かき氷の話

「ねえ。おねぇ、かき氷食べたくない?」私が暑すぎてバていたところに私の最高に可愛い妹からのこの申し出。即答しか選択肢がない。「いいよ!どこ行く?」興奮しすぎて声が大きくなってしまった。「なんか最近うちの近くに新しくかき氷屋さんができたらしいの。そこに行きたいなーって」「このあたりにできたんだ。美味しかったらこの夏にもう一回ぐらい行こうね。」夏はあと一か月もせずに終わっちゃうけど一か月もあればもう一回ぐらい行けるはず…。


僕の人類最強の可愛さをもつ僕の姉が僕の他愛ない思い付きを楽しみにしてくれてる。ここまで僕の神々しいほど可愛い姉が楽しみにしてくれてるのに美味しいかき氷じゃなかったら僕は何をするのか分からない。「早く食べたいね…今から行っちゃう?」今は午前11時。確かに現実的な時間。「分かった。準備してくるね。」人類最強の可愛さの僕の姉の隣に相応しい格好に着替えなきゃだからハードルが高い。



「おねぇ、僕は準備終わったよ。」私の可愛すぎる妹を待たすわけにはいけない。言い訳が許されるなら服が決まらなかった。それだけ言わせてほしい。「ごめんね。待たせちゃった。」「大丈夫だよ。おねぇ、今日なんか服の種類違う?」「そう。最近暑いからこの間買ったワンピース着てみたの。」「似合ってる」私がいつも来てる服の種類を覚えてくれてただけでもうれしいのに褒められた…もうこの服を宝にしよう。



「あと少しだから頑張って歩こ」家の近くだからって特に何の用意もなく歩いてきたのが間違いだった。僕は特に何の問題もなく歩けてるけど最強無敵の可愛さを持つ

僕の姉には長い道だったらしい。膝に手をついて肩で息をしてる。「わ、分かった。頑張る」

こんな会話から500mぐらい歩いてお店に着いた。


ようやくついた店内はよく冷えていて汗をかいてしまった今だと寒く感じるぐらいだった。「いらっしゃいませ。好きなお席にどうぞ」店内には人がまばらで窓際の席が空いてた。回りが道路で風情の欠片もなくとも窓際がいい。「おねぇ、窓際の席が空いてるよ。窓際の席にしよ」私の最高に可愛い妹も同じ考えだったらしい。「そうだね。窓際ってなんか特別感あるもんね」


席に着いてから注文をすませてしまう。「おねぇ何食べる?」「…私はねーこのぶどうのかき氷にしようかな」「じゃあ僕、苺のやつにするから半分こしない?」「いいよ。色んな味を楽しみたいしね」これで合法的、怪しまれずに間接キスを堪能できる。



三分ぐらい待っているとかき氷が運ばれてきた。私のぶどうのかき氷は紫色のシロップ、一番上にシロップと比べると赤っぽいブドウが乗っていた。私の最高に可愛い妹の方は赤い色のシロップに周りに美味しそうな苺がのっていた。

「「いただきます」」二人で声を揃えていただきますをしてから食べ始める。しっかり冷たいけど口の中に入れるとぶどうの味を残して一瞬で溶けてなくなってしまう。ふわふわのかき氷みたいで頭が痛くならない。

「おねぇ、あーん」え…一瞬思考が停止してしまったものの何とか思考を取り戻して

あーんされる。ぶどうと違う甘さが口の中に広がっていく。


「美味しいね」「ね。こんなにおいしいならこの夏のうちにあと一回はこようね」「うん。今度僕はこの宇治抹茶みるくって言うのにしようかなー」「じゃあ今度私はこのコーヒーかき氷、コーヒーゼリーを添えてって言うのにしようかなー」「なんかかき氷以外もあるらしいよ。パフェとかもあるじゃん。」「今度来るときの楽しみ増えたねー」

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