5 凱旋門の〝太陽と月〟



 翌日、朝早くからピーターに叩き起こされ、俺とティーダは寝不足のまま【酒場〈死にたがりの亡者亭〉】へミニーとピーターを連れて行った。


 前日、ピーターの母親、ミニーの娼婦組合脱退の件で【凱旋通り】を訪れ、娼婦たちの元締め、ゾフィーの条件をクリアしてミニーと共に【時計塔屋敷】に帰ったのは午前零時過ぎだったから、もう少し寝ていたかったんだが…。

 今日、俺達がミニーを【酒場〈死にたがりの亡者亭〉】へ連れて行く事になっている、とティエラさんから聞いたピーターが、部屋に乗り込んで来て、早く連れて行け、と騒ぎ出したんだ。


 どうして、子供ってヤツはんだ……。


 朝飯もそこそこに、向かった【酒場〈死にたがりの亡者亭〉】は開店前だった。一応、店の裏側が酒場の主人、トトニーの住まいになってる事を聞いていたから、そちらに回ってミニーと顔合わせをさせると、俺達が女給候補を伴っていたから、それまで覇気のない情けない顔をしていたトトニーの表情に精気が戻り、溌剌はつらつとした明るい表情になった。


 どうやら、俺達の事をあてにしていなかったらしい…。


 ミニーの人柄やピーターの活発さを気に入って彼女は即日採用、と言う事になった。

 早速、今日から『見習い』として、アンジェラの下で働く事になって、今日の所はミニーが働いてる間はピーターも店に居ても良い事になった。

 明日からピーターは【時計塔屋敷】で留守番だ。

 トトニー曰く、「ここは暴力沙汰も多いし、小さい子供の居て良い環境じゃない」だそうだ。

 

 まぁ、母親がどういう所で働いているかが分かれば、ピーターも安心だろう。

 場合によっては、ミニーを守るため、と言って同伴もしかねないが、…まぁ、そこは俺達の与り知らぬ問題だ。


 ピーター親子を【酒場〈死にたがりの亡者亭〉】に残し、俺達は【時計塔屋敷】に戻って、惰眠を貪ろうとしたんだが、案の定、ティーダが道を間違えて、旧市街地を二時間も彷徨う羽目はめになった。


「……何時いつになったら帰れるんだ?」

 うんざりだ…、とティーダを見れば、焦ったように地図をばさばさと広げて言い淀んだ。

「え…、うん、いや…え〜っと…」

「…地図、貸せよ」

 行くべき方向をすっかり見失って、困り果てた兄貴の手から強引に地図を奪い取って見てみる。どうやら、曲がるべき角を行き過ぎてしまったらしい。

 呆れた…、とティーダの顔をジトッ、と見詰めると、ヤツは申し訳なさそうに目を伏せて耳を下げた。

「……すまん」

「いや、…お前に道案内を任せた俺が悪かったんだ」

 通るべき道順を地図上で確認していると、どこからともなく、良い匂いが漂ってくる。そう言えば、【酒場〈死にたがりの亡者亭〉】を出て二時間あまり歩きっぱなしで、腹が空いてる事に気付いた。

 それはティーダも同じだったようだ、鼻をスンスンと鳴らしながら匂いの元を辿るように歩き始めた。俺は黙ってその後をついて行く。

 こういう時のティーダの『野生の勘』はあてになる。

 少し歩くと粗末な家々が立ち並ぶ地域に入った。石を積み上げ、土を盛って踏み固めただけの階段を上がった所に、石造りの小さな塔が建っている。

 入り口には交易共通語で「仕事仲介業の聖銀同盟」と書かれた看板らしきものが立てかけてあった。


 元々は打ちつけてあったらしいが、…落ちたんだろうな。


 中に入ると円形のホール状になっていて、室内を囲うように階段が壁沿いに這わせてあり、階段の一番下には案内板がある。

 二階には酒場、三階から上は宿屋になっているらしい。

 冒険者ギルドのていだが、少し雰囲気が違う。

 入り口から正面に見えるカウンターには、強面の体の大きな人間の男が、退屈そうに座っていた。

 目つきが悪く、髭面、禿げ上がった頭。見るからに真っ当な人物には見えない。入って来た俺達に気付いたそいつは「よぉ、いらっしゃい」と素っ気なく声を掛けて来た。

「…見ない顔だな、この辺りは初めてか?」

 男の問いかけに、例によってティーダがにこやかに応える。

「ああ、ちょっと道に迷ってしまって…。良い匂いがしたから、それを辿って来たらここへ着いたんだ」

「なんだ、…見た所、冒険者のようだが、道に迷う間抜けもいるんだなぁ!」

 と、豪快に笑って見せた。男の反応にティーダは少し気分を害したように苦笑を浮かべて、二階の酒場で食事が出来るか確認すると、カウンターの男は「ああ、好きにしな。…あぁ、飯を食ったら、そこの依頼ボードを見てみな。気になる仕事があったなら、仲介してやるよ」と、言ったので、それに「ああ、そうする」と答えて、俺達は二階へ上がった。


 二階の酒場は大衆食堂といった雰囲気で、昼前から呑んだくれる酔客の姿はあまり見られない。俺達のような冒険者風のヤツらや、周辺の住民やらで、そこそこ混んでいた。

 二人掛けのテーブル席を見つけて、そこへ座り、ウェイターにこの店のお薦めとエールを注文して、出てくるまでは歩き通して疲れた体を休めた。


 昼飯を食って、充分に休憩を取った後、俺達は一階の依頼ボードの前で張り出された依頼を見ていた。

 カウンターの男はイオニス・ラーデンと名乗り、この【聖銀同盟】の盟主だそうだ。元冒険者で、三十を超えた辺りで引退して、この仕事仲介業を始めたらしい。

 冒険者ギルドと違うのは、仕事の依頼主が匿名だと言う事だろう。

 ラーデン曰く「うちの特徴は、仕事を頼みたい依頼主と働きたい労働者をお互いに素性を隠したまま、仕事の内容の善悪を問わず、仲介出来る所だ」との事だった。

 気に入らないなら、仕事内容を聞いていても受けなくて良いらしい。


「…なぁ、これ、面白そうじゃないか?」

 嬉々としてティーダが指差した依頼書には『凱旋門の亡者掃討』と書いてある。珍しくも今日は『ティダンの信徒』としての勤めを果たすつもりらしい。


 アンデッドは打撃攻撃が効かないヤツもいるから、あまり、気乗りはしないんだが…。


「……【凱旋通り】の凱旋門のアンデッド退治か」

「そう、昨日、行ったばかりだし、ミニーさんが門の上に神殿があるって、言ってただろ?」

 機嫌良さそうに笑うティーダを横目に、俺は素っ気なく答える。このやり取り、数日前にもした気がする。

「…あぁ、そうだな」

「ティダンとシーンの合祀神殿! オレ、見た事ないんだよ〜」

 太陽神と月神は夫婦だったらしいから、合祀神殿も珍しくないみたいだが、俺達の住む街、ヴェルズリュート周辺ではティダンとシーンが合祀されてる神殿はない。

 全身から『見てみたい!!』を溢れさせてティーダは依頼書を剥ぎ取り、ラーデンの元へ持って行く。

 今回に関しては、俺の意見は聞かないらしい…。まぁ、ティーダが行きたいってなら、俺はどこでも良いんだが。


 しかし、このノリは、始祖神ライフォスの大神殿探索以来だな…。



 一時間後、目の前には巨大な凱旋門が聳え立ち、俺達はそれを見上げていた。

「さてさて、どこから入れば良いんだろうか……」

 ティーダが門柱の壁を調べ始め、金属製の扉がある事に気付いた。

 扉の大きさは大人が身を屈ませれば通れるくらいの大きさで、この凱旋門の中の合祀神殿は拝礼や巡礼する為のものではないようだ。

 どちらかと言えば、この街を守る為の守護神殿として建立されたものなんだろう。

 見つけた扉のドアノブに不用意に手をかけようとしたティーダを慌てて制止する。

「迂闊に手を出すなって! 罠があるかも知れないだろ!!」

「あ…、そうか。…すまない」

 俺の制止に驚いたティーダは手を引いて、振り返って苦笑いを浮かべる。そんな兄貴を呆れた顔で見返し、扉の前から退くように促す。

「…ったく、調べるから少し時間をくれ」

 ティーダを後ろにやって、扉の周りを調べるが、この扉自体に『罠』の類はないようだ。鍵が掛かっているから、スカウトツールの中からピッキング用の器具を出して、解錠を試みる。そんなに難しい鍵ではなかったから直ぐに開く事が出来た。

 錆で滑りの悪い扉を開くと金属の甲高い摩擦音が響いて鼓膜を突く。

 門柱の中は最上階までの吹き抜けで階段ホールのような造りだった。壁沿いに階段が這うように天井まで続き、見上げるが終点は見えない。壁には所々に明かり取りの窓はあるんだが、全体的に薄暗いから灯りが必要だ。

 階段以外には何もないし、充分な広さがあるから松明を炊いても問題なさそうだ。

 念のため、ティーダは獣変貌をしてる。


 階段の一段目に足をかけた時、どこかで『カチッ』と音がして、電撃の矢が俺の頬を掠める。

「チッ……、やっぱり、罠があったか」

 頬から滴る血を無造作に手の甲で拭うと、どこから飛んできたのか目を凝らす。俺の頬から血が流れてるのを見咎めたティーダが、慌ててポーチの中から【ヒーリング・ポーション】を出した。

「ティード!? 大丈夫か?」

「ああ、大した事ない」

 実際、大した傷じゃない。出血も止まった、が、ポーションは受け取っておいた。この先、どんなアンデッドが出るか分からない、そいつが打撃の効かないアンデッドだった場合、戦力となるのはティーダの神聖魔法だけだから、なるだけヤツのMPマナは温存したい。


 この先の事を考えた時、魔法を使えた方が良かったんだろうな…と、少し後悔した。


 広い階段ホールを見回す、【スパーク】もどきが飛んで来たと言う事は、この階段ホールのどこかに仕掛けがある筈だ。後ろにいるティーダに問いかける。

「ティーダ、このホールのどこかに罠の仕掛けがあると思うんだが、なにか見当たらないか?」

 今のティーダなら、暗視が使える。

 松明頼りの俺よりはこの中がよく見える筈だ。俺の問いかけにティーダは階段ホールをぐるり、と見渡し、何かを見つけたらしい。

 兄貴の尻尾が上機嫌に揺れた。

「ん〜? …そうだなぁ、そこの踊り場から壁伝いに狭い通路キャットウォークがあるんだが、その先になにかあるっぽいな!」

「…わかった。…念のため、ここに来て、俺の代わりにこの段を踏んでてくれるか?」

 ヤツを顧みると要領を得ないと言いたげに首を捻って、俺と同じように階段に足をかけた。

「ん? …スイッチみたいなものなのか?」

「いや、分からん。ただ、この段がスイッチで踏む度に稼働するなら、入れっぱなしにしてれば、次の電撃は飛んで来ない、…と、思う」

 ティーダの疑問に推測で応えて、苦笑いを浮かべる俺に情けなく顔を顰めて返して来た。

「おい〜、大丈夫なのか…?」

「…次が飛んできたら、その時は謝るよ」

 そう言って、俺の代わりに階段の一段目に足をかけたティーダを置いて階段を上がる。念のため、奇数段は踏まないようにして踊り場まで来ると、梯子があって、ティーダの言うように、その上には壁伝いに大人が一人通れるくらいの狭い通路キャットウォークがあった。

 そこを慎重に進み、突き当たりの操作盤のような箱を開くと、起動盤があって、階段の奇数段に一定の加重がかかると起動して、電撃をホールの四隅から放つ仕掛けらしい。因みにスイッチ機能は偶数段に切り替える事も出来るみたいだ。

 この手の仕掛けは解除自体は簡単で、回路を切れば良い。

 スカウトツールからナイフを出して、片っ端からリード線を切って行く。


 階段ホールの罠を解除して、俺達は五階分の階段を上り、最上階へ上がる。そこは広間になっていて、太陽神ティダンと月神シーンの像が向き合うように安置されてあった。

 松明の明かりに照らされて浮かび上がる古代神と大神の像は、どこか荘厳で大いなる存在なんだと思えた。

 神像の傍に篝火かがりび用の台がいくつかあって、薪が少し残っていた。よく見るとまだ燃えそうだったから、松明の火をそこに移しに回り、最後の台に持って来た松明を差して、一息ついた。

 ティダンとシーンの像の辺りはそれなりの明るさになって、少し安心する。


 アンデッドに占領されてると聞いて来たが、ヤツらの気配はない…。


「…おかしいな、アンデッドどもはどこに行ったんだ?」

「居ないならいないで、オレは良いけどな〜」

 神殿内を見渡して、ティーダは夢心地なのか気もそぞろに答えながら奥の方へ歩いて行く。その背中に「あまり離れるなよ!」と声を掛けると、「分かってるよ〜」とティーダが答えて、やがて、ヤツの声の残響が消え、神殿内は静寂に包まれた。

 神像の足下に独り残された俺は、その場に留まって、ティーダが戻るのを待った。


 静まり返る神殿内で、松明の炎が揺れる。

 その中に、異貌した俺を見た気がして、慌てて頭を振る。


 ……よぉ、ティード。もうすぐだ…。


 見詰める先の闇に紛れてアイツが笑った。


 …迎えに行くから、待っていてくれよ?


 耳元で囁かれたような気がして、慌てて横を向くがそこには誰もいない。

 目を凝らして見詰めていると、暗闇からティーダが現れた。ヤツは獣変貌したままだったから、その姿に驚いて、俺は思わず後退りする。

「! ……な…んだ、おまえか。…驚かすなよ」

「? …どうかしたのか?」

「あ、…いや、何でもない」

「……そっか? なら良いんだが…。そうだ! 向こうの方に別の像があったぞ」

「…別の像?」

 ティーダに答えた、その時。

 目の前の暗がりで何かが蠢いた。その気配にティーダも気付いたようで、素早くバスタードソードを引き抜き構える。篝火の届かない暗闇から、ドライコープスが四体現れた。

 やはり、ここはアンデッドの巣窟になっているようだ。



 最後のドライコープスをティーダが一刀両断して、俺達の戦闘は終わった。足下に転がるアンデッドの干涸びた遺骸を見下ろして額から流れる汗を手の甲で拭う。

 流石に、ドライコープス四体の相手は大変だった。

「…ティード、水」

 ティーダが背負い袋バックパックから水筒を出して、俺に投げ寄越すと「大丈夫か?」と聞いてくるから、それに「…え、…あぁ」と答える。

 水を一口飲んで、息を吐くと、俺の様子を窺っていたティーダが、奥の方を指しながら声を掛けて来た。

「奥にある像を見てくれないか?」

「ああ、わかった……」

それに、水をもう一口飲んでそれに答えた。


 手近の篝火台に差してあった松明を引き抜くと、先導するティーダの後をついて行く。夫婦神の像から少し離れた広間の奥に、少年と少女の石像があった。


 姿形から、エルフの双子のようだ。着ている服装も高貴な雰囲気を漂わすもので、王族かそこに連なる者の姿を象っている事がわかった。

 二人とも、どことなくラピュサリスに面差しが似ているような気がする。

「ここに、文字が書いてあるんだが、読めなくてな〜、たぶん、魔動機文明語だと思うんだ。お前なら読めるだろ?」

 双子の像が立つ台座の碑文の部分を指差してティーダが言った。

「…あぁ、えーっと。〝太陽の姫〟サイサリアと〝月の公子〟アイアロス。古きモルガナンシン王家の血を継ぐ〝太陽と月の双子〟は高貴なる上代の姉弟なり…、だってさ」

「…へぇ、……ん? 太陽と月の双子って…、どっかで聞いたな?」

「ライフォス神殿跡の英雄ガートランドの墓碑に書いてあったんだよ。それとこの紋章…」

 台座に刻まれた水平線の上に太陽、その下に月を象った紋章を指差して、俺はどこかで見た気がして、記憶を辿った。

 それはティーダも同じだったらしく、ヤツの耳が「よし! 分かった!」とピンっ、と立って、忙しなく動いた。

「【茨の館】の玄関ホールに飾られてる、タペストリーと同じだ!」

「…ああ、ロサの先祖ってことじゃないか?」

 見上げた双子の像は仲睦ましい様子を切り取ったような構図で、暫くそれを眺めてると、不意にラトリッジ氏から聞いた昔話を思い出した。


 サイサリアとアイアロスは魔法王国の王女と王子であり、サイサリアが病死したあと、アイアロスが王位に就いた、ロサはその王子の流れを汲むのだと言っていた。


 双子の像の傍を離れ、広間をくまなく探索したが、俺達を襲ったドライコープス以外のアンデッドの姿はなかったから、【聖銀同盟】へ戻り、ラーデンに報告して、報酬を受け取った後、俺達は真っ直ぐ【時計塔屋敷】へ戻った。







【攻略日記:雑感 四日目 5】


ティード:…今回は戦闘描写をすっ飛ばしたな。

saAyu:ですね〜、どうせ振り返りするし、長くなるなぁ…と、思いまして。

ティーダ:……なぁ、オレは地図が読めない『間抜け』確定なのか?

saAyu:えっ、いや…、そんな事はないですよ。ティーダさんより、ティード君の方が地図を読む能力が上回ってるってだけです! 船乗りの家にちゃんと行けたでしょう?

ティーダ:…うん、そうだな! 

saAyu:(立ち直りが早い…、さすが、ポジティブの権化!)ではでは、戦闘の振り返りしますかね〜。今回の戦闘はアンデッドが相手だったので、「遭遇表」を振る時は緊張しました〜っ。打撃の効かない系の相手になったらどうしよ〜って(苦笑)

ティード:俺が役に立たない上に、ティーダのMPも潤沢とは言えないしなぁ…。

ティーダ:プリースト技能はサブだからな! オレの本職はこっちだから!(腰のバスタードソードを指差す)


【ドライコープス×4】戦 

 ※ドライコープスのデータはルルブⅠの458頁を参照。各判定は固定値を使用。

 ※ティードの初手は【鎧貫きⅠ】を宣言するものとして扱います。


◆1ラウンド目

 ドライコープスAに対し、ティードの攻撃は二回とも命中し、それぞれ8点とクリティカル含む15点の合計23点で、ドライコープスの防護点(1+2=3)引いて20点の大量ダメージ。ドライコープスAの残りHPは5点。

続く、ティーダの攻撃は【魔力撃】で、18点のダメージ、ドライコープスBの防護点2点を引いて16点ダメージ。ドライコープスBの残りHPは9点。


 ティードに対するドライコープスABDの攻撃は回避しましたが、Cの攻撃は回避出来ず、5点のダメージを受けるものの、二回目の攻撃は避けて、ティードの残りHPは24点で2ラウンドへ。


◆2ラウンド目

 ドライコープスAに対し、ティードの攻撃は二回とも命中し、ドライコープスAが倒れます。ティーダはこのラウンドはお休み。

 ドライコープスBCDの攻撃ですが、ティードは全て回避に成功します。

 この時点でドライコープスBの残りHPは9点のまま、CとDに至っては無傷のまま、3ラウンドへ。


◆3ラウンド目

 ドライコープスBに対し、ティードの攻撃、一回目は7点のダメージでしたが、二回目はピンゾロで失敗し、ドライコープスBは残りHPは2点。

 ティーダの攻撃は【近接攻撃】で10点ダメージをドライコープスCに対して与えます。

 この時点でドライコープスBの残りHPは2点、Cは15点、Dは無傷のまま、ドライコープスの攻撃。


 ドライコープスBとCの攻撃は回避しますが、Dの攻撃を一回受けて4点のダメージ(二回目は避けます)

 ティードの残りHPは20点で4ラウンドへ。


saAyu:珍しくピンゾロを振って、一撃で落せるかと思ってたBさんが虫の息で残っちゃいましたね…。

ティード:…俺、悪くない。

ティーダ:オレも出目が微妙だったんだよな〜、このラウンド。


◆4ラウンド目

 ドライコープスBに対し、ティードの攻撃、一回目はまたしてもピンゾロで失敗し、二回目は当てて、ここでドライコープスBが倒れます。

 ティーダの攻撃はここでも【近接攻撃】で10点ダメージをドライコープスCに対して与えます。

 この時点でドライコープスCの残りHPは5点、Dは無傷のままドライコープスの攻撃ですが、ティードは両者に対して回避に成功します。


saAyu:またしてもッ…ピンゾロ…。二回目が当ったから良いものの、さすがに2回もピンゾロ振ると、精神的ダメージが…。

ティード:…まぁ、きっちり回避はしてるしな、俺としては経験点貰えるから、ちょっと嬉しい。

ティーダ:ははっ、オレも仕留めきれなかったな〜(苦笑)


◆5ラウンド目

 無傷のドライコープスDに対し、ピンゾロを2回出した鬱憤を晴らすかのように、一撃目で6ゾロのクリティカルを出し、15点のダメージ、続く二撃目も当てて、再度、クリティカルして、それが回って最終16点の合計31点の大量ダメージとなり、無傷だったDを沈めてしまい、続くティーダも【近接攻撃】で残ったCを倒し、戦闘終了となりました。


saAyu:最後のラウンド、まさか、一撃目からクリティカルするとは思わず、二撃目もクリティカルしてそれが回ってビックリしました〜。これがソロではなく、普通のセッションだったら盛り上がったんだろうなぁ〜。

ティード:…だなぁ、クリティカルが続くとテンション上がるしな。

ティーダ:無敵状態と錯覚して気持ち良い(笑)

saAyu:ですね〜(ニコニコ)

ティード:ただ、複数の敵は、どれかを一撃で落せないとHPの削り合いになってキツいなぁ〜。まぁ、俺はほぼ回避してたから、ドライコープスをただ殴ってるだけだけど(苦笑)

saAyu:ですね〜。今回の戦闘は敵が4体で、回避判定のダイスロールをひたすら振り続ける修行のようでした(汗)

ティーダ:最初の罠に関しては? なにか未消化な部分があるんだろ?

saAyu:そうです、罠決定表で【魔法攻撃】を引き当てたんですけど、これ、罠に関しては、先頭の人は『必中』書いてるんですけど…。【魔法攻撃】って、精神抵抗判定に成功したら『半減』じゃないですか?

ティード:……だな。『魔力』の記載(※著者注釈「魔力=冒険者レベル+3」による魔法攻撃。と記載されてる)もあるし…、俺の冒険者レベル3+3と2d6の出目が精神抵抗の達成値だろ?(この時は『13』)

saAyu:だと思ったので、普通に抵抗判定して、成功したんで、ダメージは『半減』で処理したんですけど、これが良かったのか、どうなのか…。

ティード:…まぁ、概ねそれで良いんじゃないか?

saAyu:ん…、ですかね〜。

ティーダ:そういえば〝太陽と月の双子〟ってロサのご先祖だったんだな〜。

saAyu:そうですね〜、モルガナンシン王家に関する伝承はまだ色々とありそうなので、追って行きたい所ですね〜。

ティード:そういや、今回も途中でちょっと不穏な描写入れて来たな…。

saAyu:ですね〜(ニコッ)

ティード:また、黙りなのか…。

saAyu:まぁ、まぁ、そのうち分かりますから。さてさて、この後は【時計塔屋敷】でゆっくりしつつ、住人の方々と親交を深めましょうね〜。

ティード:……細々こまごまクエストを受けるって事だな?

saAyu:そう言う事で〜す。

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