第8話 明かされる事実!

「私の名前は、ジェニファー・トレジャー。冒険王の末裔だよー。」


「まじかよ!サインくれ!」

この長いボサボサ髪の女は、俺の尊敬する人の末裔だったのだ!


キュッキュッ!

「これでいいー?ま、契約の証ってことでよろしくー」


…この通り、冒険家の血は無さそうに見えるけどな。


「じゃあ早速だけど、ミミック改め、パンドラを倒しにいこうか。」


「ちょっと待て。」


「待たないよ。もしかしてー怖いの?」


「先にその本棚を見せてくれないか?」

この本棚は一面黒い背表紙。全て冒険王の物なのだろう。それなら、呪われた経緯とか色々なことが分かる。

…生の冒険譚を見たいのが1番だけどね。


「やっぱり、気になるよねー。好きなだけ見ていいよー」


「やったあ!」

俺は本棚へ突進した!


〜しばらくして〜


いや〜すごいなぁ!『北の極圏』『東の霊峰』『西の大砂漠』『南の火山』本当に世界中を旅してたんだな。この『冒険の書』も最初から呪われて無くて、当時の記録はびっちりと、文字で埋められていた。


どこで呪われたか調べようと、色々な箇所の本を見てみると、気になる記述が見つかった。


「425年10月12日。この書が呪われて早1年。ダンジョンに潜れる時間こそ短くなったが、冒険は続けられている。」


1冊目が404年だったので20年ほど後に呪われたか計算になる。そして、最後が434年。呪われてからも変わらず冒険を続けてたようだ。

俺は、その本を遡り、呪われたと思われる日付を見つけた。


「424年10月13日。昨日は最悪だった。突然現れた何者かに呪いをかけられ、500文字しか書けなくなってしまった。」


呪いをかけた人物がいる。分かったのはそれだけだ。


「これは神に課せられた試練だ。やってやろう!500文字で!」

流石は冒険王だ。この程度で足を止める男では無いからな。


パラパラパラパラ

続きを見ようとページをパラパラめくっていく。


「これは!」


そこには、パンドラ攻略に繋がる重要な事が記されていた!


「待ってろよ!エロモンスター!」


〜夕方〜


「もう行くのー?もっとゆっくりしててもいいんだけど?」ズズッ

テーブルに座り、紅茶を飲むジェニファー。


「攻略法が分かったんだ!試さずにはいられなくてさ!」

俺は立ち上がり、鞄を掴んだ。


「ちょっと待って」

ガサガサ

ジェニファーは戸棚から薬と羽を取り出したのは。

「はいこれ。ポーションと不死鳥の羽。死ぬ事は無いと思うけど保険として持って行きなー」


「ありがとな!早速行ってくる!」

俺は夕陽に向かって駆け出した!

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