4 とある貴族令嬢誘拐事件
「お〜い、誰か手隙の者は居るか〜?」
〈黄金の盾〉に隣接する酒場で軽めの食事を取っている時に、依頼書を片手に〈黄金の盾〉ギルド長のダナンが酒場の入り口で声を張り上げた。その場に居合わせた冒険者は一斉にギルド長を見るが、手を挙げる者はいなさそうだ。
「誰でも良いぞ〜!」
再度、ダナンが声を張り上げる。周りの様子を窺うと誰も手を挙げないし、ダナンと目を合わせようとしない。おそらく、ギルド長自ら呼びかけをする、と言う事は厄介な案件か報酬が渋い案件なんだろう。
場所にもよるが、冒険者ギルドには暗黙のルールがいくつかある。
十日ほどここに通って分かった暗黙のルールは、高額報酬の案件や、条件のいい案件は所属する冒険者の中でもベテラン、エース級のヤツらから優先して受ける、新米や下っ端はギルド長直々の声掛け案件は率先して受ける、だ。大抵の冒険者ギルドと同じだな。
今、この場に俺達より新米で下っ端冒険者はいない。
俺は面倒くさい案件だと踏んで、
暗黙のルールに
耳が忙しなく動いてるし、視線が泳ぎまくってる。『困ってる人』を前にするといつもこうだ。
『おせっかい』発動。
ダナンが三度目の声を上げた時、ティーダが席を立って手を挙げた。
「…誰も受けないなら、オレたちが受けます」
ティーダの申し出に、ダナンは安堵したように笑うと「助かるわ〜、これ依頼書、行き先と依頼人の名前と所在はここに書いてるから、じゃ、よろしくな〜!」と言って、ギルドホールの方に戻って行った。
「……すまん、つい」
じとり、と見上げる俺の目線にティーダはハッとして、呟いた。俺が『わざわざ面倒な案件を受けやがって…』と思ってると感じたんだろうな。
「いや、…経験つまねぇといけないしな、命に関わる案件じゃなきゃ受けるさ」
「そっか、良かった…」
そう言ってティーダは椅子に座り、俺達は依頼書の内容を確認した。
どうやら、行方不明者の捜索依頼で、探し人はとある貴族の令嬢(九歳)と言う事だ。詳しい事は屋敷で話す、となっているので、食事を切り上げて依頼主の邸宅へ向かった。
「…じゃぁ、家出とかではないんですか?」
「エミリアはまだ九歳ですぞ! …私たちが手塩にかけて大切に育てているのに、なんの不満があって家出なぞ! あり得んッ」
ティーダの聴取にこの屋敷の主人は顔を真っ赤にして憤った。
憤慨する主人に、ティーダは「…いや、可能性を聞いただけで、家出と決めつけている訳では…」と主人の剣幕に気圧されて苦笑いを浮かべている。
俺はと言うと、ティーダの隣で出された茶を啜りながら話しを聞いている。
こういう交渉力のいる事はティーダの役目だ。ただ、俺も話しを聞いているだけじゃなくて、会話の内容の分析はしてる。ティーダに言わせれば、それは俺の役目らしい。
娘の年齢が九歳と言うわりに、目の前の旦那は年の頃は五十代半ば、隣の奥方は三十代前半と言った所か…。
うん、まぁまぁな年齢差だな。
エミリアと言う令嬢は、年取ってから出来た子供なんだろう。干渉過多な親に嫌気がさして家出…とかか?
「…あの、奥様はなにか思い当たる事はないですか?」
「え? …あぁ、そうですね……、特には」
怒り心頭の旦那を置いて、他に情報が引き出せないかティーダが奥方の方に話しを振るが、どうも反応が薄い。
自ら腹を痛めて産んだ娘が行方不明だと言うのに、妙に落ち着き払っていると言うか…、あまり興味がないのか? もしくは継母なのか?
一通りの事情聴取を終えて、俺達は屋敷を出て、【自由市場】に向かう。
依頼人の屋敷からの帰り際、奥方に呼び止められて事情を説明されたからだ。
彼女の情報によると、俺の見立て通り、旦那はエミリアを溺愛していて、過干渉と言えるほどに彼女に干渉しているらしい。
そろそろ思春期だってのに、未だに一緒に風呂に入り、夜も一緒に寝ると言う事だった。
自立し始めた娘からすれば、鬱陶しい事この上ないだろうし、息も詰まるだろうな…。
奥方の情報では、エミリアは父親の目を盗んで、時折、侍女を伴い【自由市場】へ出掛けていると言う事だった。
「お願いします、どうか、どうかエミリアを見つけて下さい…!」
と、涙ながらに訴えられて、ティーダは俄然やる気を出したし、俺はこの奥方を見誤っていた、と反省した。
家出の原因が『旦那の過干渉』だから、何も言えなかったんだと、その時に思った。
露店や屋台がひしめく【自由市場】は、とても開放的で大道芸人がジャグリングや玉乗り、手品などの技を披露していたり、市場の店自体も生鮮食品から、女性や子供が好みそうな雑貨や洋服を扱う店もあり、息苦しい生活を送るエミリアにとっては唯一、息抜きが出来る場所なんだろう。
色々な商店を回って、エミリアが行きそうな場所を聞き込むと、彼女にまつわる『ロマンス』の噂が聞こえて来た。
この【自由市場】の人気者、大道芸人の見習いの少年と恋仲のような関係らしい。年齢が年齢だから『ままごと』みたいなもんなんだろうが、本人たちにしてみれば『初恋』だろうから、のめり込むのも分からないでもない。
「……エミリア? …七日の夜、会う約束をしていましたけど、彼女は来ませんでしたよ」
道化師の化粧を落しながら、エミリアの思い人の少年が吐き捨てるように言った。
年の頃は十代半ば、人間の少年だから成人前後と言った所か。化粧を落した素顔はそれなりに整った顔立ちで、年下のエミリアがのめり込むには充分な容姿だ。
「…来なかった? 何時頃の約束だったんだい?」
顎をさすりさすり、思案顔のティーダが問いかける。それに少年は不貞腐れたように口を尖らせて、伏し目がちに答えた。
「午後七時、この【自由市場】の入り口の街灯の所で……」
この年頃の二人が夜に人目を忍んで落ち合う約束をしたと言う事は、大人が思う逢い引きではないだろう。恐らくは、この少年が『この街からエミリアを連れ出す』とでも言ったんだろうな。
惚れた女を守りたい、少年なりの正義ってやつか…。
答えた少年を見下ろして、俺は一つの可能性をぶつけた。
「…その年で駆け落ちとかじゃねぇよな?」
「! ……子供の『ままごと』だと言いたいんですか?」
図星をつかれた少年は俺を見上げて睨んだ。
そこに宿る光は真摯なもので、一時的な感情に任せたものではないと思うが、目の前の少年に令嬢を養うだけの甲斐性があるとは思えない。
ましてや、大道芸人の見習いだ、上手く連れ出せたとしても『破綻』する事は目に見えてる。
睨み上げる鋭い視線に、俺は肩を竦めて
「…いや、可能性の一つを提示しただけだ」
「……僕たちは真剣です。父親の過剰な干渉に彼女は苦しんでた、だから、僕がこの街から連れ出してあげようと思って…」
「君の気持ちは分かった、その待ち合わせの場所に案内してくれないか?」
ティーダが優しさに溢れる眼差しで少年を見て、彼の肩に手を置く。それに答えた少年は黙ったまま頷いた。
「…ここか」
【自由市場】の入り口には街灯が門のように二柱向かい合って立っていた。傍には青果店と雑貨屋がある。
「…エミリアはいつもここで侍女の人と別れて、僕と【自由市場】の中を散策していました」
「どれくらいの時間?」
短いティーダの質問が飛ぶ、それに答えた少年は市場を見渡した。この雑踏の中にエミリアの姿でも探しているんだろう。
「…日によって多少変わりますが、大体、一時間です。彼女の父親の目を盗んでお忍びで来ている事もあって、そんなに長い時間は一緒にはいられなかったけど…、僕たちは本気で…!」
「……惚れてんだな」
いつしか俯いて言葉を絞り出す少年の横顔に俺は尋ねる、すると揺るぎない意志を宿した視線が返って来た。
「…はい」
「午後七時と言うと、この辺りは閉店してる時間かな?」
ティーダが空気も読まずに事務的な質問を投げてくる、それに少年は丁寧に答えた。
「そうですね、この辺りは午後六時には大抵の店は閉まってしまいますし…、後はここの街灯が点いているだけで、人目を避けるには良い時間なんです」
少年の返事を聞きながら頭を掻くティーダが俺を見る。
「……どう思う?」
「…そうだな、…夜に侍女も連れずに出て来たんなら…一人でいてる所を何者かによって攫われたとか?」
「何度も来ている道なら、夜でも迷う事はないだろうし…、誘拐の線が濃厚か…」
「となると、どこに攫われたか…だな」
腕を組んで思案していると、俺のケープを引っ張る子供がいて、そちらへ視線を向ける。
ドワーフの子供が二人立っていて、俺を見上げて言った。
「…おにいちゃんたち、エミーをさがしてるの?」
「ん? エミリアのことを知っているのか?」
そう答えながら俺はしゃがみ、ドワーフの姉妹の顔を覗き込むと、二人は無言でコクリ、と頷いた。
「とーちゃんとあるいてるときにみた!」
「よる、ひとりでここにいた!」
「それはいつの話なんだ?」
調子を合わせて話す姉妹に、なるべく、優しい口調で問いかけると、彼女らは顔を見合わせて、少し考え込んだ。指を折って何かを数えてるみたいだ。
「えっとね、エミーみてから、さんかい、ねた!」
「うん、さんかいねた〜」
と言う事は、三日前、七日の夜か。少年の話しと符合するな。
「本当かい!? エミリアはどこに行ったんだ??」
少年が割って入った、どうやらこのドワーフの姉妹とは顔見知りらしい。知ってる顔を見て安心したのか、彼女らの面からは笑顔が零れた。
「えっとね、おっきいひとにつれていかれたよ」
「大きい人?」
ティーダも俺と同じようにしゃがみ、ドワーフ姉妹の顔を覗く。柔和な笑みを浮かべているからか、ティーダを見た姉妹の顔から緊張が消えて、ふにゃっ、とした子供らしい緩さが彼女らの表情に浮かぶ。
「うん、オーガみたいな、かおしてた!」
姉妹の一人が両手で目を吊り上げ、オーガの人相を再現してみせた。それを真似て、もう一人も同じ仕草をして、顔を見合わせて笑い出す。
その仕草が俺達の緊張をほぐして、俺もティーダも少年も思わず笑みを零した。
「……エミリアはレッサーオーガに攫われたってことか?」
ティーダと顔を見合わせ、俺の推測にヤツは頷いて、ドワーフ姉妹に行き先を問う。小さな子供の証言だからあてにはならないかもしれないが、ないよりは良い。
「どこに行ったか分かるかな?」
「ん〜とね、がいせんもんのかくれが、って言ってた」
「そこにいっぱいあつめるって、おっきなたてもったフッドにはなしてた!」
……ん? その組み合わせって…。
【自由市場】のドワーフ姉妹の情報を元に、俺達は【凱旋通り】の裏路地にやって来た。
ミニーの足抜けの件で知り合った、娼館の元締め、ゾフィーに協力を依頼して始末したレッサーオーガの
レッサーオーガの塒は、まだ陽の高い午後三時だってのに、薄暗い袋小路にあって腐臭や汚物の匂いが漂っている。こんな所に閉じ込められて、深窓の令嬢には辛いだろうな…。
しかも、俺達がレッサーオーガを始末してから三日経ってる。
…無事だと良いんだが……。
レッサーオーガの塒の鍵は簡単に開いた、今は使われてないアパートメントのようだ。入り口の扉から中を覗くと薄暗く、用心の為にティーダには獣変貌をして貰い、先を歩いてもらった。
古い建物なのか歩く度に床板がギシギシとなって気味が悪い。ドワーフの姉妹の話しでは『いっぱいあつめる』と言っていたらしいから、複数人の少女が監禁されてる筈だ、だとしたら…、まとめて大きい部屋に入れるか? それとも、二、三人に分けて個室に入れるかだろうか…。
「……ティード、食堂のようだぞ」
前を行くティーダが行き先を指差して唸った。そちらに視線をやると扉が開けっ放しで、その向こうに大きなテーブルか見えた。使ったままの食器が置いてある。
「見てみよう…」
慎重に食堂に入るが、特に変わった所は無い。
次に居間に入る。アパートメントだから、現役の時にはここで住人が憩い、寛いだんだろうが、今は調度品も引き上げられてガランとした広間のようになってる。
居間を調べても監禁されている少女たちの気配はない、が、なんとなく嫌な気配を感じて、背後を振り返ると、白い布が浮かんでいて、俺の上半身を包み込んだ。
…ファントム!? 油断したッ…!!
「ティード!?」
白い布に包まれて、空中に浮かぶ俺を見上げて、ティーダはバスタードソードを抜いて、切り掛かってくるが、白い布はふわりと躱し、俺を空中に放り出して、部屋の反対側へ漂って行く。
「うわぁっ!!」
唐突に視界が開けて、自分の体が落下を始めた、と悟った時には、俺は床に叩き付けられていた。背中を強かに打って、全身に痛みが走る。
ドスン、と重い音を立てて床に落ちた俺の傍にティーダが駆け寄って来て、【キュア・ウーンズ】を唱えようとするから、慌てて制止する。
「よせ! …俺は平気だ、ファントムを!」
「しかし!」
「お前のマナは潤沢じゃない、回復に神聖魔法を使うな! 相手はファントムだ、お前が要だぞ!」
「…分かった。不本意だが、あいつに【キュア・ウーンズ】をお見舞いするか!」
「ああ、頼む!」
俺を庇うように立ち、部屋の反対側を漂うファントムに向けて、ティーダは手を翳し、祈りを捧げ始める。するとファントムを聖なる光が包み込み、白い布が悲鳴を上げた。
それを見ながら、俺は痛みで軋む体を起こして立ち上がる。ティーダの背中を見ながら、俺は魔法が使えない事を、この時、初めて悔やんだ。
ファントムは武器攻撃が効かないアンデッドだ、俺じゃ戦力にならない…。
『本当に? 戦力にならないのか?』
俺の耳元であいつの声が響いた。
背筋に冷たい物を感じて、俺は身動きが出来ず、視線を横にずらせば、異貌した姿の俺が笑っている。
「…お前、顕現したのか……」
俺の呟きにヤツがニタリ、と笑い、耳元で囁く。
『俺の力が必要だろ? 解放してくれよ…、気持ち良いぞ?』
「…断るッ!」
異貌した俺を振り払うように腕を振り上げると、ヤツはひらりとそれを躱して、俺の視界から消えた。安心したのも束の間、部屋の反対側を漂っていたファントムが突如、俺に目掛けて飛んできて、ヤツの拳が俺の腹にめり込む。
「ぐッ……!!」
「! ティードッ!」
「構うな!」
ティーダの声に答えて虚勢を張るが、結構なダメージを食らった。ファントムに反撃の拳を振り上げるが、それは空しいほど手応えもなくヤツの体をすり抜けてしまう。
…クソッ! …力が…あれば。
『なぁ? 俺が必要だろ? 何時だって俺はお前の味方だぞ、ティード』
背後から俺を包むヤツの気配が俺の決心を揺さぶる。
呑まれるかも知れない誘惑に、耳を傾けない、俺は、屈しない! そう思いながら頭を振った時。
―キミは強いんだから、備わった力は使うべきよ―
不意にレイチェンの言葉が甦る。
備わった力、生まれ持った
〝魔女〟が言った『キミは魔神に呑まれる事はないと思うわ、…キミの意志は頑なだから』その言葉、信じてみるか?
俺は、
自分自身に
「…おい、お前、名前は?」
『や〜っとその気になった〜? 名前はない、好きに呼べ』
優越に笑む眼が俺を見下している、その眼を俺は睨む、決して屈した訳ではない、『使役』する為に、俺はヤツに『名』を与えた。
「…なら、『アルフティード』、俺に…力を寄越せ!!」
『フフッ、……よろしくな、相棒』
満足そうな笑みを浮かべたヤツの姿が消えて、俺の体を言いようのない感覚が包みこむ。
髪、指先の爪、体の細部にまで力が
気が付けば、俺の体はあれほど嫌っていた『異貌』した状態で、脳裏に浮かぶ言葉を朗々と唱え上げていた。
『……俺の呪いに呑まれて消えろ!【アヴェンジャー】』
ファントムが断末魔を上げて霧散した。
後には古びた外套が残され、それをティーダが拾い上げた。振り返って俺を見る目がいつもよりも俺を気遣っていて、俺はそれをぼんやりと見上げる。
「…大丈夫か?」
「……あぁ、…たぶん」
床に座り込む俺に、ティーダは呆れたように微妙な苦笑いを浮かべて、溜め息を吐きながら俺の頭をくしゃくしゃっとやる。
「まったく、無茶をするなって言ってるのに……」
「…あぁ、そうだな」
久々の『異貌』は色々な意味で、俺の体にも精神にも負荷をかけた。
加減もせずにひたすら召異魔法を唱え続け、一時的ではあるが、己の体にも呪いの影響がある事に気付いていなかった。また、あれだけ嫌っていた『異貌』状態でいる事も、俺の精神に何らかの影響を及ぼした。
重たい体を持ち上げて立ち上がると、ティーダが【ヒーリング・ポーション】を投げ寄越した。おそらく『今直ぐに飲め』ってことなんだろう、瓶を閉じているコルク栓を引き抜いて、中の液体を一気に飲み干す。
体中が熱くなって、活力が戻ってくる。
…カタッ。
ポーションを飲み切った時、背後で音がした。
身構えつつ振り向くと、金髪の人間の少女が立っていて、俺達を呆然と見詰めると「助けて…ください……」と言って、事切れた。
「! おい! 君、しっかり!!」
ティーダが慌てて駆け寄り抱き上げる、幸い、気絶しただけで息はしているようだった。
少女が立っていた扉の向こうは
彼女らがレッサーオーガに誘拐された少女達だろう。
ゾフィーに頼んでいた応援部隊がやって来て、彼女達を保護し、ゾフィーの娼館で応急手当を受けさせた後、ギルドを通してそれぞれが帰るべき場所に送り届けられた。
数日後、【時計塔屋敷】の俺達の元には、エミリアの両親からの謝礼金と言う名目の報酬が送られて来て、添えられたエミリアからの手紙には、感謝の言葉が
大道芸人の見習いの少年との『初恋』はまだ続いているようで、彼女らの恋路の先に『幸多からんことを…』と、ティーダが呟いていた。
【攻略日記:雑感 五日目 4】
saAyu:ついにティード君が『異貌』しましたな〜。(ニコニコ)
ティード:(著者を嫌そうに見てる)気持ち悪る…。
saAyu:ちょっと、失礼じゃありません?
ティード:あぁ、癇に障ったなら謝るよ。ドウモ、スミマセンデシタ。
ティーダ:また、そんな子供みたいな対応を…(苦笑)
ティード:………。(不貞腐れてる)
saAyu:まだ、受け入れてないんですか〜? デーモンルーラーの力。強力なのに……。
ティード:アンデッド戦以外には必要ないからな、今後はその方向でよろしく頼む。
saAyu:……まぁ、処理的には打撃も魔法も大して変わらないから、どっちでも良いんですけど…、判定って点で言えば打撃の方がちょっとだけ有利ではあるけど…。
ティーダ:じゃぁ、【ミッション23.行方不明者の捜索】の振り返りでもするか?
saAyu:そうですね〜。この【ミッション23.行方不明者の捜索】は共通ミッションで、いくつかのパラグラフで受けられるものです。
前に受注した【死体回収巡回】の時もなんですが、共通ミッションの決め方がいまひとつ理解出来てないんですが、まぁ、受けるミッションをダイスロールで二つ振って、そのどちらかを受けるか決めるそうです。今回も【新市街地】で受注しました。
ティード:…捜索対象もダイスロールなんだよな?
saAyu:そうです、今回は出目1だったので、『とある貴族の令嬢』となりました。
ティーダ:しかし…、小説の方は随分と膨らませたな。エミリアの情報は種族と性別と年齢くらいだぞ…。
saAyu:そこは、もう、妄想の力ですよ! 淡い『初恋』の思い出を絡ませてみました…、って、あんな初恋してないですけどね。
ティード:妄想力逞しいな…。
saAyu:褒め言葉として頂いておきますね〜。で、次に「行方不明者が行きそうな場所」ってのをd66で決めるんですけど、【23:自由市場】のパラグラフ説明を読んだ時に、どば〜っと設定やら文章やらが溢れて来て、このエピソードは書いてて楽しかったです。
ティード:そういや、【凱旋通り】のレッサーオーガの絡みは?
saAyu:ああ、あれもね、「行方不明者が向かった場所」をd66した時に【凱旋通り】になって、使えるなと!
ティーダ:すごい偶然だな…。
saAyu:ですね、ダイスの女神のご意向なんですよ、きっと。
ティード:アンデッドと戦う羽目になったのは探索判定に失敗したからなんだよな…。肝心な所で引きが悪いよな、アンタ…。
saAyu:ですかね〜(苦笑) 探索判定に失敗すると「クライマックスイベント決定表」を振るんですが、ここでもd66で決定して『13』だったので、不意打ちのアンデッド戦となりました…。
【ファントム】戦
〈剣のかけら〉×5で強化。HP+25、生命・精神抵抗力判定+1
※ファントムのデータはルルブⅠ458頁を参照。各判定は固定値を使用。
◆1ラウンド目
不意打ちなので、ファントムの先制攻撃、ティードはギリギリ回避に成功します。
武器攻撃が無効な敵なので、ティードの攻撃は【アヴェンジャー】の一択。ファントムの精神抵抗の固定値が16と高いながらも、抵抗の達成値が6ゾロ+魔力5の17とギリギリ上回り、全ダメージ11点を与えます。【アヴェンジャー】は術者のHPも5点削るので、ティードのHPは残り28。
ティーダの攻撃は【キュア・ウーンズ】で、達成値が12で抵抗されダメージ半減となり、12点のダメージが6点、回復効果ダメージの+3点を足して、9点ダメージをファントムに与えます。ファントムの残りHPは47。
◆2ラウンド目
ファントムの【拳】攻撃、ティードは回避出来ずに、9点から防護点4点引いた5点のダメージを受けます。
ティードの攻撃は続いても【アヴェンジャー】の一択。今回はファントムの精神抵抗の固定値を上回れず、抵抗されダメージ半減。
9点の半分5点(小数点切り上げ)ダメージを与えます。ティードのHPは残り18。
ティーダの攻撃はここで【フォース】の出目。達成値は13で抵抗されダメージ半減となりますが、クリティカル発生で15点のダメージ、半減して8点(小数点切り上げ)ダメージをファントムに与え、ファントムの残りHPは34点です。
(※ずいぶんと後になってから、魔法攻撃は抵抗されるとクリティカルしない、事を知りますがこの時は知らなかったので当時のメモのまま記載します。)
◆3ラウンド目
ファントムの攻撃、ここで【怨念の叫び】をティードに放ち、ティードは抵抗に成功したので、ダメージが半減。9点ダメージの半分、5点のダメージを受けます。
ティードの攻撃は引き続き【アヴェンジャー】。抵抗されダメージ半減。12点の半分6点のダメージを与えます。ティードのHPは残り13。
ティーダの攻撃はここでも【フォース】の出目。当然、抵抗されダメージ半減となり、10点のダメージ、半減して5点ダメージをファントムに与え、ファントムの残りHPは23点です。
ティード:なんでここで特殊攻撃?
saAyu:え〜、拳で殴ると、君、高確率で回避しちゃうから〜。ちょっとはヒリヒリした展開も欲しいじゃないです?
ティード:…そんな展開、要らない。
saAyu:【怨念〜】は連続した手番で出せないから、次は【拳】攻撃ですから、ティード君なら避けられますよ〜。
ティード:……。
ティーダ:…ティードのHPの残りも少ないしな…、オレの出目次第か…(不安しかない)
◆4ラウンド目
ファントムの【拳】攻撃を余裕の回避力(この時は17)でティードは回避します。
ティードの攻撃は【アヴェンジャー】。毎度、抵抗されダメージ半減。ですが、今回はクリティカルが2回発生し、25点の大量ダメージをたたき出し、半分13点(小数点切り上げ)ダメージを与えます。ティードのHPは残り8。
ティーダの攻撃はここで【キュア・ウーンズ】を選べる出目、当然、ティードを回復し、ティードのHPが20点まで回復します。
ファントムの残りHPは10点です。
saAyu:ねぇ〜? 拳で殴ると回避しちゃったでしょ?
ティード:まぁ、回避力が基本8(防具修正あり)あるからな、よほど出目が悪くない限りは避けられる。
ティーダ:オレの出目もタイミング良く【キュア・ウーンズ】で回復出来たしな。
◆5ラウンド目
ファントムの【怨念の叫び】攻撃をきっちり抵抗して、ダメージ半減として、ティードは5点のダメージで抑えます。
ティードの攻撃はやっぱり【アヴェンジャー】。今回も、抵抗されダメージ半減。11点ダメージを半減し、6点(小数点切り上げ)ダメージを与えます。ティードのHPは残り10。
ティーダの攻撃はここで【キュア・ウーンズ】を選べる出目、ファントムへの攻撃を優先し、10点ダメージの半分、5点に回復効果ダメージの+3点を足し8点のダメージでファントムを倒しました。
ティード:戦闘終了時点でHPの残りがこんなに少ないって、…結構ヤバかった…。
saAyu:ですね〜。【アヴェンジャー】は術者のHPも削りますから、ある意味、諸刃の剣ですが…。まぁ、ポーション類も潤沢にあったので、途中で自力で回復も出来ましたけどね。
ティーダ:ミッションをクリアしたってことは、このタイミングで成長するのか?
saAyu:あ〜、そうですね。ただ、経験点がそんなになかったので、ティード君のスカウトを3から4に上げて、成長しただけなので、後の成長とまとめて報告しますかね。
ティード:ティーダは技能は上げなかったのか?
ティーダ:経験点が足りなくてファイターとプリーストを同時に上げられなかったんだ、だから、成長しただけ。
saAyu:まぁ、どちらかあげても良かったんですが、そうなるとティード君より冒険者レベルが上がってしまうので、止めときました。
ティード:あぁ、なるほど。
saAyu:実際のプレイでは、この後からソロプレイ攻略六日目(ゲーム内では十日目夜〜十一日目)になるんですが、【宿屋 ドワーフの火祭り亭】のイベントと、ミルタバル神殿の盗賊ギルドで共通ミッション【ミッション21.北部への遠征】を受注したんですが、小説パートに書くほどの事もないので、ここは割愛です。
ティード:あぁ〜、シモンの宿屋か。宿屋の主人が蛮族と繋がってて、宿泊客が襲われてたって話しだな。
ティーダ:説明が雑だぞ! ご主人はシモンの命と引き換えに、やむを得ず、宿泊客を蛮族の生け贄にしてたんだ。俺達が蛮族を退治して、シモンの安全が保障されたから衛兵に通報して欲しいって、ちゃんと言ってたぞ!
ティード:……見逃した本人が言うな。
ティーダ:…いや、だって! …ご主人も反省してたし、情状酌量ってやつだろ…。
saAyu:まぁまぁ、良いんじゃないんですかね、彼らがこれからも慎ましく暮らして行けるんですから、ここでは★2個と〈剣のかけら〉を四つ入手しましたね!
ティード:次の共通ミッション【ミッション21.北部への遠征】も目的地のブロックをダイスで決めて、「ケーF」が空白だったからd66で【42.奴隷商】を配置したんだったな。
saAyu:そです、その後は「クライマックスイベント決定表」で出目が22、「21〜26:罠がある」に決まりまして、罠回避判定の目標値が+2になるんですけど、「罠決定表」での罠が「仕掛け矢」が飛んでくるもので、回避出来ず、ティード君が9点のダメージを負って、終わりましたね。
ティード:パラグラフのイベントは?
saAyu:あ〜、話すか、買うか、請け負うか、だったので、適当に商品見て帰った事にしました。
ティード:……面倒くさくなったんだな。
saAyu:まぁ…、そうとも言えます(苦笑)
ティーダ:…面倒だから、小説パートも割愛したんだな。
saAyu:いやぁ〜、書きたいと思わなかったんですよね…。あと、無駄に長くする必要はないかと思いまして。どんな事をしたか、は、ここ【雑感】で語れば良いかと。
(気が向いたら、後日談とか回想とかの形で別に書くかもしれません…。※一年の休止後、次話として書いた)
ティード:確かに…。
saAyu:ここでのミッションで★三個、盗賊ギルドのクエスト達成で★四個を入手したので、成長しました。では、先ほどの成長と合わせて報告して下さい!
ティード:あぁ、まず1回目の成長は、スカウトを3から4に上げて、成長は【生命力】で20から21になった、二回目はグラップラーを4から5へ上げて、成長は【敏捷度】で18から19になった。で、5レベルになったから戦闘特技で【頑強】をとって、HPが大幅アップしたな。
saAyu:はい。では、次、ティーダさん!
ティーダ:じゃぁ、まずは一回目の方だな、この時は【器用度】が19から20に上がったぞ! で、二回目だがファイターとプリーストを同時に4から5へ上げて、成長は【生命力】が19から20になった。戦闘特技は【マルチアクション】を取ったから、武器攻撃と魔法の行使が同時に出来るようになったぞ!
saAyu:フェロー行動表も大きく変わりましたね〜。
ティーダ:そうだな! 神聖魔法の種類も増えたしな。
ティード:じゃぁ、今日はここまでだな?
saAyu:そうですね、次回からはソロ攻略も六日目です! では、お疲れ様でした〜。
ティード:おつかれ〜。
ティーダ:お疲れさ〜ん。
◆ 成長報告 ◆
【プレイヤーキャラクター】
ティード・ジルダール/ナイトメア/19歳/男/冒険者レベル:5
グラップラー:5/デーモンルーラー:2(魔神語:会話 魔法文明語:読文)
スカウト:4/セージ:2(リカント語:会話/魔動機文明語:読文)
HP:51/MP:25 生命抵抗力:8/精神抵抗力:8
能力値:【器用度:18(3)】
【敏捷度:19(3)】
【筋 力:19(3)】
【生命力:21(3)】
【知 力:18(3)】
【精神力:19(3)】
※( )内はボーナス数値
防護点:4/先制力:7/魔物知識:5/命中力:9/回避力:9/魔力:5
追加ダメージ:8
判定パッケージ:【技巧:7】【運動:7】【観察:7】【知識:5】
装備:〈アイアンボックス〉【威力⑩/C値⑪】(命中修正+1 計算済み)
鎧:〈アラミドコート〉(回避力+1/防護点+2 計算済み)
装飾品:首 :〈始祖神の首飾り〉(石化無効)
右手:〈怪力の腕輪〉(筋力+2 計算済み)
左手:〈アンチドーテリング〉(毒属性への耐性)
腰 :〈ブラックベルト〉(防護点+1 計算済み)
足 :〈召異の
戦闘特技1:防具習熟A/非金属(防護点+1 計算済み)
戦闘特技3:鎧貫きⅠ(攻撃対象の防護点を半減、C値は+1)
戦闘特技5:頑強(HP+15)
追加攻撃(自動習得)
所持金:3,370G
持ち物:冒険者セット/スカウトツール/黒い剣(ロングソード)
能力増強の指輪(器用度/敏捷度/筋力*)*印は装備中
ヒーリングポーションなどのポーション類、数個
【フェロー】
ティーダ・シルヴァウォルフ/リカント(狼)/23歳/男/冒険者レベル:5
ファイター:5/プリースト:5/レンジャー:2
MP:27/魔力:8/命中力:8
追加ダメージ:10 ※獣変貌時の筋力B+2込み
戦闘特技1:魔力撃
戦闘特技3:必殺攻撃Ⅰ
戦闘特技5:マルチアクション
【フェロー行動表】
1d:1-2
想定出目7【近接攻撃(バスタードソード)】
「いっちょ、やりますか〜!」
達成値15/【威力17/C値⑩+10】
※追加Dは獣変貌時の物です。
想定出目6【キュア・ハート】射程2(30m)MP5
「直ぐに治してやるからな」
達成値14/【威力30+8】
1d:3-4
想定出目8 マルチアクションを宣言し
【近接攻撃(バスタードソード)】と
【キュア・ウーンズ】射程1(10m)MP3
「意外と器用なんだぞ!」
達成値16【近接攻撃:威力17/C値⑩+10】
達成値16【キュア・ウーンズ:威力10/C値⑩+8】
※次の手番は休み
想定出目5【魔力撃】
「当ると痛いぞ〜!」
達成値13/【威力17/C値⑩+18(追加D+魔力)】
※次の手番は休み
1d:5
想定出目9【魔力撃】
「…これがオレの本気だ!」
達成値17/【威力17/C値⑩+18(追加D+魔力)】
※次の手番は休み
想定出目4マルチアクションを宣言し
【近接攻撃(バスタードソード)】と
【キュア・ウーンズ】射程1(10m)MP3
「攻撃と回復、どちらからしようか?」
達成値12【近接攻撃:威力17/C値⑩+10】
達成値12【キュア・ウーンズ:威力10/C値⑩+8】
※次の手番は休み
1d:6
想定出目10【レイ】射程2(30m)/貫通 MP5
「…ティダンの光を受けてみろ!」
達成値18/【威力10/C値⑩+8】
※アンデッドには+3のダメージ
想定出目3【キュア・ウーンズ】射程1(10m)MP3
「大丈夫か!?」
達成値11/【威力10+8】
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