何も知らない神様

@sinkisiki

可能性


四角い部屋、かなりの広さがあるが、この部屋にあるのは1冊のノートブックと、一人の見目麗しい少女。


少女は今、目を覚ましたばかりで、うつろな瞳で部屋の外を眺めた。そこには何も無くただ闇が拡がっている。


少女は気まぐれに部屋の中から、海を連想した。


だが、何も起こらない。ならばと少女はノートブックに海を描いた。どこまでも続く海を。


するとどうしてか、今まで部屋の外には闇しか広がってなかったのに、気付けば部屋の外は一面の海。地平線の彼方まで海で覆われていた。


この四角い部屋は半透明で、床に当たる部分を見ればまるで海の中に居るみたいだった。


少女は海を楽しんだ。大きな魚、小さな魚。サメや、鯨なんかも見れて多いに喜んだ。


少女は考えた、どうしたらもっとお魚さんに近づけるだろうと。


少女は今いるこの部屋を少し変えれば良いのではと考えた。

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