中学生編

第16話 入学式

「「おはよー!」」


「おはよ!」

美咲と渚と3人で待ち合わせして駅から電車に乗る。


「2人とも制服姿もかわいいね!」

上は紺色のセーラー服に白いスカーフ。下は紺色のプリーツスカートに白いラインが入っている。いつもみても可愛い制服だ。2人ともめちゃくちゃ似合っている。


「ありがとう」と照れながら美咲が返事をし、


「でしょー?」渚はその場でくるりと回りドヤ顔で見せつけてくる。


返事にも性格が出るな。


今日から通う中学校は男子はブレザーで女子はセーラー服の珍しい学校だ。

中高一貫校なのでこれから高校卒業までの6年間通う。


電車と地下鉄を乗り継ぎ20分ほどの通学時間がかかり、都市へ向かう方向なので、朝の通勤時間は少し混む。学校自体は九州の中心都市の真ん中に位置していて、便利な場所だ。


「ほら、危ないから俺に掴まって」

そういうと、2人とも俺の腕と腰に掴まってきた。

6年間こうして通学できると思うと朝の混雑も苦ではないな。




学校につきまずは事前に送られてきていたクラス表を見ながら教室を探す。


美咲と渚は同じクラスだ、聖奈ちゃんも同じ。


前世では渚ちゃんとは別のクラスだったが、少し変わっている、美咲が入学した影響だろうか?


「おはよーこうすけ!」

すでに教室にいた聖奈ちゃんが声をかけてくる。制服姿の天使も可愛い。


「おー、おはよー!」


「初めまして!美咲です!こうすけの知り合い?」

美咲が人懐っこい笑みで挨拶する。


「そうそう!塾で一緒だったんだ〜!私は聖奈だよー!よろしくねー!」


「よろしくね!」


「かわいい・・・」

渚はかわいい子が好きなようだ。


「えへへ、ありがとう!名前なんて言うの?」


「あ、私は渚だよ〜、よろしくね〜!」

獲物を狙う目をしながらも愛想良く返事をする。


「2人はこうすけの友達?」


「そう!小学校が一緒だったの!」

彼女が2人いると知られると周りに変な目で見られそうなので事前に話を合わせていた。


「そっか!じゃあ私とも友達だね!」

聖奈ちゃんが陽キャ理論を振りかざす。


「そうだね!」


「そろそろ時間だから席につこっか」


「はーい!」

誰がいるのか教室を見渡す。


いた。


前世から可愛いと思ってた女の子。


白倉杏奈(しらくらあんな)ちゃん。


中学3年の時にスカウトされて、モデルの仕事をしていた。


性格はいいんだが、美人で黙っていると少し怖く感じるような子だった。

どう仲良くなるか、悩みどころだ。


考え事をしていると、先生が教室に入ってきた。簡単な説明を聞いた後、講堂に向かう。



『これより平成18年度、入学式を執り行います』


中学校の新入生は全部で200人、1クラス40人の5クラスに別れることになる。

市内には男子校が多いためこの学校は男子より女子の方が多い。

高校から入学する生徒もいるため、高校1年生も参加している。



入学式が終わると、教室に戻り教科書や生徒手帳、名札など様々なものが配られる。


「皆さん入学おめでとう、まずは順番に自己紹介してもらいます。出席番号1番から」

こういうの一番最初の子は可哀想だ。緊張するよな。


「はい、次の人」


「白倉杏奈です、趣味は歌うことです、えっと、よろしくお願いします。」

美しい・・・あんまり笑わないので勘違いされやすい子だった。


その後も自己紹介は続き、宇宙人や未来人にしか興味ない人や、ウケ狙いの自己紹介をする人もなく、普通に俺の番がやってくる。


「中村浩介です!趣味は・・・」趣味なんて言おう・・・この時代、ネット小説や動画配信を見るって言っても変な目で見られるだけだ。


「えー、趣味は映画見たり、本を読んだり、ゲームです!よろしくお願いします!」

なんか隠キャくさい気もするがいいか。


自己紹介の後、校則など様々な説明があり、新入生はお昼前には下校時間となる。


「こうすけーお昼ご飯食べて帰ろー?」

聖奈ちゃんからのお誘いがかかる。

遠方から通う生徒もいるため普通の学校よりも校則が緩く、下校途中の寄り道も問題はない。


学校側は遠方の生徒が寄り道しようが把握できないので最初から校則で縛ることをしていないのだ。あとは、ヤンチャな生徒がいないことも理由としてある。


「いいね!美咲と渚もそれでいい?」


「「いーよー!」」

4人で地下鉄に乗り、乗り換え駅の周辺でお店を探す。

チェーンのコーヒーショップに入り軽食と飲み物を注文する。


「聖奈、同じ小学校の人いないから不安だったんだー!こうすけがいてよかったー!」


「今日で友達2人も増えたしね」


「そうそう!美咲ちゃんも渚ちゃんも仲良くしようねー!」


「せいなちゃん色白くて可愛いよねー、髪もサラサラ!シャンプー何使ってるの?」

美咲は聖奈ちゃんに興味津々のようだ。


ぜひ聖奈ちゃんとは仲良くなってほしい。目標のためにも。


「俺らこの駅で降りるからまた明日ね!」


「ばいばーい!」

2人を家まで送りとどけ家に帰る。



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白倉杏奈しらくら あんな


茶色に近い髪色


すっごい美人


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