ネガティブ諦めモード


私は後悔した。出歩いた選択をした自分にガッカリだ。そう思いながら向かいの席に座るクラスメイト(多分)の夜桜の怒涛の愚痴を聞かされている。


曰く、あの客がめんどくさいだの、客に合わせブラックかどうか知ったこっちゃない。




夜桜と相席する羽目になったのはつい10分前の事、いざ喫茶店の前に来た私だったけど、私如きが入っていいのだろうかという言い訳を心の中でぶつくさと呟き右へウロチョロ、左へウロチョロと店にしてみれば迷惑極まりない行動をとっていざ帰ろう。と、思って踵を返したところに声を掛けられた。


「あれ?えーと、月陽さん?」


「ふぇ?」


外で声掛けられるとは思わず変な声がでた。


振り返ると、誰か知らない人がいた。顔に出てなのか少しだけ呆れたような顔をして、説明してくれる。


「やっぱ覚えてないよねー。貴女と同じクラスの夜桜でーす」


おどけたように語尾を伸ばしてニコニコしてる。


「あ、ども」


「そんだけっ!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る