序盤 神隠しの調査

 探索者は神隠しの通報、調査依頼、情報提供等の情報を元にとある田舎へと訪れる。

 田舎の名称は特に重要ではないので自由に決めてください。


 田舎である為、移動は基本的に車。


 田舎でありそうな場所なら自由に移動してよい。


【移動先候補サンプル】

・神隠しがあったとされる現場

・商店街、大型スーパー

・喫茶店

・役所、図書館

・公民館、住宅地

・星見製薬工場


【事件調査中の地神梓】

 探索者の同行者に味方NPC1『地神梓』がいない場合、現場検証や聞き込み等と言った様々な理由で探索者の前に何度も現れる可能性がある。

 会う度に彼女は探索者達に調査協力を持ちかけてくるだろう。

 探索者はそれを受け入れても拒んでも構わない。

 もし受け入れたなら彼女は仲間に加わり、情報を提供してくれる。(幸運で判定。判定の成功度合いが同じレベルの情報をKPの判断で教えてもいい)

 もし拒んだなら彼女は忠告を残す。

一回目

「君達にも事情があるだろうから止めはしない。

 確実に危険が伴うだろうから用心する事だ」

二回目

「君達は超自然な存在と遭遇した事があるか?

 もしかしたら実在するかもと思っとくといい」

三回目以降

「君達も強情だな。刑事はお嫌いかな? 協力してくれるなら予備の防刃ベストを貸せるんだがな」

 彼女は仲間になりたそうな目で其方を見ている。


【神隠しがあったとされる現場】

 舗装されていない道路、いわゆる田舎道とされる人気が少なく人目につきにくい場所。

 この現場から住宅地までは車でなら直ぐだが、子供の歩みでは三十分は掛かるだろう。

 通り掛かる人影は無いので聞き込みでの情報収集は期待できそうに無い。


『目星等の探索系技能で得られる情報』

レギュラー

 微かに獣らしき足跡がある

ハード

 二足歩行の獣?

 神隠しにあった子供の足跡がない

エクストリーム

 車が通った痕跡がなさ過ぎて逆に不自然




【商店街や大型スーパー】

 田舎と侮るなかれ、最先端な物は無くても品揃えは悪くない。と、書かれた幟や横断幕が掲げられた商店街ないし大型スーパー。

 人通りも悪くなく、常識的な時間帯に訪れたなら買い物客に話を聞けるだろう。

 食材、日用雑貨等の購入もできる。

『得られる情報』1d6

1.この村の特産品(特に意味のない情報。KPの好物か嫌いな野菜か何か適当に)

2.伝承話(当てになるか分からない情報。村の伝承では叡智を齎す神の使いは甲殻類っぽい姿?)

3.伝承話(当てになるか分からない情報。村の伝承では人に取り憑いて悪さをする蟲がいる?)

4. 伝承話(当てになるか分からない情報。村の伝承では悪さをすると屍肉を喰らう獣がやってくる?)

5.目撃情報(神隠しがあったとされる日に不審な車を目撃した。村の住人が乗らない車種だった)

6.噂話(化け物を見たと酷く怯えている子供が住宅地にいる。神隠しを目撃したかもしれないとの噂)

『麗し過ぎる買い物客』

 探索者が美人を探して話を聞こうとすれば不自然なほどに注目を集めない美女もしくは美男がいるのを見つけてしまう。

 彼、彼女に話を聞こうとするならその美貌に抗わねばならない。APP90と話を聞こうとする探索者のPOWでの対抗ロール。

 対抗ロールに勝利した場合『得られる情報』から2d3を振って出た値の情報を得られる。

 対抗ロールに失敗した場合、話を聞いた探索者の所持品に賞味期限ギリギリの肉を追加。以降、銀行やATMで現金を引き出さない限り電子マネーでしか買い物ができなくなる。(この村に電子マネー対応の店はほとんど無い)

 また、しつこく話し掛けると〈アイデア〉ロールをする事になる。不幸にもロール成功してしまった場合正気度チェック(1/1d10)が発生。触らぬ神に祟りなし。



【住民達の憩いの場、喫茶店】

 この村には個人経営の喫茶店と大型チェーン店の喫茶店がある。

 探索者が電子マネーしか使えない場合、チェーン店にしか行く事ができない。支払い方法の関係で。

 チェーン店に訪れた場合、区切られたテーブル席へ案内され他の客に話を聞く事はできない。代わりに良好な休息を得られたので、開始時より正気度が減っているなら正気度を1回復してもよい。

 個人経営店に訪れた場合、探索者は情報収集するか精神的な休息を取るかを選択する。

 休息を選択したなら正気度を1d2回復しても良いが、この回復の上限は開始時の正気度まで。

 情報収集を選択したなら1d3。

1.目撃情報(神隠しがあったとされる日に不審な車を目撃した。村の住人が乗らない車種だった。より正確には星見製薬で使われている車と同型種)

2.噂話(化け物を見たと酷く怯えている子供が住宅地にいる。神隠しを目撃したかもしれないとの噂。

 その子供に話を聞きに行くなら見舞い代わりにと饅頭の詰め合わせを渡される)

3.伝承話(叡智を授ける甲殻類に似た神の使いは人の味方ではなく気に入った者を連れ去る事もあるが飼い犬の遠吠えに怯み失敗に終わった)

『気品漂い過ぎる常連客』

 探索者がどうせなら美人に話を聞こうとすれば、場違いな程に美形ながら何故かその場に馴染んで見える異性がいる。

 話を聞くにはその気品に押されぬ精神力が必要である。APP90と探索者のPOWでの対抗ロール。

 成功すると住宅地に神隠しの実行犯を目撃した子がいる事やその子の家の特徴を教えてくれる上に、リアルな犬の鳴き声が大音量で出る玩具をくれる。

 失敗すると情報の対価にツケの精算を要求され、要求を飲むと住宅地に事件の目撃者な子供の居場所を教えてくれる。要求を飲む飲まないに関係無く、封を開けると腐肉の臭いがする匂い袋を押し付けれてしまう。(捨てようとするといつの間にか所持品の中に戻ってくる)

 また、しつこく話し掛けると〈アイデア〉ロールをする事になる。不幸にもロール成功してしまった場合正気度チェック(1/1d10)が発生。触らぬ神に祟りなし。



【役所、図書館】

 主に神隠しの伝承について調べられる。

・技能不要

『叡智を授ける神の使い』

 その姿は甲殻類に似ている。

 神の使いに気に入られても軽蔑されてもならぬ、連れ去られ戻って来れなくなる。

 神の使いは犬が苦手らしい。飼い犬が神の使いに吠えかかったおかげで連れ去られずに済んだ。

『取り憑き人を悪人へと変える蟲』

 それは蟲として大きいが人と比べたら小さい。

 悪人を捕らえた時、悪人の身体から飛び出して別の者へ取り憑いた。取り憑かれた者が奇声を上げ、暴れ出したので捕まえたら再び飛び出す蟲。運良く朝日が差し込み蟲を照らすと蟲は消えてしまった。

 その蟲は脆く、取り憑かれる前に叩き潰し事なきを得た事もある。

『屍肉を喰らう獣』

 墓で悪さをしようとしたら輩が襲われた。

 輩が悪戯で掘り起こした棺桶に群がり、屍肉を喰らい始めた。輩は先祖の亡骸を取り返そうと攻撃を試みるが鋭利な爪で返り討ちに合い泣く泣く逃げるが、傷から病が入り亡くなった。

 その獣は赤い目をした二足で歩く犬のようで背丈は大人の肩ほどしかないとされている。

・レギュラー以上

『祝福を授かりし赤子』

 八百万の神の祝福を受けた赤子はその身に邪気を宿さず生まれ、日々力を蓄えていくだろう。

 祝福により高潔な精神を得た子は生涯狂気に陥る事は無い。故に、その力は弱きモノへ振り翳される心配は皆無である。



【公民館、住宅地】

 地域住民に話が聞ける。

『得られる情報』1d6

1.この村の特産品(特に意味のない情報。KPの好物か嫌いな野菜か何か適当に)

2.伝承話(当てになるか分からない情報。村の伝承では叡智を齎す神の使いは甲殻類っぽい姿?)

3.伝承話(当てになるか分からない情報。村の伝承では人に取り憑いて悪さをする蟲がいる?)

4. 伝承話(当てになるか分からない情報。村の伝承では悪さをすると屍肉を喰らう獣がやってくる?)

5.目撃情報(神隠しがあったとされる日に不審な車を目撃した。村の住人が乗らない車種だった)

6.噂話(化け物を見たと酷く怯えている子供があの家にいる。事件の目撃者かもしれない)

『目撃者の少年』

 化け物を見た子供の情報を得ているなら彼の家に辿り着くまでは容易だった。

 だが少年は化け物に怯えている為、話を聞くには親を対人関係技能でどうにかする必要がある。

 この一家は大の甘党であるため饅頭などの甘い物を手渡すと対応が柔らかくなり、住人に出して技能を使用する際ボーナスダイスが使える。

 怯えた少年は精神状態が正常で無いので詳しい話を聞きたい場合は落ち着かせなければならない。

技能失敗

「化け物、犬が犬があぁぁ……」

レギュラー

「犬みたいな化け物に連れ去られていくのを見た」

ハード

「化け物の他に怖い表情をしたおじさんがいて、車に乗ってきてた。化け物が子供を車に連れ込んで、おじさんは地面を掃除してた気がする」

 更に車について尋ねると

「確か……星見なんとかって書いてあったよ」




【ご宿泊施設】

 村にはご休憩目的のお城な見た目の宿泊施設しかない為、夜更けには一旦村を出て帰り再び村を訪れ探索を再開した方が良い。

 麗し過ぎる買い物客や気品漂い過ぎる常連客、美人過ぎる受付嬢等APP90のNPCは何故か誘うとホイホイとついてくる。

 だが喜ぶ事なかれ、彼等彼女等は行為に及ぼうとした探索者の興奮が最高潮に達する直前にその正体を隠す事なく現すだろう。

 欲望に流され、正体を目の当たりにした探索者はペナルティーダイスを一個追加して正気度チェック(1d10/1d100)を連れ込んだ人数分行わなければならない。

 



【この村の住人は警戒心が足りてない】

 探索者が情報収集している頃、再び神隠し事件が発生する。現場は以前神隠しが起きた田舎道とは別の田舎道だが、状況はほぼ同じで人気が無く住宅地から少し離れた場所である。

 発生条件は神隠しの現場跡以外を調査すること

『目星等の探索系技能で得られる情報』

レギュラー

 微かに獣らしき足跡がある

 二足歩行の獣?

 神隠しにあった子供の足跡がない

ハード

 車が通った痕跡が消されている

 犯人は複数犯の可能性がある

『野次馬への聞き込み』

 事件が起きて間もない為、数人の野次馬がいる。

 野次馬は漠然とした質問には分からないと返す。

 『車』に関した言葉を質問に混ぜると

「そういえば、星見製薬の車がさっき通り過ぎて行ったのを見た』

 との証言が得られる。



【優秀な子供?】

 味方NPC3空戸公乃が仲間にいる場合、調査中に神隠しが起きた事で自分が囮になると言い出す。

 承諾すると発信機を持っている彼女が田舎道を囮になって歩くのを離れて見守る事になる。

 神隠し——誘拐の瞬間は早技で犯人の姿を見るのに失敗するが走り去る車を目にする。

 車両について聞き込みや発信機の位置から犯人は星見製薬工場にいると判断できる。

 承諾しない場合は村の子供が神隠しに合う。が、その子供は発信機(GPSの類)を持たされている。

 神隠しにあった子供の親から星見製薬工場を見に行って欲しいと頼まれるだろう。

 探索者の中に子供探索者がいる場合、子供探索者が代わりに囮となる事も可能。

 発生条件

 調査中に神隠しが一度起きている事。

 仲間に子供並みの身長の者がいる。

 特殊条件

 調査が長引いて中々進展しない場合に発信機を持たされている子供への神隠しが発生し星見製薬工場の情報が得られる。



【星見製薬工場】

 中盤へ進む。

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