思想・妄想の倉庫
竹梅
第1話
そこは深い森のよう。ただ車が走る道路が遠くに見えている。周りは巨木に囲まれていて足を取られそうな沼もある。
僕は友達と水族館に行く。山を越えたところにある水族館だ。駅を降りてしばらく商店街を歩くと森の入り口がある。道路は曲がりくねっていて、森の木々の間を歩いた方が早そうだ。毎回迷って水族館にたどり着けないのに、毎回挑戦するだけの愚者だ。女子の前では何度も言ったことがあると言って先頭を切る。男子の前では森の中の方が楽しくない?と声をかける。どちらも本性なのだろう。
森の中は鬱蒼としているが巨木たちの根が大蛇の群れのように蠢いている。道路が見えているのにいつまで歩いてもつかない。葉っぱや枝で擦り傷ができる。そのうち日が低くなり帰らなければならなくなる。道路に出ようとすると必ず沼があり、足を取られる。もがけばもがくほど僕の体は沈んでゆく。やがて体を浮遊させる感覚になり下を見ると僕の友達と僕が森の中で倒れている。
目を覚ますと森の中でおった傷がミミズ腫れにようになり、その友人が誰だったか忘れてしまう。
そしてまた森に行きたいと願い始める。
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