何も無い

特に何も感慨深いことは無い。月陽は高二に上がっても期待も不安もなかった。


この時期になると進路だ、就職だと皆本格的に動き出す。でも、私は何も無かった。


やりたいこと?ない。学びたい事?ない。好きな事?ない。


退屈だと感じる毎日だけどどうしようも無く時間は過ぎていく。


ピピピと朝のアラームが鳴る。


アラーム時計を見ると6時半。この狭い6畳半の世界で私は目を覚ます。


一人暮らしを初めて早、1年。寂しさすら抜け落ちてしまった。


岐阜。日本の丁度ど真ん中。織田信長。以上が岐阜県の私の中の印象で、それはなんの間違えも無かった。私は各務ヶ原で、適当に住む場所を決め、何も変わらないルーティンで、1年を過した。


結果的に身についたことといえば家事のスキルだけだろう。


趣味と呼べるものは無い。いや、実際には無くはないが、それは興味の範囲を出ない。どれもこれもが金がかかるのだ。だから、興味で終わる。


17の、人間なんてこんなものだ。

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