あなたのいない朝へ、想いを込めて

春嵐

α

 朝。小鳥のさえずり。出勤や通学の音。

 目覚めたくなかった。寝ていたい。どれだけ寝ても、まだ、眠い。

 彼のいない朝なんて。興味がなかった。起きるとき、隣に彼がいて。わたしに向かって、ほほえんでくれる。もしかしたら、もう起き出していて、朝ごはんの準備をしてるかもそれない。わたしに抱きついたまま、眠っていてもいい。

 彼がいてくれれば、それでいい。

 それでいいのに。

 彼はいない。


「うう」


 涙を、拭って。

 また、今日が始まる。

 彼のいない、今日が。

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