第11話 停電の夜

停電の夜

ロウソクの灯りが涙を流している

私も涙が出ている


予期せぬ初恋

当然の決裂かもしれない

彼女の名前が書かれた私は

それしかない


この小さな青い花を使って

その人の名前を書く

いまその花びらを風に吹かせて落そう

飛ぶ

飛ぶ

春の涙になる

無に帰す

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