私と僕

 はぁ、ここの所、私は、自分でも分かる位ため息が増えている。

 好きな人が出来たのだ。

 その人の事を考えると、ため息が出る。


 そう思っている矢先、彼が目の前を軽く会釈して通り過ぎて行った。


 彼は、私の上司、庶務一課の主任だ。

 彼女はいるのかなぁ?いや、そんな事を考えていても仕方がない。

 今は、どうやってこの気持ちを伝えようか考えよう。

 ……そうだ、ちょっとした作戦を思いついた。

 みんなに、お茶を入れる時、彼のコップに、メッセージ付きの付箋を貼って渡そう。

 思いついたら、実行あるのみだ。

 タイミングを見計らって作戦を決行した。

 付箋を見た彼は、それをポケットに素早く仕舞い、暫くして席を離れた。

 間もなく、ポケットの中のスマホが震えた。

 画面を見ると”ショートメール未読一件”の表示があった。

 彼が戻った事を確認して、今度は私が席を外した。

 給湯室でスマホのショートメールを確認した。

 「明日の昼休み、会社の近くのランチもやっているカフェで待ち合わせしませんか?」

 という内容だった。



 僕は、最近ずっと考えている事がある。

 どうやら、好きな人が出来たようだ。

 僕と同じ庶務一課で働いている娘だ。彼女の事を考えている時に、ちょうど彼女の前を通り過ぎた。軽く会釈をしたが、不自然では、無かっただろうか?

 彼氏とかは、いるのかなぁとか、またいろいろ考えたが、そんな事考えても仕方ない。この気持ちを伝えよう。

 まずは、お茶を配ってくれる時にでも、メモを渡し、ランチにでも誘おう。と思っている時に、彼女がお茶を入れてくれた。コップには付箋が貼ってあり、その付箋を見て、すぐにポケットにしまった。

 暫くして、席を外し、リフレッシュルームに向かった。彼女の付箋のメッセージはランチのお誘いだった。

 席に座り、彼女に、ショートメールを打った。

 「明日の昼休み、会社の近くの、ランチもやっているカフェで待ち合わせしませんか?」

 という内容だった。



 次の日、カフェでランチを一緒に摂った。

 その時は、世間話や、会社の話だけだったが、ランチを繰り返し、夕食も共にするようになっていき、二人は交際するようになった。

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