第101話 (2013年6月18日)配当
6月
挙母自動車の配当金が資産管理会社の口座に振り込まれた。
実はこれが挙母自動車からの初めての配当だ。
この株式を購入したのが2012年の7月で、2012年の配当は3月の1回のみ。
今年は3月と9月の2回の配当で、その3月分の配当金が今日振り込まれてきた。
今までは人件費分赤字の会社だった。
金額は一株あたり30円で170万株持っているので、合計で5100万円。
配当利回りは0.51%だが、9月分も合わせて年間で見れば悪くはない利回りになるだろう。
個人で持っている株式にも配当のある会社はいくつかあるが、大した額ではないのでほとんどを寄付をしている。
保有割合が3%を超える株に関しては税金で半分取られるからな。
米国株は米国と日本の両方で合わせて3割ほど課税される。
配当があって売る予定のない株は、全部資産管理会社に移してもいいかもしれない。
配当収入には今の所は大して期待していないしな。
「渚は前に言ってた株は買えた?」
「タイフクのこと〜?それならちゃんと買えたよ〜!」
「よかった、これで渚も一人前のトレーダーだね」
「まだ上がるか分からないけどね〜!でも予測では9月に3600万ちょっと配当が出るみたい」
まあ、確実に上がるんだけどな。
「そこそこ利回りいいね」
これから株価の上がる株で3月の分と合わせて年利2%弱の配当は悪くないだろう。
「あ、そうだ〜!今度またご飯行こ〜?浩介のおかげで稼げたし〜!」
「おっけー、後で予定たてようか」
「やった〜!美味しいお店探しておくね〜!」
6月18日
14日から買い進めていたドル円とユーロ円の2つの取引が完了した。
ドル円の方は14日に1ドル94円台まで下がっていたが、平均取得額は1ドル95円ちょうどで50万ロット、証拠金は190億円になった。
ユーロ円は平均1ユーロ127円で33万ロット、証拠金は168億円。
証拠金の合計は358億円で、FX口座には余剰資金として42億円が残った。
今回は前回の取引ほどは稼げないだろう。
前回の稼げたのは政権交代や、それによる金融緩和政策によって急速に円安に動いたからだ。
過去にも日銀による量的緩和政策などは行われていたが、今の過去類をみないほどの緩和政策は異次元緩和とも呼ばれている。
今の首相は選挙前に掲げたマニュフェスト通りに政策を実行し、実際に市場もそれに反応した。
それが5月末に米国のFRBがテーパリング(緩和政策の段階的な縮小)に着手するという予想が高まって、金融不安が起きたことで少し円高に推移していた。
これからまた2014年にかけて円安にはなるだろうけど、値動きはそこまで大きくなかったはずだ。
次に為替が大きく動くのは2014年の後半以降になる。
早く2014年にならないかな、待ち遠しい。
「せんぱ〜い!私も大学生になったら一緒に住みたいな〜!だめ〜?」
リビングに行くと妹とアリサちゃんが居た。
愛美は渚と2人で出かけている。
「こっちの大学?それとも東京の大学?」
「パパとママがお姉ちゃんと一緒に住むなら東京でもいいよって言ってくれたんだ〜!」
「そうなんだ、それならいいよ。聖奈にはもう言った?」
「うん!彩華も親の許可出たんだよね〜?」
聖奈言うの忘れてたな?
「そうだよ!何も言われなかった!」
「うちは基本的には子供の自由にさせてくれるからね、東京でも俺がいるし心配はしてないみたい」
「じゃあ、あとは愛美だね〜!一緒の大学行けたらいいんだけどな〜!」
そうなんだよな〜。
「妹とアリサちゃんは家族がいるけど、愛美はそうじゃないからな〜。渚が説得手伝ってるらしいけど」
「夏にオープンキャンパスとか行きたいんだけど、センパイ住むところいつ決まる〜?家から近いとこがいいねって話してるんだ〜!」
「できれば今週末東京に行くときに決められたらいいんだけど・・・できるだけ早いうちに決めるよ」
「お兄ちゃんずるい!私も東京行きたい!」
「だめ、そんなことしてる暇あったら勉強しないと」
別に遊びに行くわけでもないし、面白いこともないし。
彩華が行っても楽しくないだろう。
「ケチー!私たち結構テストの点数いいんだよ?ご褒美ちょうだい!」
「じゃあ、夏休み前のテストでいい点数だったら好きなもの買ってあげるよ」
なんで妹のご褒美を俺があげないといけないのか分からないけど。
まあ可愛い妹の頼みだし、それくらいならいいだろう。
「やったー!」
「やったー!センパイありがと〜!」
アリサちゃんまで・・・いいけど。
一緒に住むようになったらもっと賑やかになりそうだな。
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挙母自動車→トヨ○自動車
タイフク→ダ○フク
FRB→連邦準備制度理事会:日銀のようなもの
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