どうも、ラスボス令嬢です

あぱろう

長い長いプロローグ

後悔先に立たず

「あはは! 誰に口を聞いてると思ってるの!?」


涙目になってる少女に彼女は悪魔のような笑みを向ける。


「私の名はアルテミア・ローズベルト! この国の公女よ! あら? あらあらあら? どうしたのかしら? さっきまでの威勢はどうしたの? まさか、私の正体を知ってさっきまで私にしてきたこと後悔してるの? さっ流石! 平民ね! 身分を知った途端手のひら返しで震えて怯えるなんて! あらあら? 泣いているの? 可哀想ね~でもしょうがないじゃない、貴方は何も知らなかったんだもの。この私がローズベルト家の令嬢だなんて知るはずないもんねぇ~」


彼女はその笑顔を絶やさず地に頭をつける平民の少女を煽る。

まさに、彼女は悪役令嬢。

だがしかし……彼女は……


※※※


「やっちまった……」


お昼ご飯を食べながら私は後悔した。

なんで私、人を助ける為にあんな事を!


私の名前はアルテミア・ローズベルト。

平凡なこの世界で一番の権力者の娘である。


えっ? 平凡な世界で一番の権力者なんていない?


……それが、この世界ではそうなっちゃうんだよ。


実はこの世界、地球では無いのです。

そう、俗に言う異世界。

私は18歳で地球の日本で死んで、異世界に転生したのです。

しかも、この世界、日本で私が死ぬ前に流行っていた乙女ゲーム、ホリックホリックの世界。

魔法のある世界の皇帝とその他大勢のイケメンと平民の恋愛ゲーム。

ちなみによくある設定で、平民の主人公にはライバルキャラとして悪役令嬢が存在する。


そう、世界で一番の権力者はゲームには登場しないのだ。

私は悪役令嬢でも主人公でもイケメンでもなく、名も無きモブに転生したのだ。

その癖、存在したら、悪役令嬢も主人公も喰う個性持ちのモブに転生。

ワッツ神様、どうしてそうなった。


そんな私が何故後悔しているかそれは、少し前に遡る。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る