10話 薔薇に散りけり都の祈り
作者名 REN’sJackson
ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅳ 薔薇に散りけり都の祈り
一方、海底都市 ポセドニアの
東に位置する神殿前に
レンゲイ達はいた。
レンゲイ
「進んでも進んでも
同じところを回って
挙げ句の果てに急にこんな所に、、
結局、あの女性の声は何だったんでしょうか。」
ガーベラ
「分からないっす。
アチシ、、もう疲れたっす。
先輩、、先に帰ってますね、、」
レンゲイ
「帰らないで下さい。
というより何処に帰るのですか。」
「土っす」
レンゲイ
「還るなら任務を遂行してからにして下さいね。」
ガーベラ
「もう歩き疲れたっすぅ〜」
レンゲイ
「まぁ、、確かにそうですね。
隊士にも疲労の
ガーベラ
「この神殿の中で休みましょうよぉー」
レンゲイ
「危険ですよ。
分かりました。
この神殿の中に入る前に
一呼吸入れましょうか。」
ガーベラ
「あざっす!!」
レンゲイ
『
レンゲイは草で編まれた
ガーベラや他の隊士に向けて優しく つむじ風を起こした。
ガーベラ
「ふぁぁあーーいい香りぃ
気持ちいいっすぅ
癒されるっすーー
疲れが吹っ飛ぶすぅ
さすがは先輩!
下級
相性抜群っすねぇー」
レンゲイ
「当然ですよ。
では皆さん。
準備はいいですか?」
ガーベラ
「はいっす!!」
レンゲイの一言で
二分隊は神殿の中へと入っていった。
神殿の中に入ると等間隔に柱が立っていて
天井には光が入るように隙間が無数に空いていた。
ガーベラ
「な、なんか不気味っすね、、
なんすか?ここ、、」
レンゲイ
「神殿ですよ。」
ガーベラ
「っていうか先輩!
そもそも神殿ってなんすか!」
レンゲイ
「神殿というのは神を
歴代の王を
本来なら神殿は神と交わる場所ですので
入殿するのが一般的でしょう。
もちろんその国によって神殿の役割や儀式は
違っては来ますし
ガーベラ
「なるほど、、、
ちなみに神って
レンゲイ
「神の
おそらく
いないと思います。
今はナーベルク帝国が大多数の
国が違えば僕の
ガーベラ
「そしたら先輩も神っすね!」
レンゲイ
「言葉に気をつけて下さい。
もし、それが本当だとしたら
違う神の力を持つ僕が
違う神を
ガーベラ
「ヒェェッ
代理戦争ですか?
神々の戦いですかい???
アチシの為に争わないでぇえ!!」
レンゲイ
「一体何の話をしてるんですか。全く。」
レンゲイ達が歩いていくと
大きな扉の前に来た。
そこには大きくこう書かれていた。
【
レンゲイ
「ここは、、」
レンゲイ達は扉を開けてみると
大きな石碑と
その周囲を囲むように
18個もの墓標が建っていた。
ガーベラ
「す、すごい、、す。」
スポットライトが当たるように
それぞれの墓標と大きな石碑に
光が当たっていた。
するとゴゴゴッと振動するや否や
床の下から石碑が出てきた。
レンゲイ
「な、なんだ!」
ガーベラ
「下からなんか出てきたっす!」
レンゲイは恐る恐るその石碑を
読もうとしてみたが
そこには何も書いていなかった。
ガーベラ
「ただの石ころじゃないっすか。。」
レンゲイ
「何かの仕掛けかもしれません。」
ガーベラ
「そうなんすかね、、
本当に何も書いてないすか??」
ガーベラはその石碑を
眺めた後ゆっくりと触れてみた。
レンゲイ
「不用意に触ってはいけませんよ。」
ガーベラ
「ヴェルモ、、ん?
本当に何にもーーー」
ヴォンッと音ともに
ガーベラは消えてしまった。
レンゲイ
「ガーベラ君!!!」
ーーダンデライサイドーー
海底都市の西に位置する
【
大広間の中心には大きな舞台のようなものがあり
ダンデライ達と傷だらけの隊士達は
その中で身を休めていた。
ダンデライ
「突然、目の前に神殿が現れましたが
ここはーーー」
ガーベラ
「何にもないわけじゃ!ってあれ?!」
ダンデライ
「!?」
ガーベラ
「ギャァ!!」
突然、ガーベラがダンデライの目の前に現れた。
ダンデライ
「ガーベラさん!?」
ガーベラ
「先輩が目つき悪くて無駄にデカイ
リーゼントになってるゥゥウッ!!」
ダンデライ
「ガーベラさん??」
ガーベラ
「ハッ!!ダダダダンデライ副隊長!?」
ダンデライ
「どこから?」
ガーベラ
「アチシ、、さっきまで
どーなってんすか!!!
え!?!?なんでアチシが!?!?
それに、、みんな!!そのケガは!!」
先のラベンドとの戦いで
ダンデライ以外の隊士達は
大怪我をしていた。
ガーベラ
「何があったんすか!!」
ダンデライ
「ガーベラさん、、」
ダンデライはその身に起こったことを
ガーベラに説明した。
ガーベラ
「なんと、、、そんな事が、、
報告にあったラミオラス帝国の兵っすね、、。
アチシが来たからには大丈夫っす!!」
『
負傷した隊士の地面からツタがみるみると生え
身体に巻きつくと点滴のように腕にツタが刺さった。
ガーベラ
「俗に言う点滴っす。
時間はかかるっすけど
治癒効果は絶大です。」
ダンデライ
「かたじけない。
私が不甲斐ないばかりに。」
ガーベラ
「見掛け倒しのリーゼントも
大した事ないっすね!」
ダンデライ
「かたじけない」
ガーベラ
「アチシが飛ばされてきて良かったっすよ!
三十番後半の
ダンデライ
「運が良いのか
このダンジョンの
分かりませんが助かりました。」
ガーベラ
「ちょっと通信
先輩に連絡するっす!!」
ダンデライ
「無駄ですよ。ここでは
通信
意味がないです。妨害電波なのか分かりませんが
通信手段はありません。」
ガーベラ
「そんな、、」
ダンデライ
「とりあえず私たちは
ダンジョン攻略をしましょう。
動ける隊士は負傷した隊士の守護を。
私とガーベラさんはこの奥へと
進みます!!!」
ダンデライは隊士達にそういうと
ガーベラと共に奥にある
小さな扉へと進んだ。
その部屋は大広間よりも小さかったが
いくつもの壁画が隙間を開けて
壁に飾ってあった。
ダンデライ
「ここは
記されていました。
恐らく名の通り様々な儀式が
執り行われていたのだと思います。」
ガーベラ
「ふ、不用意に触らない方がいっすよぉ!」
ダンデライ
「不用意に触るなんて愚の骨頂ですよ。」
ガーベラ
「そ、そうっすよね!!
ったくレンゲイ先輩が触るからアチシは
こんなところに!!!」
ダンデライ
「レンゲイ隊長らしくないですね。」
ガーベラ
「ほ、ほほほ本当っすよ!」
ダンデライ
「そんなことよりガーベラさん。
見てくださいこの壁画
巫女が舞う後ろに何か3つ並べられています。」
ガーベラ
「これは、、
首飾りとお皿っすかね、、」
ダンデライ
「反対の壁画には
ガーベラ
「こっちには
首飾りと舞う巫女がいるっす」
ダンデライ
「あそこには
お皿と舞う巫女がいますね。」
ガーベラ
「あっここには高い祭壇の上に
なんすかね、、、、でっかい巨人と、、
反対にはなんか強そうな猛獣っすかね、、、」
ダンデライ
「待ってください。
巨人が何百とこちらには描かれてます。
これは一体なんでしょうか、、」
ガーベラ
「いや、、分かんないっすよ。
アナスタシアさんがいないと
わからないっす!!」
ダンデライ
「ここには祭壇の上に巫女と猛獣が、、」
ガーベラ
「これ千年くらい前ですよね?」
ダンデライ
「恐らく、、でもこっちの壁画を
見てください。
巨人に街が破壊されてますね。」
ガーベラ
「よく見るっす
巨人の頭に何かいるっす!!
人っすか???」
ダンデライ
「人ですね、、、率いているような、、
でもみんなバラバラなのでちょっと
分かりづらいですね、、、」
ガーベラ
「あっ!この壁画うごくっす!」
ダンデライ
「ガーベラさん!!触っては!!」
ガーベラ
「あっ。
やっちまった!!!
さぁこい!!
飛ばせるもんなら飛ばして見やがれぇ!!」
ダンデライ
「私の足にしがみつくのは
辞めてもらっていいですか?」
ガーベラ
「何を言う!アチシを見捨てると申すのか!!
薄情者がぁ!!!!!!!」
ガーベラは強く目をつぶったが
何も起きなかった。
ガーベラ
「あれ??」
ダンデライ
「ということは
これを動かして時系列に並べられますね。」
ガーベラ
「お、おう!!」
ダンデライ
「並べればなんとなくですが
見えるかもしれません!!」
ガーベラ
「ガッテン承知!!
パズルみーー」
ヴォンッという音ともに
ガーベラは消えてしまった。
ダンデライ
「ガーベラさん!!!」
ーー同時刻スイセサイドーー
ここは海底都市の北に位置する
【
スイセ
「ギリちゃーん!
何よここ!!!」
トギリ
「知らねーよ。
急に飛ばされたと思ったら
ご立派な神殿が目の前にあったんだからよ。
部下とも はぐれちまったし
なんなんだこのダンジョン」
トギリとスイセは
どの神殿よりも
神殿の大きな扉の前にいた。
スイセ
「えーっとなになに?
参るの?ねぇ?あたしたち今から参るの?」
トギリ
「
入るしかねーだろ。」
スイセ
「おっかなーい!!
ギリちゃん!あたしを守ってねん!」
トギリ
「どのガタイして言ってんだ。」
スイセ
「もうー!!つれないわね!!」
トギリ
「入るぞ。」
スイセ
「はぁぁい!!って。
開かないじゃナイー!!!」
スイセが扉に手をかけるも
扉はビクともしなかった。
スイセ
「ギリちゃん!重くて開かなーい!!
あ、け、て!!」
トギリ
「メンドクセェな。
ほら、どけよ。」
トギリが扉に触れると
スッと通り抜けてしまった。
スイセ
「えーー!!!!
嘘でしょ???
えーー!!
オカマはダメなの??
立ち入り禁止なの!!??
んなバカな!!!!
あたしもスッと入れるのよね?」
スイセは普通に歩くように
扉をすりぬけようとした。
スイセ
「イッタぁあ!!!
思いっきりぶつかったじゃない!!!
え?どういうこと!???
あたしは入れないの!?
ちょっと!!!!!!!!!!
あたし負けないんだからぁ!!!」
スイセは腰を沈めて
深く息を吐くと
拳を思いっきり扉に叩きつけた。
「オンドリヤァ!!」
豪快な音と共に扉が破壊された。
スイセ
「もう!口ほどにも無いんだから!!
ギリちゃーん!!お待たせぇ
なんかねぇ、勝手に扉が開いたのぉ!!
ギリちゃーん!!
あれ?ギリちゃん?」
そこにはトギリの姿はなかった。
ガーベラ
「ーーパズルみたいにやればいんすよね!?」
スイセ
「、、、あんらぁ??
誰かしら?」
ガーベラ
「ギャァ!!猛獣!!!!」
スイセ
「え?猛獣!!??
どこ??どこ???」
ガーベラ
「喋ってるぅう!!!!
ギャァ!!!!」
スイセ
「喋ってるの!?
どこよ!?どこに猛獣が!??
ヤダ!怖い!!!どこよ!?」
ガーベラ
「怖いって言ってるぅぅう!!
いやァァア!!!!」
スイセ
「怖いって言ってるの??
なにそれ怖い!!!」
ガーベラ
「どこすかー!ここ!!」
スイセ
「ん?
ちょっと待って。
猛獣ってあたし??
あたしのことぉぉお!?」
ガーベラ
「え?」
スイセ
「え?じゃないわよ!この小娘!!!
あんた誰よ!」
ガーベラ
「人間??
スイセ
「え?人魚が喋ってる見たいだ?
なによあんた。話が分かるじゃない。
そう。あたしはこの海をたゆたう人魚。
それも人魚オブザ人魚の中の姫
みんなあたしの美貌は人魚姫級と呼ぶの」
ガーベラ
「魚人がいるよぉぉお!!」
スイセ
「そうそう。あたしは魚人オブザ魚人の姫
ってあんた喧嘩売ってんの??」
ガーベラ
「あれ?フジツボついてないっす、、」
スイセ
「そうそうそう。全部 塩茹でして食べちゃった❤︎
って
ぶっ殺すわよ!!!」
ガーベラ
「まさか、、、」
ガーベラは一気に警戒し
距離を取った。
スイセ
「あらぁ?
アンタもしかして
ガーベラ
「おっさんはラミオラス帝国の、、」
スイセ
「おっさん?
おっさんなんていたかしら
どこ?どこ?」
ガーベラ
「いや、アチシたち2人しかいないっすけど。」
一瞬だった。
スイセはガーベラにドロップキックをお見舞いした。
ガーベラ
「ガハッ!!」
スイセ
「よぉ〜く覚えておきなさぁぁい?あたしは
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパよ。」
ガーベラ
「、、な、 ナゲェ、、、」
スイセはゆっくりとガーベラに近づきながら
話しかけた。
スイセ
「あっ、名乗る意味もないわねぇ。
だってぇ。あなたもう死ぬから」
ーートギリサイドーー
トギリ
「全然、あいつこねーじゃねぇか。
ったくよ。マジで入れねぇのか?
進んできたはいいが、なんなんだここ。
なーんもねぇじゃねぇか。
トギリは
小さな短剣が
トギリ
「神殿っていうからこれは
なんだ??
まさか、、
いや、こんな簡単なわけがねぇ。
なんかあるな、、、
一回引き返すか。」
トギリは扉から出ようとした。
トギリ
「なんだ、、開かねーぞ。」
すると
トギリ
「おいおいおいおい」
ーーダンデライサイドーー
ダンデライ
「パズルは全部、、
これはまさか!!沈められたのでは??
ん??
何??石碑が輝き始めた!?」
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「なんだ、、この、、声 は、、
なに?墓碑が輝きだした、、
まてよ、、この声はさっきの!!」
謎の声
((示せ されば与えられん
示せ
示せ
差し出せ その命を))
レンゲイ
「な、なんだ!!!」
神殿が激しく揺れ始める
とてつもない地震が起き
神殿が崩れてしまうのではないかと思うほどの
大地震だった。
ーースイセサイドーー
スイセ
「なによ!!!これ!!」
その隙を見てガーベラは
走り出した。
スイセ
「ちょっ!!逃がさないわよぉお!!」
ーーダンデライサイドーー
ダンデライ
「この揺れ!!」
ダンデライは隊士達のいる部屋に
戻ろうと走ったが扉は開かなかった。
ダンデライ
「閉じ込められた???」
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「叫び声の正体はこの声でしたか、、、
おびき寄せる為に、、やってたんですね!!」
各神殿に同時刻
何千もの
「フヴァァア!!!」
レンゲイ
「ここは祖先の霊を
そういうと
レンゲイは自身の胸に手を当てて
辺り一面には暖かな風と光が満ちて
海藻や花が生い茂りはじめたー
レンゲイ
『『天輪 •
『『
桜色の美しい刀身が
スッと輝き
レンゲイ
『
無数の針の葉が飛び出し次々と
レンゲイ
「数が多いです、、ね!」
ーーダンデライサイドーー
ダンデライは壁際に追い込まれていた。
ダンデライ
『
『
『形状変化、、解放』
『
形状変化させた
ダンデライよりも長い
マグマが煮え
ダンデライ
「
『
『
ダンデライは
その
その周辺にいた
伝染するように内側から次々と爆破していった。
ーートギリサイドーー
トギリ
「メンドクセェ。
おい。充分、示したろ。
なんか知らねーけど
この短剣もらってくぜ。」
謎の声
((貴様、、どっちだ。))
トギリ
「どっちだと?」
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイも同じく全て片付けていた。
辺りには無数の
レンゲイ
「このままだとこの神殿が
『
巨大な花を召喚すると
吸い取ってしまった。
レンゲイ
「祖先の魂にとんだ無礼を。
安心して下さい。
時間をゆっくりとかけて養分として吸収した後は
ここの新たな守護にもなってくれるでしょう。
大丈夫ですよ。」
そう言ってレンゲイは深々と頭を下げると
内ポケットから種を取り出し
墓標に向かってバラまいた。
レンゲイ
「芽吹け
レンゲイはそういった瞬間
その種は鮮やかな色の花を無数に咲かせた。
レンゲイ
「示せましたかね。」
謎の声
((私はヴェルモール•ポセドニア 18世))
レンゲイ
「なんだ、、これは!!
記録保管
違う、、、これは記憶保存
いや、にしても高度すぎる、、まさか
神殿が突然暗転した。
謎の声
((神として神に
沈められしポセドニア は沈められたのではない
護る為に沈めたのだ))
レンゲイ
「沈めた?
一体何から護るために??」
謎の声
((
しかしその者は神の力を持つ者
巨大な力でこの都市を襲ってきた。
渡すではない。決して渡すではない。
千年前より邪悪に染まった神の子らに
渡してはいけない。))
レンゲイ
「分かっています。
しかし、ダンジョンを先に攻略されたら
認めてしまう。」
謎の声
((分かっている。
集めよ。三種の神器を。
各神殿に
密かに継承してきた
渡すではない。))
レンゲイ
「はい。その神器を集めればいんですね?
では、ここにも一つあるはずです。」
謎の声
((後ろを見よ。)」
レンゲイ
「あれは、ガーベラ君が触れた石碑、、」
謎の声
((我が試練を突破し更には
我が兵らの
レンゲイ
「兵ら?この
この国の兵士達なのですか??」
謎の声
((千年前、奴に殺された無念の兵士
新たな
安らかに眠らせて欲しい。))
レンゲイ
「分かりました。
それにしても
考えてるのでしょうか。
謎の声
((全ては
レンゲイ
「そうですね。
では最後にお聞かせ下さい。ヴェルモール王よ。
奴とは一体誰ですか??」
謎の声
((神にして神に
千年前にこのポセドニアに
攻め入ってきた奴の名は、、))
レンゲイ
「その名は!?」
謎の声
((ロージア))
レンゲイ
「ロージアだと????
嘘だ!!千年前にはロージアなどいない!」
謎の声
((ロージアで間違いはない。))
レンゲイ
「なんだと??どういうことですか!!」
謎の声
((時間がない。
敵に渡ってしまった。急げ。))
レンゲイ
「待ってください!!」
神殿は明かりを取り戻し
謎の声は聞こえなくなった。
レンゲイ
「ロージア、、」
レンゲイは石碑に置いてあった
首飾りを取るとその神殿を後にした。
ーースイセサイドーー
スイセ
「もう小娘ちゃんったら
そんなちっぱい揺らして
どこ行くのぉよーん」
ガーベラ
「ハァ、、ハァ、、ハァ、、」
((マーベラスの報告によれば
苦戦した強敵だったはずっす、、、
副隊長の妹はキキョウ先輩とラナンキュラス先輩が
倒したって聞いたっすけど
隊長の姉は倒せなかったと、、
アチシが勝てるわけがないっす!!!))
スイセ
「鬼ごっこぉーん?
あたし、焦らされるのぉぉ」
ガーベラ
「え?」
「だ、い、き、ら、い!!!」
ガーベラ
「グァッ」
スイセ
「んもぉーー!!
軽すぎてぇすぐ飛んじゃわないでよぉー!!」
ガーベラ
「ハァ、、ハァ、、」
『
『
『形状変化!!!!解放!!!』
『砕け散れ!!
刀を身の丈ほどのハンマーに形状変化させて
ガーベラは息も絶え絶えに構えた。
スイセ
「あっー!これが噂に聞く
形状変化って奴ねぇーー!!
ブフッ!!ちっこいハンマーと
身長変わんないじゃなぁぁい!!
あんたそんなんで
あたしを倒せると思うの!?!?
笑いすぎてホルモンがビンビンでちゃーう」
ガーベラ
「アチシが二度も解放したんす!!
甘く見ない方がいーっすよ!!!」
スイセ
「知らないからぁ!
あんたが二度も解放したなんて
知らないんですけどぉー!
ちょっと何?脅し??脅されてるのあたし?
いやん!怖いわぁーーん!!」
ガーベラ
「ヌォォォ!!!!トリャア!!」
ガーベラは勢いよく
スイセに向かってハンマーを振り下ろした。
スイセ
「何よこれ。」
スイセは軽々と受け止めた。
ガーベラ
「まじすか!!」
スイセ
「馬鹿にしてんの?」
ガーベラ
「グァァア!!!」
スイセの蹴りが
ガーベラのみぞおちにクリーンヒットし
遠くに飛ばされてしまった。
スイセ
「あら?やりすぎたかしら?」
ガーベラ
「ウググ、、ォオェ!!
内臓が、、、やられたか、、」
ガーベラは地べたを
近くの
『
大きな光の木を召喚すると
その木から良い香りの煙が
辺りを包んだ。
ガーベラはそれを大きく吸い込むと
次第に血の気が戻ってきた。
ガーベラ
「危なかった、、
得意で良かったと改めて思ったっす、、」
するとザザッと茂みから音がした。
ガーベラ
「グヌヌッ来たっすね、、
かかってこいやぁあ!!!」
ダンデライ
「…ガーベラさん!」
ガーベラ
「ぬぉ!!ダンデライ副隊長ではないか!」
ダンデライ
「一体どこに!?
この煙は敵に見つかりますので
消してください。」
ガーベラ
「通信
無理だと申したので回復かつ
居場所を知らせることが出来るようにしたのだ。」
ガーベラはすぐに
しかし残りの煙が辺りをまだ漂っていた。
ダンデライ
「どうしたんですか?
それに
何があったんですか、、」
ガーベラ
「うぬも
解放したままではないか!
ほか隊士はどうしたんすか!!」
ダンデライ
「あそこで休ませてます。
それより神器を集めなくては!!あと二つです。」
ガーベラ
「神器??その趣味悪い鏡はなんすか?」
ダンデライ
「これが神器ですよ。
壁画を動かしてみたら
どうやらこの神器を集めて
あの
私だけでもいこうと思ったら
急いで来ました。」
ガーベラ
「そうなんすか、、
でも今はちょっとタイミングが良いのか
悪いのか分からないっすね。
追われてるんすよ。
アチシらじゃマトモに勝てないっすよ。」
ダンデライ
「わかりました。
では勝たなくて良い方法で。」
スイセ
「みーつけたっ!!ん???
ちょっと誰よ今度は!
あら?イケメンじゃない!!!
あたしぃ
男らしいのちゅきちゅキビーム!!!!」
ダンデライ
「
スイセ
「ちょっと!!何よあんた達!!」
ガーベラ
「コイツが
ダンデライ
「コイツがか、、、
スイセ
「あらぁ。礼儀は正しいのねん。
そっちの小娘も副隊長よね??
そんなことよりぃ。ダンデライくーん。
オネェさん好き?」
ガーベラ
「初対面でそんなこと聞く生き物っているんすか?」
スイセ
「うっさいわね!ここよ!!」
ダンデライ
「お命頂戴する」
ダンデライは素早くスイセとの距離を詰めた。
スイセ
「早いわね。」
スイセはギリギリの所で避ける。
スイセ
「甘いわよ。」
ダンデライ
「そうですかい」
スイセの足元が爆発した。
スイセ
「グッッ、、爆発??
ちょっと!!!靴が燃えたじゃない!!
ヌん!!!!」
ダンデライはスイセのラリアットをかわすと
距離をとって離れた。
ダンデライ
「効いてない、、
やはり直接
ガーベラ
「援護!!」
ガーベラはダンデライの目を見たあと横をスッと
走り抜けた。
ダンデライ
「わかりました。」
『
『
無数の蝶が
ガーベラよりも速く
スイセ
「こんな
大した爆発じゃないわよ。」
そう言うとスイセは
突然赤い刀身がグルグルとスイセの身体に巻き付いた。
スイセ
「グッ、熱い!!!!、こんなもの!!!」
スイセは巻きつく刀身を力のみで砕いた。
その瞬間、強烈な爆発が巻き起こる。
スイセ
「んもう!!!!」
辺りが爆発の余波で煙が舞う。
先ほどの
煙も相まってか
何も見えなくなっていた。
スイセ
「日焼けしたくらいの火傷で
勝った気になってたらウケるんですけどぉ!!」
ガーベラ
「トォオリャォァア」
スイセ
「どこからでも来なさい!!
効かないのよ!!そんなオモチャ!!」
ガーベラ
『
「
スイセ
「下から!??グッ!!え?なにこれ?!
身体がぁあ!!」
先の戦いで
正反対の
掛け声に合わせて重さを
10倍ずつ軽くする
ガーベラ
「吹っ飛べぇえ!!!!!!」
『
スイセ
「覚えときなサァイよぉお!!」
スイセの声は次第に遠くなっていった。
ガーベラ
「手汗を握る まさかの展開だったぜ」
ダンデライ
「やりましたね。」
ガーベラ
「アチシらだけじゃ
勝てないっすから。
速く隊長達と、合流しないと
マトモに戦うなら隊長達が
いないとアチシら死んじまいます。」
ダンデライ
「それほどにですか。」
ガーベラ
「アチシらの攻撃なんて
一つも効いてないっすよ。
アチシらが出来るのは
オトリになって隙を作ってあげるくらいっす。」
ダンデライ
「嫌ですか?」
ガーベラ
「いえ。別に」
ダンデライ
「私はクーワ隊長の為なら
オトリでもイケニエにでもする覚悟ですよ。
レンゲイ隊長にはそれほどまでの価値がないと?」
ガーベラ
「アチシの問題っすよ。」
ダンデライ
「ではご自分で解決して下さい。
私はクーワ隊長の元へと向かいます。」
ーートギリサイドーー
トギリ
「メンドクセェな。
で。何が言いてぇんだよ。」
謎の声
((…トギリ•ヴェルモール•ポセドニア ))
((貴様になど渡すものなど何もない。))
トギリ
「その名で呼ぶんじゃねぇよ」
ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅳ 薔薇に散りけり都の祈り (完)
おまけ
この人はよく家に来る
レンゲイ
「大きくなりましたね!!
また遊びに来ますね!!」
無駄に明るいお兄さんというのが第一印象だった。
よく遊んでもらってた。
レンゲイ
「お土産を買ってきましたよお!!
お勉強はどうですか?はかどってますか?」
この人が嫌いになった。
レンゲイ
「泣かないで下さい、、
僕が、、僕が、、」
あの日から家に来なくなった。
久しぶりに会った気がする。
やっぱり隊長になってた。
レンゲイ
「入学おめでとうございます」
昔の笑顔がなくなっていた。
少し寂しかった。
レンゲイ
「お久しぶりです。
やはりあるのですね。」
配属願いを出したのに
レンゲイ
「これからは僕の部下です。
よろしくお願いします。」
私はお父さんを殺したこの人が
大嫌いだった。
完
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