第9話 一晩明けて
なんで分かってくれないんだ。
こんなに愛しているのに
ずっと君を想ってたのに
君を見ていたのに・・・。
ゆうこはハッと目を覚ました。
気が付くと全身に鳥肌が立っていた。
幽霊も寝るんです。そして 鳥肌も立ちます。
幽霊というか精神体という方が正しいのでしょうか?
「ゆうこちゃん、朝から何を寝言言ってるの?」
横で寝ていた斗真が話かける。
「あ、ごめんごめん。」
昨日はあれから大変だった。
斗真が陽太さんの胸ぐらを掴んで
「おまえはストーカーだ。」
とか
「おまえの思い違いだ。」
とか 挙句の果てに
「もう2度と来るな。」
って 陽太さんを病室から追い出すし
人に触れられない私が
大変だったんだから・・・。
ゆうこは昨日の病院での出来事以来、
少し斗真と話辛くなっていた。
そんなゆうこに気を遣ってか、斗真は
いつにも増して妙に優しかった。
「じゃあ、行ってくるね。心配だから
もう一人で病院に行ったら駄目だよ。」
斗真はゆうこにそう念を押して仕事に行った。
ゆうこはどうしても陽太が悪い人間には思えなかったし
何よりも自分が二股している事を信じたくなかった。
病院に行くと言ってしまうと止められるので
ゆうこはそれから毎日、斗真に内緒で
優子の病院へ通い出した。
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