第3話 要望と欲望

 "アンケートの要望に沿ったサプリ?"

眉間を指で押さえながら、記憶を遡って考える。

「あ!あれかぁ…」

スマホのメール画面から、送ったアンケートを見返す。


 確か、1ヶ月分のサプリが無料になるとの特典でいくつかの質問が、連なっていた。

 また、新規の顧客獲得の為、要望や期待したい効能のサプリなど書いて欲しいと最後に余白を埋めるスペースがあった。


 その日は、次の日が休みという事もありお酒を飲んでいたので、調子の良い事をつらつらと書き殴ってそのまま送信していた。


確か…

"令和の時代にも突入して、医学もかなりの進歩が見られる中、サプリに関しては、緩やかな効能ばかり謳っていて、購入者としては、それってなんなの?って感じです。

 どうせなら、速攻で変化を期待出来る物が欲しい!! 若返るサプリなどあったら尚良し! 御社の製品に期待していまーす(^^)"


 ……。多少の揶揄が入った文章、普通なら腹が立つだろう。

 飲んだ時の違和感は、お灸を据える為の嫌がらせだったかも知れない。

 喉がまだすこしざらつくので、うがい薬でうがいをしようと、私は洗面所へと向かった。

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