学校一の美少女は、いつの間にか俺に懐いていました。〜ちょと、近すぎじゃないかな⁉︎

草野カズヲ

プロローグ

 俺は今、生徒会室の前にいた。

 生徒会室の前にいるからといっても、俺は別に生徒会役員でも生徒会に興味があるわけでもない。

 高校入学当初こそ生徒会に淡い夢を抱いていたが今となっては恥ずかしい話だ。男の子ならだれもが、妄想ぐらいしたことがあるだろう,教師よりもなぜか権限のある生徒会とか、裏でなぜか学校を支配してたりとかするあれだ、あとは…………特にないな。


 話がそれたな、俺がなぜここにいるのか話をしようとしていたのだ。


 今朝のことだった、いつものように、スマホのアラームからのモーニングコールによって目を覚ました、これがからのモーニングコールなどだったのならどれほど嬉しいことか、朝が楽しみになってしまうかもしれない。

 だが残念なことに俺の目を覚まさせるのは無機質なアラームの音だけだった。重い頭と、だるい体をいたわりながら、リビングに向かった。リビングへの扉を開けると、そこには手際よく朝ごはんの準備をする女がいた。


「おはよっ!!」


彼女はこちらに気づくと元気よく挨拶をしてきた。


「おはよ~」


まだ覚めきってない頭を掻きながら、間抜けな挨拶を返した。 


「はやく歯を磨いて顔洗ってきて、ご飯もうできてるから」

「わかった」


 彼女に言われた通りに俺は洗面所に向かった。

 鏡には寝起きに寝癖も相まって間抜けな顔の男が映し出されていた。

 水道の蛇口を捻り水を出した。

 4月も中旬だがまだ朝は少し寒く、流れてくる水はまだ冷たい。

 水で顔を洗っていると眠気も徐々に消えていった。

 

 「あいつは、いつもはやいなぁ」


 俺の口からはそんな言葉が漏れていた。

あいつの言うのは、さっき俺に顔を洗うように言った彼女の事だ。

 彼女の名前は「一条 友稀」イチジョウ ユキ俺の一個上の幼馴染。

 ついでに言うと我が校の生徒会長様である。

昔から親同士の仲が良く、遊んでたりしてた仲だ。

 俺の親が両働で朝から早いのでよくご飯作りに来たりしている。 

 俺はわるいから、いいと言っているのだが、俺一人だと不安らしい。

 友稀と俺は、同じ学校の生徒だが、性格が明るく人当たりもいい、教師からの信頼も厚い、とても優秀な生徒の友稀と、勉強が得意でもなければ、友達もあまりいない、教師からの信頼なんて皆無であろう俺では、一緒にいるだけで、友稀に悪い噂がつくかもしれない。

 そんな理由から俺は学校では友稀とはあまり関わらないようにしている。

 実際、友稀と比べられるのが少し怖いのもあったりする。

 俺が友稀より劣っているのもわかっているが、人にそお言った目で見られるのは、あまりいい気がしい。

 だからと言って俺は友稀の事を嫌ってなどはいない友稀はいつも俺の事を色々考えてくれているそんな彼女を嫌うわけはなかった。


 軽く頭を濡らして寝癖を取った後は早々にリビングに戻った。


朝食の準備は既に済まされており、友稀は椅子に座りながら、俺の事を待っていた。

「待たせて、すまんな」

「いいよ別に、いつものことだし、それよりはやく食べよ学校に遅れちゃう」

「そうだな」

「いただきます」

 





 「それじゃ先行くね」

 「おう、いってらっしゃい」


 友稀は俺を気にしてか、いつも俺より少し先に学校に行っている。

 「そういえば今日放課後、生徒会室に来て」 

 「なんでだ?」

 「それは ひ み つ」


 友稀は意味ありげに言いながらウインクをしてきた。

 クソ無駄に可愛いのがムカつく。

 

 「それじゃちゃんと来てね」

 「わかったよ」

 「それじゃ、いってきます‼︎」  

 

 彼女は元気よく学校へ向かっていった。


 「今日も、いい天気だ」



 今思えば呑気なものだ、俺の平穏な日々は今日をもって終わると言うのに。

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