第17話 偉大なる管理者

 得意技を連発して最高の気分ね! さすがリアルAI超えのアドミニストレータだ。


 きっとおっちゃんも喜んでいるね。


 優れたおっちゃんなら自宅警備員をやっているはず。そんな可愛いおっちゃんには私からサプライズを用意してあるの!


 スキル『パンイチ』のLV5は中華パン(種類はランダム)が出るんだけど……


 なななんと!!


 オマケとしてアダルトなおっちゃん向けに避妊具が1箱ついてくるのだ! これでおっちゃんも最新のバーチャルリアルを好きになってしまうってもんよ! おっちゃんウハウハだね!!


 色んな妄想をしながらビールを飲んでいると冷蔵庫からモナモナエールが消えてしまった。

 

 誰だ? 私のビールを盗んだのは? 


 これは重大事件よ!! 今日はモナモナエールしか飲む気がしないのに! 確か12本は常備していたはず。

 

 テーブルの上には12本の空き缶が並んでいる。


 私の計算が確かなら数は合っている。


 多分……これは事件だ……


「フグミ〜ン、ゲームはどうかな〜」


「順調です。みんな楽しんでくれています」


 そうなんだ……


 私はビールを盗まれて絶望を味わっているのに


 みんなイチャラブ全開で楽しんでるんだ……


 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ!!


 許せん! 絶対に許さん! やってやる!


「フグミン! 突発イベントよ! 各都市へゴブリンのスタンピード!!」


 これでお楽しみ中の人達の所にゴブリンの大群が押し寄せる。


「了解しました」


 グヘヘへへへ! 絶望というものを教えてやる!


 私と同じ苦しみを味わうがいい!!


 ちょっとだけスッキリしたね。ビールは盗まれたけど他のお酒のストックはある。何にしようかな? お腹がおっちゃんみたいに膨らんでいるから炭酸系は無理ね……


 ここはワインの一手!


「防衛で活躍したら報酬はワインね」


 いい汗を流したらお腹もへこむし、ワインもきっと美味しいよ。生きてればね!!


 そう思った瞬間に天からの啓示があった。ような気がする……


「更に都市周辺へゴブリン城を設置! 期限内にゴブリン城を落城しないと大規模なスタンピードが発生するペナルティーよ!」


「アドミニストレータ。まだ序盤です。対応可能な都市があまり有りません」


「フグミン……世の中は厳しいのよ……とてもとてもね……私はエクストラハードモードの名に恥じない難易度を求められているの」


 全くスパコンなのにフグミンは分かっていない。この試練を乗り切ってこそ偉大なる管理者の私に挑む資格があると言えるのよ。


 多分…………きっとそうだ!


 正しくこれぞ天啓!!


「イベントを開始しました」


 う〜ん……


 でも、ほんの少しだけ飲み過ぎたかな……


「フグミ〜ン、後は適当にやっておいてぇ〜」


「了解しました」


 私は酔えば酔うほど良い発想が出る。何かを閃きそうな予感がさっきからしているんだよね。


 今、小説を書けば100円分はアクセスしてくれる物が書ける気がするけど……


 眠いから寝る事にしよう……


 



 








 


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