[8話]矢島健と感謝
放課後、佐々木の提案により遊びに行くことになった。
俺たちは廊下を歩きながら話していた。
「二人は夏休みどこか行く?」
「夏休みはまたっり家で暮らす。外熱いし」
「そんなことしていたらもっと腐るわよ」桜井の言葉の切れ味は良好だ。
まるで俺がすでに腐っていかのようないいぐさだ。
「腐りかけは美味しいというだろう」
こいつへの返しも学習してきたってもんだ。
「それは腐る過程で美味しくなるのよ。あなたは腐りかけ終えるから
もっと不味くなるだけよ」
桜井は何を馬鹿なことを言っているのかと
こっちを見て言ってきた。
「ばっか、こっちとらまだぴちぴちの10代だぞ」
「なんかやじまーには似合わないねそのセリフ」
佐々木俺も仲間に入れて、同い年。
「そうねいくらが外皮が若くても身もしっかりしていないといけないわね。
勉強になったわ」
桜井が髪をさなびかせ勝ち誇った顔で酷いことを言い放った。
マジでこいつどうしてくれようか。
「お前だってそう変わらないだろう。」
こいつだって外見はいいけど中身が毒舌女とか、パッケージミスに程がある。
「私はあなたと違って文武両道よ。それに家の付き合いでなにかしらには行くから知り合いは多いわ。あなたの負けね」
「へえ」
どんだけ負けず嫌いさんなの。それになにこいつお嬢様なの。
いやお嬢という線もある。口悪いしオラオラしている何とか家かも。
「美奈子お家、なんかの議員さんだよね」
「まじで」
本当にいい所のお嬢かよ。嫌なやつだが将来のために媚売らないと。
おい、将来ってなんだよ。
「県議員よ。それでたまに付き合うことがあるの。ほんどは兄さんがやって
いるのだけど」
「兄貴いたのか」
「ええ」
「まじかそういう席では目踏みとかありそうだし、兄貴はさぞや優秀なのだろう」「とても優秀な人よ。私よりもなんでも出来て会話が達者だと思う」
「へえ、そうなのか」
やはりといった感じだな。
でも兄貴の話をしているこいつは少し浮かない顔していた。
「まぁ俺にも妹がいるけれどね」
「そういえば言ってたね。私も今度会ってみたいな」
この前は佐々木と会う前に別行動になってしまっていた。
「賑やかな感じの子だったわね」
たしかにウチの由希ちゃんそういうところあるわ。おばちゃんみたいなのよ。
「俺に似ないで人気ものだがなあいつ。さすが俺の妹だ」
「なんでやじまーが自慢する。ちょっときもい」
「きもい言うな」
妹を自慢するのはお兄ちゃんの特権だぞ。
そんな話をしていたら下駄箱の近くまで来ていた。
「そういえば遊ぶっていうがなにすんだよ」
「うん~」
佐々木はうねってしまった。
「決めてないのかよ」
「あはは。そうだね、なんかぱーと騒ぎたい気分」
「なにかしらその頭の悪そうなワードは」
「酷い!」
すまん、俺もそういうノリわかんない。
なんだようぇーい、ワンチャンとか、どこの部族だよ。
「とりあえず駅の周辺行けばいいか」
「そうね、ここら辺には公園くらいしかないから、あなたしか遊べないわね」
「おいおい、俺はいつから小学生になったんだよ」
「精神年齢はそれくらいではなくて」
「なら、お前は逆に妙齢だよ」
「まぁまぁ」
俺たちは靴に履き替え正面玄関を出た。
「あれ矢島君、佐々木さん」
後ろから聞こえてくるこの甘美な声の持ち主はもしや。
「あれせいちゃん、どうしたの」
我々が天使、由崎エルその人だ。
「残って練習してたんだよ」
確かにラケットが入ったバックをしょっている。
「由崎くんこんにちは」
「桜井さんも一緒だったんだ」
「由崎のことは知っているのか」
「大抵の生徒のことは知っているわ」
なんでだよ、なにに使うだよ。
「俺のことは知らなかった癖に」
「私としたことがあなたという存在から目を逸らしていたみたいね。
ごめんなさい」
「おい、俺を哀れみの対象をするな。俺はプロボッチだぞ。
むしろ憧れのまとだぞ」
「それは憧れと捉えるのねあなた」
「二人とも仲がいいだね」
「ねえ」
佐々木と由崎には同意しかねるよ。
「そうだ私たちこれから遊びに行くんだけど、せいちゃんも来る」
「いいの?」
「いい...」
「いいに決まっている。てか来てください」
「う、うんわかった」
佐々木の了承を遮る形で俺は了承した。
由崎もわかってくれたらしい。
「なんでそんな食い気味なの、私の時は違うじゃん」
「なんか言ったか」
「言ってないし!!」
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