番犬レースについてまとめ

 門を通る途中、鬼市とニャン吉は話をした。

「クソ猫、さっきのケルベロスの説明は解ったか?」

「まあ、大体にゃ」


「大体じゃ話にならない。お前はクソ猫なんだから」

「うるさいにゃん」


「地獄に適応するの意味は?」

「その地獄に完全に馴染む事だにゃん」

「その制限時間は?」

「各地獄三十日でそれを余命というにゃん」

「鬼と言えば?」

「嫁だにゃん」


「次に、鬼の首を取るの意味は?」

「その地獄の鬼の八割を従える事だにゃん」

「その期限は?」

「全地獄で一年間だにゃん」

「一年生になったら?」

「悪友百人徒党を組むだにゃ」


「番犬候補とは?」

「この番犬の試練を受けるのはニャン吉だけじゃなくて、番犬候補同士が争いながらただ一つの番犬の座を狙うにゃん」

「その競争の事を?」

「番犬レースというにゃん」

「犬も歩けば?」

「電柱にションベンをするにゃん」


「番犬の仕事は?」

「『鬼と囚人』を見張る警察だにゃん」

「警察と言えば?」

「腐敗堕落だにゃん」


「鬼は皆敵だと思うか?」

「もちろんにゃ。皆ぶっ殺すにゃん」

「それは間違いだ」

「にゃん?」

「大抵の鬼は番犬に対して悪いイメージを持っていない」

「じゃあ、簡単に従えることができるにゃんね」

「いや、それは番犬に対してであって番犬にはあまり良いイメージはない。はっきり言って何をしでかすか分からんからな」

「じゃあ、やっぱりぶっ殺すにゃん」

「クソ猫、今のお前には無理だ。地獄に来たばかりの雑魚猫じゃないか」

「じゃあ、どうするにゃん?」

「そこは自分で考えろ。ただ、最初は雑魚相手だと無関心だ、行動を起こせば馬鹿にされ相手にされないだろう。だが、お前が雑魚ではないと思った時点で番犬を嫌う鬼の攻撃が始まる。それを越えて初めて鬼の首を取れるのさ」


「番犬を嫌う鬼はどんな奴だにゃん?」

「色々いるけど、その一つは権力者かな。それも、犯罪に絡んでいるような」

「じゃあ、そういう鬼を従えるにゃんね」

「桃太郎は?」

「鬼殺しの大罪人にゃ」


「ところで鬼市、次の地獄へはどうやって行くんだにゃん?」

「それは後で説明する」

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