転生したので楽しい学園生活を送ります
久佐郎
第0話 プロローグ。
まだ夏の蒸し暑さが残る九月の終わりごろ、十六歳の誕生日の前日に僕は首を吊った。
皮肉にも僕が今までの人生で唯一自分で選択した道だった。
別に誰が悪いとかではない。
ただ両親の期待に応えることが出来なかった自分が情けなくて、どうしようもなくて、嫌だった。
そう言えばキリスト教などの宗教では自殺はタブーとされていて自殺をしたものは地獄に落ちるそうだ。
自分もこのまま地獄に落ちるのかななんて、今さら考えても仕方ない。
僕がそんなことを考えている時、僕の周りは真っ暗だった。
真っ暗で、音も聞こえない、静寂に包まれていた。
ただただ暗闇が続いた、いい加減にこの光景も飽きてきた。
僕はこれからどうなるのだろうか、天国に行くのだろうか?それとも地獄だろうか…
それは不安なようで、これから何が起こるのだろうかというワクワク感が入り混じった不思議な気持ちだった。
これが好奇心と言うのだろうか、今までなら有り得ない気持ちだった。
その時だった、暗闇の向こうから光が見えた。
光は段々と僕に近づいてきてやがて僕に重なった、同時に景色も変わった。
今までの暗闇から明るい光の世界になった。
その時僕の身体がすうっと軽くなったように感じた。
足を見てみると身体が光りながらバラバラに砕けていっている。
いよいよ終わる、僕の人生が。
そしてこの先どんな事になろうと僕はそれを受け入れなければならない。
それが自ら死を選んだ僕がとるべき行動だと思うからだ。
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