第12話
マリク殿下の1歳上のお姉さんであるカトリーナ王女は隠しルートの悪役令嬢だ。
このルートのみ、ヒロインが首チョンパされることは無い。そもそも断罪そのものが無い。ストーリーはこうだ。
カトリーナ王女は隣国の王子と婚約関係にある。隣国との友好を深めるための政略目的の婚約だ。その婚約者である王子がこの学園に留学して来る。
いずれ王女の婿としてやって来る前に、この国のことを良く知りたいというのと、婚約者であるカトリーナ王女との仲を深めたいというのが留学の目的だ。
表向きは。
実はこの王子、とんだクソ野郎なのだ。病的な程の女好きで、いい女とみればすぐ粉を掛ける。女絡みで散々問題を起こして、自国の高位貴族の令嬢には誰も見向きもされず、国から放り出される形で政略目的の駒にされた。
この国に来たのも自国ではハメが外せなくなったので、女遊びをするためにやって来たというカス野郎なのだ。
だがそこで、ヒロインとの運命的な出会いを果たしてしまう。たちまち王子はヒロインに惹かれてしまい、猛烈なアプローチを開始する。女遊びもせず、婚約者であるカトリーナ王女も放って。
それに嫉妬したカトリーナ王女は、本当にヒロインを虐めてしまう。つまりこのルートだけは、王道の乙女ゲームの展開そのものという訳だ。
このままだと断罪されるのはカトリーナ王女の方になってしまうが、そこでヒロインが立ち上がる。どんなに虐められてもカトリーナ王女に歩み寄り、誤解を解こうと奮闘する。
なぜならヒロインには想い人が他にいるからだ。王子のアプローチにほとほと迷惑していたのだ。最初は頑なだったカトリーナ王女も、次第にヒロインの声に耳を傾けるようになる。
やがて隣国に居る従姉妹からの情報で、王子の本性に気付いたカトリーナ王女は、ヒロインと協力して王子に婚約破棄を突き付けるという所謂トゥルーエンドで終わるストーリーなのだ。
だがこのルートは、5つあるルートを全てトゥルーエンドで終わらせなければ開放されない。つまり、まだ5つ目のルートが終わってない今の段階では始まるはずが無いのだ。その証拠に隣国の王子もまだ留学して来ない。
つまりこの段階で、カトリーナ王女がヒロインである私の前に現れるはずが無いのだが...
「わ、私にどのようなご用でございましょうか...」
「フフフ、そんなに固くならないで頂戴な。私はあなたとお友達になりたくて来たのだから」
はい!?
この王女様、今なんて言った!?
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