第15話 例のあいつを呼び出すか!

「「うんうん…囚われた人々は全員保護したらしいよー。これで一安心だねー」


手紙には、ギルドの救出部隊によってゴブリンの王国に囚われていた人々は救出された。と書かれていた。後は…


「後はゴブリン王国をぶっ潰すだけだな。」


「そうだねー。もうギルドが動いてるみたいだけど」


「やっぱりなー」

一日500文字だけの俺とは違い、彼らは冒険の書のページが続く限りダンジョンにいる事ができる。俺も一緒に戦いたいんだけどなー


「ただねー。戦況はあまり良くないみたい。負傷者が何人も出てるって。」


「流石にあの数は相手にできないか…」

あの城はとても大きかった。遠くの高台から見た感じだと大きさは半径5km。少なく見積もっても10万匹のゴブリンが暮らしているだろう。数に関しては向こうが圧倒的だ。


「でもねー。その『冒険の書』を使えばまとめて灰にできるかも。…もっとも一筋縄ではいかないと思うけどねー」


「そんな力…」


『私がこの斧を振るえば、万の軍勢が吹き飛び、千の戦車が砕け、百の将の首が飛び、十の砦が崩れ、一つの国が滅びます。どうです?とても心強いでしょう?』


「あるな!」


その夜、俺はジョニーの『冒険の書』を読み漁った。どうすれば召喚口上をカットできるのか、どのような力なのか、色々と『彼』の事を調べ上げた。


そして翌日。ギルドの皆さんを一旦撤退させ、俺は1人ゴブリン王国へ向かった。


「マルス。お前の力、期待してるぞ!」

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