自信と不安のはざまで
第26話 自信
レッスンを始めてからも、編み物をする毎日は変わらなかった。けれど、今は桐哉さんのためにレッスンの内容を考えて、教材を用意して、編み図を書く……。そんなひとときが楽しかった。そして、自分の仕事で疲れた心がじんわりほどけていくのを感じる夜が好きになった。
やることは変わらない。けれど、変わったのは桐哉さんの存在が私を支えてくれることだ。
会社では、いつも事務作業に追われ、電話対応にパソコンでの作業、書類づくりが間に合わなくて残業することもある。それでも、たまに受付で桐哉さんに面会するお客様を見かけたり、社報で彼の写真とあいさつを眺めたり、上司が彼のうわさをしたりするとき、改めて彼はすごい人なのだと現実に引き戻される。けれど、そんな彼の「素」を知っているのは私だけなのだ、と少し鼻が高いこともある。
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