たことはないのです!!
ンフフフッ!!」
エリカ
「だって外に出れないもーんエリカ!!
エリカ一番前に乗るぅ!!!」
エリカは
安全バーを下ろした。
エリカに続き他の者が乗り込むと
ダチュラは近くにある機械をいじり
行き先を裏門へと設定し
自身も乗り込んだ。
「ふぅーーー」
マンディ
「なんだぁ?コエェェのか?
ケケケケケケケッ」
スズーラ
「怖くなどない!!!」
アセヴィ
「ゾワゾワするこの感覚!!!
最高の気分になれるわよ!!」
ダチュラ
「安全バーなど、せずとも良いスズーラ。」
そう言ってダチュラは
しっかりと安全バーを下ろした。
スズーラ
「貴様はやってるではないか!!」
ダチュラ
「私は貴様がマグマに落ちても
構わんと言ってるだけだ。」
マンディ
「ほら、ハズせよ
ケケケケケケケッ」
スズーラ
「なんだと!?誰がハズッッ」
「しゅっぱーつ!!!」
すると数秒の沈黙の後
突然、垂直に落下した。
スズーラ
「ぇえええええッッ下ぁぁぁぁあ!!」
ガコンと音を立てて下の線路に着地すると
速度を上げ前へと進んでいった。
その速度は喋ることなど叶わない速度
そしてすぐ下は煮えたぎるマグマ。
焼ける様な熱さの中で
グングンと進んでいった。
唇が激しく揺れ叫んでいた。
「アバババババ!!!!」
ーー2分後ーー
エリカ
「はぁ。楽しかった!!」
エリカ以外はグッタリしていた。
「ハァ...ハァ...」
サラセニア
「エ、エリカ嬢...
速度の設定をいじりましたか?」
エリカ
「うん!!600キロ!!」
サラセニア
「ろ、ろ、ろ、600キロ!?
正気ですか!?!?
魔装兵士や
耐えうる事ができませんよ!?」
エリカ
「耐えられたじゃーん!!」
ダチュラ
「エリカ...嬢...
いささか...速すぎるの...では...」
アセヴィ
「か、快感...ゴホッゴホッ」
マンディ
「喉が...熱気で...焼けちまう...」
「オェッッッ!!オロロロロッ!!」
ダチュラ
「汚いモノを...見せるな!!
ダチュラは泡で全て消し去った。
スズーラ
「予想を...遥かに...超える...速度...」
サラセニア
「後で戻します。
エリカ
「ソープワイトお兄ちゃんなら
大丈夫だって!!!」
サラセニア
「ここの改修費は
ヒドラで持っているのです。
そして、その資金源は主に冥王軍
加えてラミオラス帝国民の税金で
まかなわれているのですよ?
決定権はありません。」
エリカ
「ちぇ。」
サラセニア
「500キロに落とします。」
スズーラ
「そんな...変わらなかった...」
目の前の階段を上がった。
その先の扉を開くと
エリカ
「ここに来るの久しぶりぃ!!!」
エリカは両手を広げて
クルクルと回ってみせた。
サラセニア
「私めも一年振りですねぇ。
この
地下迷路の間にある巨大な大聖堂を指す。
そこには"
地下奥深く厳重に保管されており
年に一度、
運び出され罪人の収監を願うと同時に
"
罪人の血を捧げる事になっている。
普段は強力な結界で守られており
認められた者だけが
内側から扉を開ける事が出来る。
サラセニア
「では、参りましょう。」
サラセニアがそう言うや否や
ゴーストの仮装をした
ズラーっと並び、サラセニア達を出迎えた。
マンディ
「相変わらず大層なこった。
ケケケケケケケッ」
職員に見守られながら
全員が
ピタリと足を止めた。
サラセニア
「私めとエリカ嬢は先に
"
取りに行かねばなりませんので。」
すると、エリカ以外の四人は
ダチュラ
「サラセニア閣下。
エリカ嬢。御武運を」
マンディ
「お気をつけて」
アセヴィ
「サラセニア閣下!!
帰って来られたあかつきには
私と是非!!!一夜を!!是非に!!」
スズーラ
「黙れ!!メス豚が!!!」
エリカ
「じゃぁ!!行ってくるねぇ!!」
エリカがそう言うと
サラセニアは扉に手を添えた。
すると、ヴォンッッと音がした後に
消えてしまった。
ダチュラ
「行かれたか。」
マンディ
「毎年、毎年、ご苦労なこった。
ケケケケケケケッ」
アセヴィ
「あのお二人であれば
何も心配いらないわ」
スズーラ
「戻って来なければいい。
ゲハッハッハッハッ」
ダチュラ
「笑えぬ。
我々が真に護らなければならないのは
ラミオラス帝国でも
スズーラ
「何!?」
マンディ
「ケケケケケケケッ」
ダチュラ
「
ーーサラセニアサイドーー
30分後
サラセニア
「はぁ。はぁ。何とかやって来ましたね。
...エリカ嬢、後は分かりますね?」
エリカ
「グッ...分かってるよ...
ロージアお兄ちゃんの頼みだもん...」
サラセニア
「それなら良いのですが。」
エリカ
「はぁ。
これが...一番面倒だよ。」
サラセニア
「...仕方ありませんよ。
あまり前へ出てはダメですよ?
でなければ...」
エリカ
「エリカ達...死んじゃうから...ね。」
サラセニア
「その通りです。」
エリカ
「うん。」
そう言うとエリカは
自身の胸に手を当てて口上を唱えた。
そして、サラセニアも高らかに叫んだ。
サラセニア
『『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
エリカ
『『天輪•
我が血を
サラセニア
『
エリカ
『『
ーーダチュラサイドーー
ドーーンっと大きな地鳴りが響いた。
ダチュラ
「あれから1時間...やっと終わったか。」
マンディ
「ケケケケケケケッ。
流石に時間がかかるな」
アセヴィ
「私達が行ったら戻って来れなくてよ?」
スズーラ
「俺なら戻って来れる。」
マンディ
「よく言うぜ。
副団長だった時だってよぉ!!
これだってソープワイト閣下が
自らやってたんだぜ?
しかも一人で行って10分で戻って来るんだからな!
ケケケケケケケッ」
スズーラ
「
アセヴィ
「ブサイクな上に負け惜しみなんて...
どうしようないドMね!!!!」
スズーラ
「貴様が言うか!!」
ダチュラ
「やめておけ。
そろそろ戻って来られる。」
すると、ヴォンッッとまたもや音がし、
ボロボロのエリカとサラセニアが
扉から出てきた。
そして、サラセニアのその手には
しっかりと小さな箱が握られていた。
ダチュラ達は駆け寄りすぐさま
ダチュラ
「おかえりなさいませ!!
閣下!!エリカ嬢!!」
マンディ
「ご無事で何より。」
アセヴィ
「さすがはエリカ嬢、
サラセニア閣下!!抱いて!!」
スズーラ
「お疲れ様でございます。
エリカ嬢お怪我はありませんか?」
アセヴィ
「ァアン!!閣下!!お怪我を!!
私が舐め回して!!
吸い尽くしてあげますわ!!」
ダチュラ
「閣下に!!近づくな!!アバズレ!!」
アセヴィ
「ァァァアン!!」
サラセニア
「心配...無用です。
多少、副作用はありますが...治せます。」
エリカ
「サリーお兄ちゃん!!
エリカが楽にしてあげよっか?」
サラセニア
「お気遣いなくエリカ嬢
しかし、少しだけ
エリカ
「
もしかして去年のやつやるの?」
サラセニア
「そうです。
私めはこれから1週間
空になります。
更に、30分から1時間前後の記憶が無くなります故
ご了承下さい。」
エリカ
「面倒くさい
死んだ方が楽だよ??
それか、一生エリカの奴隷として働くなら
治してあげる!!!」
ダチュラ
「エリカ嬢。
相性が最悪なのです。
完全回復するには
一番有効なのです。」
エリカ
「ふーん。
エリカの奴隷すっごく楽しいのにぃ」
そう言ってエリカは自身の胸に
サラセニアに止められた。
サラセニア
「エリカ嬢。ダメですよ。」
エリカ
「ちぇ。」
サラセニア
「ロージア様とのお約束ですからね。」
エリカ
「じゃぁ...奴隷は!?」
アセヴィ
「エリカ嬢!!仕方のない事ですわ!!
私達、魔装兵士ならともかく
純度の高い
相性が最悪!!
互いに傷つけ合ってしまうのです。
神話の時代からの因果では
仕方のない事。」
エリカ
「へぇー。アセヴィお姉ちゃんって
そういうの詳しいよね!!!
それも夢の女の子が話してくれたの?」
アセヴィ
「そのような話しを
覚えていてくださったのですね!!」
エリカ
「たまにそんな夢見るって言ってたもんね!」
アセヴィ
「この歳になれば
夢見る少女じゃいられませんわ!!」
エリカ
「え?意味わかんないんだけど...
まぁ、とにかく何でも知ってるよね!」
アセヴィ
「この私を博識で妖艶だなんて!!
エリカ嬢ありがたき幸せですわ!!
よろしければ私の肉体を
傷つけていただけません!?
今!!!すぐに!!!!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ!!
妖艶なんて一言も言ってねぇだろうが。
それとも俺とヤるか???
ズダズダに引き裂いてやるよ!!!!」
ダチュラ
「いい加減にしろ。
閣下の傷を癒すことが優先だ。
全てが終わったら
骨の
マンディ
「おい、テメェに指図される覚えは
ねぇぇえええんんんんだよぉおお!!」
マンディは更にガリガリと
手首を引っ掻き始めた。
エリカ
「エリカ殺しちゃうけどいい?全員」
サラセニア
「エリカ嬢...お
あなた達も静かに...するのです。」
サラセニアがそういうと
サラセニア
「では、皆さんの
少々いただき...ます!!!」
サラセニアはそう言って空中に飛び上がると
高らかに叫んだ。
サラセニア
『
サラセニアの股間が輝き出すと
身体が黄金の光に包まれていく。
アセヴィ
「閣下!!閣下の閣下がカッーーーっと
輝いていくぅぅぅう!!!!
そしてぇえ!!ぁああん!!
スッゴい勢いで...吸われるゥウウ!!
ぁぁぁぁぁぁあん!!!」
マンディ
「グッ...
吸収の仕方が...半端...ねぇ!!!」
スズーラ
「
ダチュラ
「閣下の為!!耐えろ!!!」
エリカ
「うわぁ...いつ見てもキモまる梵天過ぎる」
すると、
輝きながらゆっくりと着地した。
サラセニア
「ーーシュッタ!!
ふぅ。私めとエリカ嬢は先に
"
取りに行かねばなりませんので。
ん?エリカ嬢...その怪我は...」
エリカ
「アハハハ!!
これ絶対、記憶飛んじゃうんだね!」
スズーラ
「服も傷も全部元通りになってやがる...」
アセヴィ
「閣下!!もっと!!
もっと吸っておくんなまし!!」
ダチュラ
「サラセニア閣下。
お使いになられました。」
サラセニア
「...ん?なんと!!!」
マンディ
「その通りです。ケケケケケケケッ
今、手に持っている箱の中に
入っています。ケケケケケケケッ」
サラセニア
「ンフフフッ!!ハッ!!
扉が開いている!!
なるほど...私め達は上手くやれたのですね!
では、エリカ嬢の傷は...」
エリカ
「全部とっくに血は止まってるし
怪我も治ったよー!!
返り血浴びちゃったからね!」
サラセニア
「流石は鮮血の
エリカ
「はぁ。疲れたね!!サリーお兄ちゃん!
最後までとどめさせなかったし
お洋服も汚れちゃったし...
ダチュラお兄ちゃん!!
泡で汚れ全部飛ばして!!」
ダチュラ
「かしこまりました。
ダチュラは汚れめがけて泡を飛ばすと
一気に汚れを弾いた。
サラセニア
「ンフフフッ!!
洗濯要らずの
エリカ
「じゃぁ封印も解けたし
これでやっとみんなが入れるね!!!!
エリカがそう言うと
続々と
入っていった。
古き良きアンティークの数々とドクロ。
煌めく装飾は赤と金で埋め尽くされていた。
更に床は大理石
紫色のテーブルクロスをあしらわれたテーブルは
超高級マホガニー製
巨大なシャンデリアにはダイヤモンド
前方には舞台、その脇には
奥には
その
料理人達が駆け足で入っていくのが見えた。
エリカ
「お腹へったぁあ!!」
サラセニア
「ンフフフッ。すぐに取り掛かります故
しばしお待ちをエリカ嬢」
エリカ
「はーやーくぅ!!!」
サラセニア
「
シンシャドゥールきっての料理店
人質に呼んでおりますので
死に物狂いで腕を鳴らしてくれると思います。
今、
エリカ
「毎年、本当においし〜んだよねぇ!!
ねぇ!!まだなの?」
サラセニア
「ですから
今到着した故、すぐにはーー」
「ねぇ!!まだなの!!!」
サラセニア
「ですから!!!
私めも
「待てなーい!!!」
「私めは空腹の絶頂なのです!!
このクソガキが!!!
ぁあ!!ヒトカケラのパンがあるなら
このガキの口を塞げるのに!!
コレは!!私めへの試練なのか!!
神よ!!!!!私めを導き給え!!」
エリカ
「子供じゃないんだから
急に大きな声出さないでよ!!!」
サラセニア
「なんと!?」
ダチュラ
「全体、整列!!!」
ダチュラが声を上げると
ゴーストの仮装をした部下達は
各看守長の前に並んだ。
ダチュラ
「
マンディ
「
スズーラ
「
アセヴィ
「
ダチュラ
「戦争で傷つき
怪我を負った戦士たちよ!!
そして、
選ばれた各監獄50名
総勢200名の勇士達でもある!!
今日は盛大に祝おうじゃないか。
演目が終われば貴様らには
長年の功労を称えられ
休暇を与えられる。ご苦労であった。」
歓声をあげていた。
マンディ
「
お前らは自由だ!!!!
貰った金は豪遊しても有り余る!!
その分しっかり働け!!!!
しくったら斬り刻む!!
ケケケケケケケッ」
アセヴィ
「ぁああん!!
最高の夜にしましょーん!!
お別れは済んだかしらーん??」
スズーラ
「貴様らにとっても
任務中だが今日は
酒でも飲みながら楽しめ!!
ゲハッハッハッ!!」
ダチュラ
「かかれ!!」
それぞれの看守長の下に500人おり
管理、給仕、清掃、処理
様々な役割がある帝国兵である。
看守長といることにより
意外にも人気職である。
その理由としては超高額の給与
残業無し、そして
第84条の1には
いかなる理由があろうとも
看守長は手出ししてはならない。
しっかりと明記されている。
そして、この職の特徴として
一般的には戦争で怪我をしたり
特別な理由で戦線を離脱した者が多い。
そう言った者たちを集め生活の為に職を与える。
更にその中から毎年、
各監獄から50名ずつ選ばれ
1週間前になると
そして、
終わり次第 選ばれた者達は
その日から働かなくても良いという制度が
エリカ
「まっだかなぁ!!
まっだかなぁー!!」
サラセニア
「まっだかなぁ!!
まっだかなぁー!!!」
エリカとサラセニアは席に着き
ナイフとフォークを握りしめて
リズム良くテーブルを叩いていた。
他の看守長も席に着くと
ウェルカムドリンクが注がれ
メニューが配られた。
サラセニア
「今回はロージア様のはからいで
超有名高級スペリオール料理
エリカ
「やったぁあ!!!!!」
マンディ
「食べたことねぇぜ!!!
ケケケケケケケッ!!!」
アセヴィ
「なんと!!私!!初体験!!
ぁあん!!ロージア様ァァァァンン!!
めちゃくちゃにして!!
今すぐ!!!!今すぐに!!!!」
スズーラ
「フンッ。
スペリオール料理も知らねーのかよ。」
ダチュラ
「仕方ない。
服役し看守長になったものの
我らは
出れる事など
基本、有り得なかった。
本来ならば味わえる楽しみも
蓄えるはずの知識も無いのだ。
ロージア様もその事をよくご存知でおられる。
スズーラ
「フンッッ。
正当化すんじゃねぇよ。
罪を犯したのは俺たちだ。」
ダチュラ
「ぁあ。分かっている。
それでも、我らも人間なのだ。
一握りの幸せさえも
欲してはいけないのだろうか...」
スズーラ
「一握りの幸せ...かぁ。
シャバが懐かしいぜ...」
スズーラはそう言って
サラセニアを見た。
すると突然サラセニアは
グラスをチーンッと叩くと
サラセニアにスポットライトが当たり
静寂に包まれた。
サラセニア
「ゴホンッッ。
皆々様!!今年も沢山の
収監する事が出来ました。ダチュラ!!」
するとダチュラが立ち上がり
スポットライトが当たった。
ダチュラ
「ハッ!!
年間5,000人を収監致しました。
死傷率70%!!」
サラセニア
「マンディ!!」
マンディ
「ハッ!!
年間3000人を収監致しました。
死傷率80%!!」
サラセニア
「スズーラ!!」
スズーラ
「ハッ!!
年間4000人を収監致しました。
死傷率76%!!」
サラセニア
「アセヴィ!!」
アセヴィ
「ハッ!!
年間3500人を収監いたしましたわ
死傷率60 %!!」
サラセニア
「エリカ嬢」
エリカ
「数えてなーい」
サラセニア
「そう思いまして
こちらに資料があります。
えー。
年間...10人ですね。ふーん。そうですか。
え!?10人!?!?」
エリカ
「だってぇ!!世界的犯罪者なんて
そうそう現れないしぃ!!!
だからナーベルク隊士で
遊んでるんだもーん。
要人は殺してないよ!!
用済みの奴だけ殺してるもん!!
それに!!エリカは自由って
ロージアお兄ちゃん言ってたもん!!」
サラセニア
「ま、まぁそうですね。
ゴホンッッ。
ラミオラス帝国にとっても
いや、世界に対しても誇るべき機関です!
これからも溢れるほど罪を犯した者達を
捕獲し収監し平和を守るのです!!
刑期は出来るだけ伸ばし
罪をなすりつけなさい!!
この場に踏み込んだ者共は
ラミオラス帝国の意に反した者!!
二度と表に出してはなりません!!
全ては!!ラミオラス帝国の為に!!!
そして!!
ダチュラ
「
マンディ
「
スズーラ
「
アセヴィ
「
エリカ
「お腹減ったなぁー」
そして続々とシェフ達の手で料理が運び出された。
エリカ
「うわぁ!!!おいしそう!!!」
サラセニア
「堪能して下さいエリカ嬢。」
初めて見る料理の
エリカも看守長も胸を躍らせて
次々と口に運んでいった。
途中、数人の老婆が悲鳴を上げた事に
驚いたがそれでも夢中になって食べていた。
サラセニア
「はぁー!!!
美味しかっ
特に翼竜のウロコのマリネは
天にも昇るおいしさ!!」
エリカ
「幸せぇ!!!
初めて食べた!!
マンドレイクのブラックソースって...
マンドレイクの血だよね??」
マンディ
「ケケケケケケケッ!!
バジリスクの右眼はプチっとして
うまかったぜえぇえええ!!!」
ダチュラ
「ラミオラスサソリを
スペリオール風にアレンジしたのは
未だに唇がピリピリする...
そもそも食べれたのか。あのサソリ...」
スズーラ
「ニーズヘッグってなんだか知らねぇけど
癖のある歯応えだったな...
噛み切れぬとは...」
アセヴィ
「何より!!メイン!!!
メインの国産バハムートのグリエ!!
仕上げの悲鳴でぎゅっと引き締まった肉から
溢れ出す
もうビッショビッショよぉおお!!!
たまんない!!!たまんないわぁん!!」
サラセニア
「皆さん!!
だいぶ、満たされたようですね!!!
今日作っていただいたシェフに
登場してもらいましょう!!」
サラセニアがそう言うと
顔面蒼白で怯え切ったシェフ20人が舞台に上がった。
サラセニア
「とても美味しかったですよ!!
さぁ!!これを受け取りなさい!!
大きな箱を持ってきた。
サラセニア
「マンディ!!」
マンディ
「ハッ!!」
マンディが舞台に上がり
その箱を開けた。
マンディ
「ケケケケケケケッ。
よくやってくれた。
あんなに美味い飯は一年ぶりだ。受け取れ。」
マンディが中から取り出したのは
何かの証明書だった。
マンディが指示を出すと
シェフ達に配った。
マンディ
「国のために働いたお前達には
この先 一年、全ての税を免除する。
そして、お前らの家族は
シンシャドゥールの一流ホテルで
VIP待遇として
もてなされているだろう。」
シェフ達は
膝から崩れ落ちていった。
サラセニア
「ンフフフッ。
ラミオラス帝国は一流には一流のもてなし
ゴミにはゴミのもてなし故。
さぁ!!お行きなさい!!
私めの部下全員が
シンシャドゥールまで護衛し
送り届けます!!!」
そう言うとシェフ達は
サラセニアの部下全員と出て行った。
サラセニア
「エリカ嬢よろしいですか?」
エリカ
「はいはーい!!」
エリカが立ち上がると
他の看守長も立ち上がり
シェフ達を見送った。
アセヴィ
「今度は
私を調理して下さる??」
そう言ってアセヴィは
少し若いシェフの股間をギュッと握った。
スズーラ
「ゲハハハ!!
調理する前に凍え死ぬぞ!!」
ダチュラ
「その汚い手をどけろアセヴィ
意識が飛びかかっている。」
アセヴィ
「あら大変」
エリカ
「ばいばーい!!
また遊びに来てね!!」
そう言ってガシャンっと
エリカは扉を閉めた。
皆席に戻るとサラセニアが
マイクを持って話し始めた。
サラセニア
「ここからがメイーーンンディッシュです!!」
サラセニアにまたもやスポットライトが当たると
サラセニアは舞台の上へ移動した。
そして小さな箱から
ダチュラ
「おぉ!!いつ見ても
マンディ
「この世の物とは思えねぇ!!」
スズーラ
「かの 姫が付けたと言われる...」
アセヴィ
「ァァンン!!素敵!!
呪いの首飾りぃいい!!」
サラセニアは
舞台にある台座に置くと
突然、歌い踊り始めた。
「マシャマシャ
マシャマシャ
マシャマシャ
すると、割れんばかりの拍手に包まれた。
サラセニア
「続きまして。
祝福を込めて歌います。」
マンディ
「二曲連続かよケケケケケケケッ」
ダチュラ
「マンディ。閣下に失礼だぞ。」
サラセニア
「1.2.3.4♪
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ワチュガナドゥッ!
ワチュガナドゥ!!ヘッ!!
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ワチュガナドゥッ!
ワチュガナドゥ!!ヘッ!!」
更に拍手が鳴り響く。
サラセニア
「ではさっそくですが
私めの歌で開会を宣言致します。」
エリカ
「え?さっきの二曲なんだったの??」
スズーラ
「エリカ嬢...サラセニア閣下は
昔からあぁなんです。」
「ゴホンッッ!!ゴホンッッ
マー!!マー!!マー!!ゴホンッッ
コーラスガール!!バンドマーーン!!
スタンバイッッ!!!」
そう言うと舞台に
ジャックオーランタンの格好した音楽隊が
やってきた。
「スゥーーーーーーッッ」
サラセニアは歌い終わりお辞儀をすると
再び割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
サラセニア
「さぁ!!!
いや、今年は私め主導でお送りする
プロデュースbyサラセニア!!
テーマは!!!
ブロードウェイ
音楽と共に
血を!!!捧げるのです!!」
拍手は更に大きくなった。
サラセニア
「ンフフフッッ!!
私めはこのまま司会進行を
務めさせて頂きます!!!
続きまして!!
ダチュラ=DDDィィ!!!!!!
演目は!!!
"血も滴る良い男 筋肉美に酔いしれて"です!!」
サラセニアがそう叫ぶと
舞台が暗転した。
ダチュラ
「フッハハハハハ!!!!
我が肉体に酔いしれるがいい!!!!」
バンッと明かりがつき
逆さまに浮かぶダチュラの姿があった。
ダチュラ
「1.2.3マッスル!!!」
ダチュラはクルッと回転し降りると
ジャケットを脱ぎ捨て
音楽に合わせながら
同じ格好をした大勢の
次々と筋肉を見せつけるポーズを決めていく。
その後ろでシャボン玉に閉じ込められた囚人達が
次々と破裂していった。
ダチュラ
「マッスル!!!!」
すでにシャボン玉は血で満杯になり
赤く染まっていた。
エリカ
「わぁー!!!!肩がメロン!!!」
アセヴィ
「ァァァァンン!!プリケツゥゥウ!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ!!
良いキレ味だぜぇぇえダチュラ!!」
スズーラ
「何を言ってるんだ...」
マンディ
「ケケケケケケケッ。
お前も適当に盛り上げとけ。
俺も意味はわかってねぇ。」
スズーラ
「そ、そうか。
肩にちっちゃい
ダチュラ
「マッスル!!!!」
そして、最後の言葉を放つと
シャボン玉は割れ
血の雨がダチュラに降り注いだ。
ダチュラ
「フッハハハハハ!!!!」
割れんばかりの拍手が鳴り響くと
エリカの
血液が
吸い込まれていった。
サラセニア
「圧倒的な肉体美を
披露してくれました!!
恵みの雨とでも言うのでしょうか!!
素晴らしい歌声とマッスルでした。
続きまして!!
マンディ=レイクリー=レイカー!!!!演目は!!
サラセニアが舞台袖に身を引くと
マンディと自身の
素早く舞台下から飛び出てきた。
マンディ
「ポゥッ!!!アッ!!ポゥッ!!」
マンディは
ムーンウォークをしながら
舞台を縦横無尽に移動した。
アセヴィ
「ムフフフフッッ
マンディって踊れたのね!!」
ダチュラ
「元々マンディは踊れる。」
エリカ
「え!?意外!!
マンディお兄ちゃんカッコいい!!」
スズーラ
「しかしエリカ嬢
自分の髪を踏んでコケてますぞ。」
エリカ
「マンディお兄ちゃんカッコ悪ーい」
すると
次々と囚人を並べ始めた。
マンディ
「ケケケケケケケッ!!!
血をォォォォ!!血をォォォォ!!!
求めてんだよォォォォオオオ!!!
ポゥッッッッ!!!!!」
マンディは囚人達を次々と
2枚、3枚とおろして解体していく。
ブシャァッッと血が吹き出す中で
マンディは
用意した
骨と肉体をリズムに乗りながら生けていった。
血が流れていくのに対して
何の疑問も持たず踊り続けていた。
エリカ
「綺麗なお花!!!
エリカもできるかな??」
アセヴィ
「エリカ嬢
後でマンディに教えてもらいましょうね!!
私も生けてくれるかしらぁあん!!」
スズーラ
「本気で言ってるのか?」
「豚は黙ってて!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ!!!!
ラストォォォォ!!!!!!」
そう言って自身の手首を切り裂いて
血を飛び散らしていた。
マンディ
「アゥッッ!!!!」
割れんばかりの拍手が巻き起こる。
マンディはやり切った顔で
丁寧にお辞儀をした。
サラセニア
「素晴らしいショーを見せていただけました。
まさに地獄に咲く一輪の花でしたね!!
さて、続きまして!!!
スズーラ=マーモン!!!!演目は!!」
サラセニアに紹介されると
舞台上に両腕を縛られ
頭に袋を被せらた囚人達が何人も
座らせられていた。
「"オデ、ワル、アタマ"です!!」
スズーラ
「そ、そんなタイトルではない!!」
サラセニア
「ではどうぞ!!!」
スズーラ
「クッ!!!」
スズーラは深く溜息を吐いて
舞台へと上がった。
スズーラ
「
音楽が鳴り止むまでひたすら
その数を数えるのだ!!」
エリカ
「え。何それ。」
アセヴィ
「バカが考えそうな事ね。」
ダチュラ
「そもそも奴は数を数えられるのか?」
マンディ
「ケケケケケケケッ
どうしようもねぇ見せもんだな。」
スズーラ
「そして!!
我が美声もお披露目しよう!!」
スズーラは歌いながら
次々と
切らさぬように隙間なく処理しつつ
どんどん並べていった。
マンディ
「ケケケケケケケッ
あいつもう何人ヤったか忘れてやがるぜ」
エリカ
「本当に数えられないの??
エリカ教えてあげよーっかな!!」
アセヴィ
「そんな!!エリカ嬢に
教えていただくなど勿体ないですわ!!」
ダチュラ
「あれでよくソープワイト閣下の右腕で
いられたものだ。」
エリカ
「そういえばソープワイトお兄ちゃん言ってたよ!!
スズーラは便利だって!」
マンディ
「便器の間違いでは?ケケケケケケケッ」
エリカ
「ムカついたら殴っても
すぐ治るから良く実験してたんだって!!」
アセヴィ
「ァァァァンン!!
羨ましいぃぃい!!!!
私も同じだと言うのに!!!」
ダチュラ
「貴様は誰かに移す必要があるだろう。
その点、スズーラの魔装兵器には
自己治癒があるからな。」
アセヴィ
「許せませんわぁあ!!!!
あの豚!!!!!!
そもそも自己治癒なんて
魔装兵器にしては行き過ぎた
マンディ
「それは違いねぇ。だが...
お前もだダチュラ。」
ダチュラ
「そんな事知らん。
欲しいなら力尽くで奪ってみろ。」
マンディ
「はぁ?テメェの手アカだらけの魔装兵器なんて
欲しくねぇーんだよ!!」
エリカ
「あっ!見て!!
マンディ
「デブが。体力無さ過ぎなんだよ。
ケケケケケケケッ」
スズーラ
「最後の一個ォォオ!!!」
サラセニア
「なんと!!2分間で300人も処刑しました!!」
盛大な拍手が鳴り響き
スズーラは両手をあげて吠えた。
スズーラ
「ワォーーーーーーーンッ」
マンディ
「今、設定思い出したように
吠えてんじゃねぇよ。」
サラセニア
「続きまして!!!
男性職員のマドンナの登場です!!
アセヴィ=シェイ=アンドロメダァァ!!
演目は!!
"ティアマトの怒りアンドロメダ姫の悲劇 "です!」
アセヴィが舞台に上がると暗転した。
そして、スポットライトがバンッとつくと
そこにはポールに縛られたアセヴィが現れた。
アセヴィ
「私は海の神の怒りを買った哀れな姫!!
その怒りを鎮める為に
だけど!!どんな苦痛も私は耐えてみせる!!!
それが私の運命だから!!!!!」
舞台が明るく照らされると
アセヴィの背後に無数のポールと
そして、音楽に合わせて
妖艶なポールダンスが始まった。
アセヴィ
「ぁあ!!助けは来ないのか!!!」
マンディ
「おい、えらくノリノリじゃねぇか。
ケケケケケケケッ」
スズーラ
「
どんな苦痛も耐えてみせるって
元々、死ぬ気ねぇ設定だな。」
エリカ
「グスン...」
スズーラ
「ぇえ!?エリカ嬢!?
どうなさったんですか!?」
エリカ
「だって
アセヴィならきっと海の神を殺せちゃう...」
スズーラ
「そっちですか!?!?
待ってください!!
例えそれでも...泣けますか...ねぇ」
エリカ
「だってアセヴィ殺す気で
ワクワクしてるのに
自分が死んじゃうんだよ??
死に切れないよ!!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ
さすがはエリカ嬢
イカれてやがる」
アセヴィ
「あ!!ペルセウス王子!!」
ダチュラ
「アンドロメダ姫!!!
ぁあ!!私の愛しい姫!!
何故こんな目に!!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ
ダチュラが何でいんだよ。」
スズーラ
「ダチュラいつの間に!!」
アセヴィ
「ペルセウス王子!!早く!!早く!!」
ダチュラ
「わかっている!!ォォォォ!!」
アセヴィ
「ァァァァンン!!!!」
ダチュラはアセヴィを迷いなく斬りつけた。
エリカ
「ぇええ!!どう言う事!?
裏切ったの!?!?」
アセヴィ
「ペル...セウス...王子...
足りない!!!!もっとよ!!!!」
ダチュラ
「今、助ける!!!アンドロメダ姫!!
ハァァァア!!!!!」
アセヴィ
「ァァァアン!!!
良い!!!良い!!!!」
ダチュラ
「ここか!!
ここがいいのか!!」
アセヴィ
「そう!!そこ!!!そこ!!」
ダチュラ
「もっと泣き喚くがいい!!!」
アセヴィ
「ァァァァンン!!
よしなに!!!!ォォォォンン!!」
ダチュラ
「アンドロメダ姫ェェエエエエ!!」
アセヴィ
「ペルセウス王子ィイィィ!!!」
エリカ
「なんてロマンチックなの!!」
マンディ
「ケケケケケケケッ。
俺らは何見せられてんだか。」
ダチュラが痛めつけている間
踊り続けるポールダンサー達のシュールさが
異彩を放っていた。
スズーラ
「中々の傷だが
アセヴィは持つのか??」
マンディ
「関係ねぇよ。
いなくなったら俺らの序列が上がるだけだ。
死んでくれて構わねぇんだよ。
ケケケケケケケッ」
アセヴィ
「ァァァァンン」
するとアセヴィは
プルプルと震えながら
カクンッッと気を失った。
ダチュラ
「アンドロメダ姫ェェエエエエ!!!」
会場はすすり泣く声と
悲痛な声が響いていた。
ダチュラ
「目を覚ましておくれ!!」
マンディ
「自分がやったんじゃねぇかよ。
ケケケケケケケッ」
そして舞台が暗転し
再び明かりがつくと
囚人達が何十人とポールに
触手で縛られていた。
ダチュラ
「アンドロメダ姫!!」
『
すると囚人達の叫び声が上がり
血が吹き出すと
アセヴィとダチュラは
エリカ
「ワーーーッ!!素敵!!!
すごく良かったよ!!
アセヴィお姉ちゃん!!」
アセヴィ
「ムフフフフッッムフフフフッッ!!
さぁ!!!スクリームを轟かせてぇぇん!!」
そして、拍手喝采が巻き起こり
ダチュラとアセヴィは舞台上で
深くお辞儀をした。
サラセニア
「なんとぉ!!!
まさかここでラブストーリーが
観れるなどと誰が思ったでしょうか!!
アンドロメダ姫と
ペルセウス王子の感動の物語
ティアマトの怒りアンドロメダ姫の悲劇
こんな良い話し!!一体誰が!!」
サラセニアは涙を
サラセニア
「一体、誰が!!!
私めです!!!!
そう!!一体誰が!!!!
私めです!!!!!
一体誰が!!!!
そう!!
プロデュースbyサラセニアです!!
私めに盛大な拍手を!!!!」
スタンディングオベーションで
拍手喝采が巻き起こりサラセニアは
満足気に笑っていた。
サラセニア
「さぁ!!続いては!!
待ちに待ちかねた
これが
エリカ=ヒースで
"魔女っ子エリカが魔法を解くぅ!?"です!!」
エリカ
「今日は特別だよ!!
たっくさん飲んで楽しんね!!!」
エリカはそう言って
舞台上の血液を巻き上げて
エリカ
「さぁ!!行くよ!!!」
舞台にはエリカが1人立っており
照明が色とりどりに変わり
可愛らしい歌声が辺りに響く。
血液が宙を舞い舞台を色付けていく。
エリカによるライブさながらのパフォーマンスに
一同のボルテージは最高潮に上がっていた。
スズーラ
「エル!!オー!!ブイ!!イー!!
ラブラブ エリカ!!」
アセヴィ
「なんて可愛らしいのかしら!!
エリカ嬢!!私を
マンディ
「ケケケケケケケッ
本当、恐ろしい方だぜ。」
ダチュラ
「ぁあ。故に
これが
スズーラ
「エル!!オー!!ブイ!!イー!!
ラブラブ エリカ!!」
ダチュラ
「エル!!オー!!ブイ!!イー!!
ラブラブ エリカ!!」
アセヴィ
「エル!!オー!!ブイ!!イー!!
ラブラブ エリカ!!」
マンディ
「エル!!オー!!ブイ!!イー!!
ラブラブ エリカ!!」
サラセニア
「エル!!オー!!ブイ!!イー!!
ラブラブ エリカ!!」
エリカ
「はぁ!!楽しかった!!」
サラセニア
「流石はエリカ嬢!!!
大変な盛り上がりでしたね!!」
エリカは盛大な拍手で迎えられると
スポットライトがバンッと当たった。
するとゆっくり
エリカはマイクを握りしめて話し始めた。
エリカ
「今日は、一年に一度のお祭り!!
とーっても楽しかった!!!
大人に沢山囲まれて
沢山血が見れて嬉しかったなぁ!!
戦争で沢山傷ついたみんなが
笑顔になって良かった!!」
エリカがそう言うと
盛大な拍手が巻き起こった。
エリカ
「ありがとうさぎ!!
あのね、ここにいる人達50人は
色んな理由で帰ってきたんだと思う。
ツライ想いもしたのかなーって思うし
悲しい気持ちにもなったと思う。
ここにいる200人は分かってると思うけど
敵前逃亡や裏切りや
だけど、知らんぷりして、のうのうと笑って
高いお給料もらってるの。
エリカ。信じられない。」
会場は一気にどよめき
不穏な空気が流れた。
エリカ
「
第84条の1には
いかなる理由があろうとも
看守長は手出ししてはならない。
書いてあるけど
みんな知ってる??」
その問いに対して
エリカ
「
ただし、これら法の全ては
エリカ=ヒースに該当しない」
その瞬間、看守長を除く
出口に向かって一気に走り出したが
サラセニアも含め看守長は誰も動かなかった。
エリカ
「アハハ!!アハハ!!
察しがいいねみんな!!
知ってるでしょ?
認められた者だけが"内側"から
開ける事が出来るってね。」
サラセニア
「ンフフフッッ。
私めとエリカ嬢以外は
開ける事が出来ません。
と言うことは...」
マンディ
「ケケケケケケケッ。諦めな。」
スズーラ
「見苦しい!!ゲハハッ!!」
アセヴィ
「いいわぁ!!その表情!!
恐怖のスメルが漂ってる!!!」
ダチュラ
「これから貴様ら全員に
分け
ありがたく受け取るがいい。永遠にな。」
サラセニア
「さぁ!!哀れな仔羊達よ!!
あなた達の血は無駄にはしません!!
そう!!!これは神の
喜びなさい!!!!!!
エリカ
「
「…裏切り者には死を。」
周囲はパニックと化し
命乞いをする者や自害する者
恐怖に怯えて立てない者など
様々な様子が見られた。
しかし、エリカは
何ごともない顔つきで言った。
エリカ
「幸せな時間も今日で終わり。
魔女っ子エリカが魔法を解いてあげるね!
そしてエリカは
ゆらりと横に振った。
エリカ
『
すると、
赤いウサギが次々と飛び出し
悲鳴を上げ逃げ惑う
追いかけ回しながら食い尽くしていく。
エリカ
「ハッピー
エリカがそう言うと
次の瞬間、グシャッと
「アハハハッアハハハッ!!」
「ンフフフッンフフフッ!!」
「フハハハッフハハハッ!!」
「ケケケケケケッッッ!!」
「ゲハハハッゲハハハッ!!」
「ムフフフッムフフフッ!!」
ここは
秘宝が眠りし
そして
墓場でもある。
ーー
「ふぁぁーー。おやすみぃ」
おや?
もう寝る時間だったんだね。
君はどんな夢を見るんだろうか。
悪夢を見ても楽しめてしまうから
きっとどんな夢でもいいのかな?
それにしても、本当に楽しそうだった。
沢山、血も見れて
沢山、悪い奴を成敗していたね。
だけど、僕は不本意だったよ?
何故、あんなものに
僕の力を貸さないといけないのかってね。
はぁ、どんなに君に言ったって
この声は決して届かない。
「むにゃむにゃ...」
それでもいいさ。
いつか逢えるその日まで
今はおやすみ。
僕の可愛いエリカ。
作者 REN’sJackson
ー
番外篇
【
おまけ
モンティ
「はぁ!!!疲れた!!!!」
ずっと裏方で音楽や照明を担当していたモンティは
シンシャドゥール行きの
街を歩いていた。
モンティ
「所長もさぁ...本当に人使い荒いっていうか
なんていうか...全然、表出ないのに
こんな格好させられるし
しかも俺の着替えが入ってるアタッシュケース
ヒドラ研究所に
俺置き忘れちゃうし...はぁ。
シンシャドゥールはキツいって...この格好。
いくらハロウィンでも
まぁまぁな大人が仮装なんてよぉ...」
するとプルルルルプルルルルと
モンティの
鳴り響く。
モンティ
「ん?なんだ?こんな時間に。もしもし?」
トギリ
「助けてくれ!!」
モンティ
「どうした!!」
トギリのその声を聞いた瞬間
緊迫感が走る。
トギリ
「グッ!!頼むッ!!奴が!!」
モンティ
「トギリ???おい!!おい!!
他の部隊には連絡したのか!!!
おい!!!トギリ!!!!」
すると誰かの叫び声が聞こえる。
スイセ
「いやぁぁぁあ!!!!!!!
それ高いの!!!やめて!!
やめてぇえええ!!!」
サフィニア
「アヒャアヒャアヒャアヒャ!!
シンプルにゴリラ!!!!」
スイセ
「え!?シンプルにダリア??
そう!!私は一輪のダリア!!!
美しきダリア!!!!」
サフィニア
「アヒャアヒャアヒャ!!!
あっ。」
ガシャンッと音がした。
スイセ
「いやぁぁぁぁ!!!!
そのグラス6000万オラス!!!!
こんのぉ...ガキャァ!!!!」
ペチュニア
「あらあら。
もう少し大人しく出来ないのかにゃ?
ヒグッ」
トギリ
「うぉお!!ペチュニア !!
それ飲んじゃだめだろぉおお!!!!!
とにかく!!モンティ!!今ーーー」
ツーツーツーッ
モンティは静かに
モンティ
「さっ。帰るとすーーーん?」
すると何か大きなものが近づいてきた。
マリガルド
『
モンティ
「うおおおお!!!」
突進してくるマリガルドを
モンティは地面に飛び込んで
モンティ
「おい!!マリガルド!!!!
俺を殺す気か!!!!」
マリガルド
「
モンティ
「あの速度で来られたら
死ぬぞ!!俺!!!死ぬぞ!!」
マリガルド
「ハッ!たかだかハネられたくれぇで
死ぬわけねーだろ!!」
モンティ
「死ぬだろ!!!
それ特殊魔装兵器だろうが!!!
しかもハッキリと技名叫んでたろ!!」
マリガルド
「あ"ん!?そうだったか!?ん!?
つうかよぉ。...お前...モンティ...か?」
モンティ
「お前分かんないのに
突っ込んで来たのかよ!!」
マリガルド
「バ、バ馬鹿野郎!!
分かって...たに決まってんだろぅ...が」
モンティ
「分かってねぇじゃねぇか!!」
マリガルド
「んだと!?
テメェがそんな格好してっからだろ!!
ハロウィンかよ!!!」
モンティ
「
マリガルド
「
モンティ
「俺は帰るんーーー」
「行くぞオラッ!!」
モンティ
「結局かよぉおおおお!!!!!」
マリガルドに首根っこを掴まれ
シンシャドゥールの街を駆け抜けていった。
ーー15分後ーー
ここはラミオラス帝国の首都
シンシャドゥールより東に位置する
芸術と憧れの街アラーナ。
ラミオラス帝国のファッションの最先端が
常に生み出され続け
若者が住みたい街としても
毎年ナンバーワンになるほど
誰もが憧れる高級住宅街でもある。
モンティ
「おい!!
ここアラーナじゃねぇか!!」
マリガルド
「いちいちうるせぇ奴だ...な!!」
モンティ
「ォォォォォ!!!垂直!!垂直!!」
マリガルドは高層ビルの壁面を
垂直に移動していた。
モンティ
「落ちる!!落ちる!!!
いや、クビが絞めら...れ...」
マリガルド
「落ちねぇよ!!
ちゃんと首根っこ掴んでんだろが!!」
モンティ
「ずっとな!!!!」
マリガルド
「ほら、着いたぜ。」
そこは35階建て超高級マンション屋上
スイレ=スイセ=スイレン=ジェシカニーパ自宅
ワンフロア全てがスイセのものであり
夜景が見える広い庭に高級な品物の数々
売れっ子デザイナーであるスイセは
俗に言う億万長者である。
モンティ
「こんな夜に庭で音楽かけてんのかよ。
洒落てんなぁー。」
マリガルド
「おい。いつまで乗ってんだ。降りろ。」
モンティ
「え!!まだタケェよ!!!
今降りたら足折れるだろ!!」
マリガルド
「チッ」
すると、マリガルドは
モンティを、蹴落とした。
「ぅおおおおお!!!イデッ!!」
マリガルド
「連れてきたぜトギリ」
サフィニア
「あ!!ティンティン!!!」
ペチュニア
「モンティにゃにゃいかヒグッ」
モンティ
「おい!!ペチィ!!
お前まさかーー」
「マリ坊!!ティン坊!!
遅かったじゃ...いやぁぁあ!!
ダメよ!!それだけはダメ!!
サフィちゃーん?ダメだヨォ?
お姉さんの大切な毛皮だからねぇ?
ジュースはゾウキンで拭こうねぇ?
ほぉら!!ここに札束があるわよ?」
サフィニア
「え?おねぇちゃんはペチィだけだし!」
スイセ
「やめてぇええええ!!!!!!」
トギリ
「面倒くせぇな!!
いい加減にしねぇか!!
サフィニア!!」
「うっさい童貞!!!」
トギリ
「ど、童貞じゃねぇよ!!!」
サフィニア
「素人童貞!!!」
トギリ
「んの野郎!!」
スイセ
「もう!!はしたないわよ!!
レディがそんな言葉使うなんて!!
魔法使いって呼びなさい!!」
サフィニア
「え!?トギリ魔法使えるの??
じゃぁ!!内臓ちょーだい!!」
トギリ
「なんだその魔法!!
せめてもっと可愛いのにしろよ!!
ってペチュニア !!それ呑むなって!!」
ペチュニア
「魔法ちゅかいくちゃい」
スイセ
「プッ!!イカ臭いのよきっと!!」
トギリ
「ちげーよ!!ぁあ!!面倒くせぇ!!」
マリガルド
「な?うるせぇーだろ?」
モンティ
「そもそもなんなんだよ。この集まり!!
俺仕事で疲れッーーブヘッ」
サフィニアがモンティの腹に突進してきた。
モンティ
「何すんだ!!サフィニニニニッイデッ!
足グリグリ踏むな!!ペチュニア !!」
ペチュニア
「そのカッコ 何かにゃ ヒグッ」
トギリ
「やっと来たのかモンティ。
後は頼んーー」
「頼まれねーよ!!ったく!!
所長もトギリも副団長ってのは
勝手な奴ばっかだな!!」
サフィニア
「ティンティン!!
今度、遊園地つれてって!!
ティンティンの有り金で!!」
モンティ
「お前ちょいちょい口悪いな!!」
スイセ
「ぇえー!!
スイセちゃんも連れてってぇーん!!」
モンティ
「なんでだよ!!
お前デカいから目立つだろ!」
スイセ
「誰がチンコの話ししろって言ったのよ!?」
モンティ
「してねぇーー!!!
ってペチィ!!!
なんでまだ足踏んでんだよ!」
ペチュニア
「そのカッコ なぁに? ヒグッ」
トギリ
「そうだお前その格好どうした?
サラセニアと長くいすぎて
お前までおかしくなったのか?」
モンティ
「んなわけねーだろ!!」
マリガルド
「この格好で街歩いてたろ?
普段からそーなのか?
恥ずかしくねーのか?」
モンティ
「おいおいおい。
さっき理由話したろ!?
なんで無かった事にしてんだよ!!
ていうか拳に乗って爆走するお前に
言われたくねーんだけど!!」
マリガルド
「迎えにいってやった恩人に
なんだ?その台詞??
ぶっ飛ばされてぇのか!!」
モンティ
「頼んでねーよ!!
勝手に来たんだろうが!!
大体これはな!!
着替えを忘れたの!!」
トギリ
「
うわぁ。引くわぁ」
モンティ
「クッソ引いたわ!!!
こえーよ!!あいつら!!!」
マリガルド
「
ロージア様もどうしてあれを...」
「マリガルド。やめとけ」
マリガルド
「あ、あぁ。そうだな。」
スイセ
「まぁまぁ。落ち着いッッ
ダメ!!それもダメ!!
サフィちゃぁぁあん!!!!」
「はぁ。」
モンティは深くため息をつくと
ペチュニア とサフィニアを呼んだ。
モンティ
「はぁ。ほら、ペチィ、サフィ
ブッダマンの話ししてやるから落ち着け!」
ペチュニア
「ブッダマンの話し?
ペチュニア 興味無いにゃ。ヒグッ」
モンティ
「ほぅ?隊長にもなると
急に大人ぶるのかぁ?
じゃぁしないわ!!」
「サフィ!!!こっちにヒグッ来るにゃ!!
もう!!やめないと
ぶん殴るからにぇ!! ヒグッ」
サフィニア
「そんなんじゃ
僕には効かないもーん!!」
ペチュニア
「ブッダマンの話ししてくれるってヒグッ」
サフィニア
「え!?本当!?
最近全然話してくれなくなっちゃったからさ!
えーっとこの前確か...」
モンティ
「お姫様達を助けに行く話しからだ。
でも久しぶりだから初めから話してやるよ」
サフィニア
「やったー!!!あっ。」
サフィニアが万歳した瞬間
花瓶が割れてしまった。
スイセ
「7000万オラスゥゥゥウ!!!」
モンティ
「はぁ。ほらこっちこい。」
スイセ
「あ、あたしの花瓶...」
モンティがそう言うとサフィニアは
ニコニコしながらモンティの隣りに座ったが
ペチュニアは少し遠慮がちに
ゆっくりゆっくりとモンティに近づいていった。
サフィニア
「あっ!ティンティン!!
あれ持ってないの??」
モンティ
「持ってねぇって。」
サフィニア
「研究者のくせに?」
ペチュニア
「ちょっとサフィ
落ち着くのにゃ ヒグッ」
モンティ
「持ってねぇってーー」
「嘘つき!!」
モンティ
「ぁ!!!返せ!!」
サフィニアはモンティの胸ポケットに
入っていた音声レコーダーを
恐るべき速度で奪った。
サフィニア
「いーじゃーん!!
僕に貸してよ!!
歌の練習に使うから!!」
ペチュニア
「まだかにゃ ヒグッ」
モンティ
「ろくな事吹き込まねーの分かってんだよ!!
ほら!返せ!!!」
サフィニア
「やーだねぇ!!」
ペチュニア
「サフィは ヒグッ
ブッダマンの話しを ヒグッ
録音したいのにゃ ヒグッ」
モンティ
「ん?そうなのか??
ってペチィお前大丈夫か??」
サフィニア
「ち、違うもんねぇ!!
僕は歌の練習するだけだもんねぇ!!」
モンティ
「ほぅ? じゃぁ
話し終わったら貸してやるよ。」
サフィニア
「う、うる...さい!!!」
モンティ
「ブヘッ!!!」
ペチュニア
「サフィ!!!」
サフィニアはモンティの腹を殴った。
モンティ
「イッデ!!殺す気か!!」
サフィニア
「ティンティンのバカ!!!」
そう言ってサフィニアは立ち上がった。
ペチュニア
「サフィ...」
モンティは顔を真っ赤にして
ふてくされるサフィニアを見て
思わず微笑んでしまった。
モンティ
「オーケー。俺の負けだサフィ。
もういいからこっちに来い」
モンティはそう言ってサフィニアを引き寄せると
話し始めた。
モンティ
「これは...とある僧侶の物語」
モンティの話しを
ペチュニア とサフィニアは
何度も何度もうなづき
時には笑いながら聞いていた。
その様子を庭から見ていたスイセ達も
思わず微笑んでいた。
スイセ
「無邪気ねぇ。」
マリガルド
「無邪気か?」
トギリ
「無邪気に色々壊すしな。」
スイセ
「はぁ、損害デカすぎるわ...
訴えようかしら。
勝てる気しかしないわね。」
スイセは目の前に広がる夜景を
グラス越しに眺めながら深くため息をついた。
マリガルド
「おい、トギリ。
なんで連れてきたんだよ。」
トギリ
「さっきも言ったけどよぉ
アイツらの尾行プロレベルだぜ?
ギリギリまで分かんなかったんだって」
マリガルド
「副団長の名が聞いて呆れるぜ。」
トギリ
「馬鹿野郎。分かるかよ。
アイツら若くても
お前らと同じ隊長に副隊長だぜ?」
スイセ
「はぁ。ぁあやってみると
まだまだ子供みたいなのにね。」
トギリ
「子供でも大人でもねぇ
微妙な年頃だしな...」
マリガルド
「は?思春期のマセガキだろ。」
トギリ
「モンティに対してだけは別だ。
兄貴みてぇに慕ってるからな。」
スイセ
「本当のお兄ちゃんみたいよね」
マリガルド
「お父さんの間違いだろ。
ペチュニアだって大人ぶってるが
蓋を開けたらクソガキだぞ。」
スイセ
「ウフフッ。
大人でも子供でもない
運命を狂わされた双子...
そこに正義なんてあるのかしら。」
トギリ
「正義かどうかなんて分かんねーよ。
この戦争に勝ちゃぁ正義なんだろうよ。」
スイセ
「それもそうね。
んもぅ!!ギリちゃんてば
いちいちカッコいいんだからん!!
んーーーーバッ❤︎」
トギリ
「汚ねぇ!!!」
スイセはトギリに投げキッスを送ると
トギリは服を払った。
スイセ
「照れ屋さんね!!でもう!!
イカしたスウィーティラヴァーには
変わらないわよ!!」
マリガルド
「その太い腕しまえ。
それで?俺とスイセに何のようだ。」
スイセ
「太い腕!?親指ですけど!?
マリ坊のマリ坊より
ずっと暴れん坊なんだから!!」
マリガルド
「うるせぇな!カマ野郎!!
つぅかマリ坊って呼ぶんじゃねぇよ!!」
トギリ
「ったく。面倒くせぇな...
俺はなぁスイセんちで
上等な酒飲みに来ただけなのによ。
なんかすげぇ疲れたわ。」
スイセ
「ちょっとギリちゃん!?
それってどういう意味よ!!」
トギリ
「な、なんだよ!!
別にいいじゃーー」
「私に会いに来てくれたのね!?」
トギリ
「そ、そうだ!!」
「嘘つけ!!」
スイセ
「嬉しいぃぃ!!!五十年もののワイン
小指で開けちゃおっと!!」
そう言ってスイセは
赤ワインのコルクを
小指でスパンと開けると
4つのグラスに注いだ。
スイセ
「はぁ。こうして飲むのって久しぶりね!」
マリガルド
「そうだな。
こんな事ならラベンド呼べば良かったぜ」
トギリ
「お前何かとラベンドラベンドって
どんな関係なんだよ。」
マリガルド
「弟みてぇなもんだよ。
よく似てんだ。俺の弟にな。」
スイセ
「...そうだったの。」
マリガルドはそう言って
一気に酒を飲み干すと夜景を眺めた。
マリガルド
「俺はナーベルクぶっ殺して
戦争が終わったらラベンドと
どっか遠くに暮らしてぇーんだ。
そこで、アイツは家族を作って
俺も家族を作って幸せに暮らすのが夢なんだよ。」
スイセ
「いいわねぇ。
あたしはアラーナを
不動産を買い漁るのが夢なの。」
トギリ
「マフィアかよ。」
スイセ
「違うわよ!!
土地を転がしてショバ代で稼ぐのよ!!」
トギリ
「マフィアじゃねぇか!!」
スイセ
「そんな事言うなら
ギリちゃんはどうなのよ??」
トギリ
「俺か?俺はなぁ。
世界中の海を旅してぇかなー
のらりくらり毎日ポカーンっとして
腹減ったら釣りして
その日暮らしのスローライフかなぁ」
スイセ
「素敵じゃない。
あたしんちに魚届けてよね。」
マリガルド
「俺らの所には毎日送ってくれ。」
トギリ
「プハハハハッッ
そんな事してたら
旅なんてできねーだろ!!」
マリガルド
「クックックック違いねぇ。」
スイセ
「ウフフッそうね。」
トギリ
「そうだ。お前ら報告受けたか?」
マリガルド
「なんのだ?」
スイセ
「知らないけど...」
トギリ
「
まだ聞いてねぇのか?」
スイセ
「聞いたところで
あたし達には関係ないでしょ?」
トギリ
「そんな事はねぇけどな。
知ってるか?
ダンジョンが開いてから
あれから2年経つんだ。」
マリガルド
「それがどうした。」
トギリは真剣な眼差しで
口を開いた。
トギリ
「数時間前にダンジョンが消滅した。」
スイセ
「何ですって!?」
マリガルド
「まじかよ!!!それでどうなった!?」
モンティ
「その話しか。
ナーベルクに持ってかれたってよ。
団長がブチ切れそうな案件だわぁ」
マリガルド
「モンティ!!
アイツらどうした!?」
モンティ
「寝たよ。」
モンティは2人を指差すと
スイセのフカフカソファで寝ていた。
「お兄...ちゃん...ムニャムニャ」
「ムニャムニャ」
スイセ
「あら、本当だ!!」
モンティ
「薬で」
スイセ
「この外道!!」
トギリ
「流石だなモンティ
扱いが慣れてやがる。」
モンティ
「次こんな事で呼んだら
ルビウスにチクるからな!!!」
トギリ
「ハッハッハッ!!!
...やめろよマジで」
スイセ
「ルビウス様!!
あのメガネの奥に潜む知性に
胸筋バックバクよん!!」
マリガルド
「それこそ団長ブチぎれるだろうな。
モンティとトギリとスイセに」
スイセ
「あたし!?
何でキレられるワケェ!?」
マリガルド
「お前は単純にキモいからだよ」
スイセ
「エモい?」
マリガルド
「言ってねぇ!!」
モンティ
「俺関係ねーだろ!!」
マリガルド
「徹底した効率主義だぜ?
無駄な事を持ち込んだら容赦ねぇからな。」
スイセ
「よく言うわよ!!
天王軍なんて
不良ばっかり集めて
全然真面目に働かないくせに!!」
マリガルド
「ナメんな!!!
天王軍の任務は特殊なんだよ!!!
今に見てろよ!!
スッゲェ驚くかんな!!!」
トギリ
「いいんだよその話しは。」
トギリは真剣な眼差しで話しを続けた。
トギリ
「続けるぜ?
恐らく近々、
モンティ
「歴史上ダンジョン攻略に
こんな時間がかかった事は無いらしい。」
トギリ
「そうだ。
理由はあるだろうがな。
それよりも1番驚いたのは
どうやらそのダンジョンを
少年が1人でクリアしたらしい。」
マリガルド
「1人で!?」
スイセ
「嘘でしょ!?」
モンティ
「それも消滅した後に
近くにいたラミオラス軍と
ナーベルク軍を皆殺しにしたみたいだ。」
スイセ
「そんな...凶暴すぎないかしら?」
トギリ
「一体何があったのか分からねぇが
かろうじて息がある者もいた。」
マリガルド
「死んだのか!?」
トギリ
「ぁあ。」
モンティ
「そいつが死ぬ間ずっと
何度も何度も繰り返し
同じ言葉を呟いてたらしい」
マリガルド
「なんて...言ってたんだ。」
静寂が部屋を包み
モンティは重い口を
ゆっくりと開いた。
モンティ
「死神クーワ」
(完)
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