第64話 (2011年2月16日)年明け

修学旅行から帰り、次の休み。

彼女の中で愛美だけ一緒に旅行に行けなかったので、埋め合わせのデートをしている。


「浩介先輩、お土産ありがとう!」


「気に入ってくれると良いんだけど」


「先輩からならなんでも嬉しいよ!でも私も一緒に行きたかったな〜!」


「それはしょうがない、また今度旅行行こうね!」


「海外とか行ったことないな〜」


「愛美は来年はハワイだね〜、すっごい楽しいから!」


「そう!楽しみなんだー!先輩も来るー?」

愛美も来年は中学3年生で、修学旅行がある。


「行けるなら愛美と一緒に行きたいけどね〜、俺たちが大学生になったら海外旅行行こうね」


「うん!」

大学生同士なら気兼ねなく行けるんだけど、高校生連れて行くのはどうなんだろうな?

ちゃんと調べておかないと。

それに、他の3人とは一緒に住む予定ではあるけど、愛美とは差が出来てしまうのも対策を考えておかないと。



2011年2月16日


誕生日も過ぎ、年も明け、今年も納税の季節だ。

クリスマス、17歳の誕生日もいつも通り5人で集まって、祝ってもらった。

美咲の料理美味かったな〜。誕生日プレゼントも嬉しかったし。


それはさておき、納税のために昨年7月に購入したエムビディア株を全て売却する。


平均売却額23.99ドルで320万株、合計63億2000万円になった。


昨年の利益額は、ディー・エヌ・ベー株の売却益60億6000万円。

納税額は12億1200万円だ、こうしてみると昨年はあまり取引ができなかったな。


今年もあまり取引はできないかも知れない。色々あるからな、来年に期待だ。

証券口座から納税分を引くと、48億4800万円になる。


この資金の投資先も既に決めてある。

クリーという企業だ。


この会社は、2008年に上場したばかりのIT企業で、ソーシャルゲームなどの運営をしている。確か2011年末から2012年頭にかけて、最高値になっていたはずだ。


170万株を22億9800万円で購入することができた。

残りは家を建てるための資金として取っておく。


「クリーかあ、私もちょっと気になってたんだよね〜。そろそろ2O2Oの株売ろうかなって思ってて〜」


「お、良いんじゃない?」

IT系は災害とか景気に影響されづらいし。


「じゃあ、今日帰ってから私も利確するね〜」


「渚も結構資産も増えたんじゃない?」


「浩介に比べればまだまだだけどね〜、含み益だけど1000万いかないくらいだったと思う〜」


「良いじゃん、高校生でそれだけ稼いでる人俺以外にほとんどいないと思うよ〜?」


「今度2人の時に私がご馳走するね〜!」


「ほんと!?ありがとう!」


「初任給じゃないけど、これでようやくちょっとだけでも返せるくらいにはなったからね〜」


「嬉しいね、楽しみにしてるよ!」


「あと、来週あたりでうちに来れる〜?親がいる時に来てほしいんだけど〜」


「いいよ、日にちがわかったら教えて」

ついに来たか、渚のお父さんの説得を手伝わないといけない。

渚のお父さんは学部選びに納得してないらしいからな。

怖いけどなんとかするしかないな。





「お父さん、ちょっと相談があるんだけど」

次の日、父親が仕事から帰ってくるなり話しかける。


「どうした?」


「家を建てたいんだけど、良いかな?」


「家?どこに?」


「目指してる大学に通いやすい場所に土地買って、家建てようかなって」


「そうか、まあお前の金だしな。別に良いんじゃないか?」


よかった〜、まあ説得に失敗するとも思えなかったけど。

前世でも大学から一人暮らししていたし、ダメな理由もないしな。


「よかったー、じゃあ近いうちに相談する時間ある?」


「土日の朝あたりでうちの本店に来なさい、手伝ってやるから。予算はどれくらいだ?」


「ありがとう、えっと大体15億くらいで」

これくらいあればなかなかの広さの土地が帰るだろう。

あんまり投資の元手を使うのは少し気が引けるが、すぐに稼げるだろうし。


「そんなにか!?すごいな、そんなに稼いでるのか。大学には受かりそうなのか?」


「うん、今の調子だと大丈夫だと思う」


「ならいい。美咲ちゃんはどうするんだ?お前と同じ所目指すんだろ?一人暮らしするのか?」


「その、友達とかと一緒にみんなでシェアハウスみたいにできたらと、思ってるんだけど・・・」

シェアハウス(彼女と同棲)だけどな。いけるかな?


「最近はそういうのも多いよな。まあ、向こうのご両親が良いって言うなら良いぞ」


「わかった、相談しとくね」

よかった、ここまで話を膨らませて断られたらどうしようかと思った。


「ちゃんと避妊とかには気をつけろよ?」


「わかってるって」

親にこう言うことを言われるのは少し気まずい。大事なことだけどな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エムビディア→エヌビディ○

クリー→グリ○

2O2O→ZOZ○

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る