第86話 幻は現実に

 ジルは笑う。

 ケラケラ笑う。


「女を抱くのって楽しいな!!」


「女触る。柔らかい。

 犯す。気持ちいい」


 ガイルも笑う。

 嬉しそうに楽しそうに笑う。


「はは!

 テメェはいいやつだ!

 お前は最高の友達だ」


「友達?」


「ああ、仲間だ」


 ガイルはニッコリと笑う。


「友達、俺とジルは友達。

 えへへ。友達」


 ガイルが笑う。

 ジルも笑う。


 女は泣き叫ぶ。


「さて、お前も友達を紹介しろ。

 紹介したら逃してやるよ」


「する!する!するから……」


「おう、かわいい女を頼むぞ」


「はい!」


 女はそう言って震えながらスマホをカバンから取り出す。


「もしもし……源さん!助けて!」


 女は電話の相手に助けを求めた。


「テメェ!なにをして――」


ジルは、その言葉を途中で止める。

なぜならそこには見知らぬ男が立っていたからだ。


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