闇のヒーローに気を付けろ

 前述ではヒーローの特徴を列挙したが、これでもしあなたがアクション映画世界で騒ぎの中心になりそうな人物と遭遇しても、見つけて回避したり注意する事が出来るだろう。


 だが、それより厄介な別タイプのヒーローも存在する。彼らが光のヒーローとするならば、こちらは闇、すなわち反社会的なタイプである。ヒーローと似ている上に、戦闘能力でも引けを取らない者も多く「ダークヒーロー」等と呼ばれる事があり、それは、一般的には通常のヒーロー以上に恐ろしい存在となる。

 場合によっては関わる事自体が、死に直結するという事すらありえる。特徴も、ヒーローと異なり独特である。この世界でも分かりやすい。


・犯罪組織の構成員、暗殺者などであり、裏社会の人間である

・そのため、全方位に対して敵が存在している

・罪を被せられた、過ちを犯して苦悩している過去がある

・誰かに追われている、お尋ね者になっている

・雰囲気は全体的に鋭く、異変や予兆と言う物に反応しやすい

・荒事や非常事態時は冷静に対処する事が多い

・暗殺、殺人などの反社会的なスキルに長けている

・暗く、どこか厭世的な性格である

・家庭や恋人は持っていない者が殆ど

・家族や恋人の悲劇的な別離経験がある

・美学や独自のルールを持っている

など


 総じて彼(彼女)らに対して言えるのは、負のイメージの多さである。社会に認められていない、また人々から肯定されていない存在である者が多い。総じて反社会的な者が多いため、犯罪組織等との関わり合いも多くなるため、関与すると基本的に碌な結果にならない。通常のヒーローと違い、自身の生存率も低く、悲劇的な幕切れをする者も一定数存在する。


 彼らはヒーローたちと同じく人を救うかもしれないが、関わると不幸になる確率は非常に高い。また、反社会的な組織に所属していたり、非合法な仕事についているため警察・犯罪組織の両方から板挟みにされる事が多く、もし関わってピンチに陥った際は逃げ込む先が殆ど無い。あなたが女性だったり子供だったりすれば、まだ生存の余地はあるかもしれないが、大人の男性になると生存率は低くなる。


 一般社会に溶け込む事が出来ないため、日常生活でもどこか浮ついた存在として目撃される事も多い。それ故に見分けやすい。そのため、この手のヒーローに関わらずに避けるのはあまり難しくない。単に裏社会とは無縁の、真っ当な堅気の生活をしていればそもそも遭遇しない事が多い。


 一方で、あなたが表の道を外した生活をしている場合は、関わり合いを持つ可能性が非常に高くなる。大抵は裏社会で伝説的な人物として噂されている場合も多い。実際に関わる事もあるだろうし、何なら彼の関わる組織に入ってしまうというケースもありえる。


 また、敵対組織にこの手のヒーローがいる場合はあなたの生存確率は0に近くなるだろう。組織間の抗争で、尖兵として送り込まれる事が確定すれば、それは死を意味する事になる。避けるため方法は組織を抜けて蒸発するか、警察への自首だ。

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