四季

四月下旬、桜を散らす雨の降る0:00。夜はまだ肌寒く、外灯は電気が切れはじめ点滅している。風は少し冷たさを帯びてだんだん大粒になる雨は横に流れていた。

インストゥルメンタルがイヤホンから頭に流れ込む。私は今、音に殺されている。

私の作った音楽は、私の知らない誰かを支えているのだろうか。救えているのだろうか。殺せてやれているのだろうか。

イヤホンを外し外の雨の打つ音に耳を傾ける。規則的とも不規則的ともいえない音が暗い部屋にいる私を包んでいく。窓の外に見える桜の木は緑を纏い夏を待ち望んでいる。

雨が一層に強くなった。それに身を委ねて床に落ち込んだまま目を閉じた。

私は、今、雨に殺されている。

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