第49話懐きつつある白ブチの猫

49,懐きつつある白ブチの猫


翌年1月頃から白ブチの猫が良くなつくようになった。


この頃は車が家の前に止まると私の事を迎えに来るようになった。


もうすっかりうちの子になりつつある。


取り合えず、家に私がいる時だけ家の中にいれてみることにした。


モモ子とは仲良くするわけでもなく喧嘩するわけでもなく


一定の距離を保っている。


寝ていたモモ子がガバッと音を立てて起きたりすると


ビクッとしてビビっているから怖い事は怖いのだろう。


冬だから外に出すのも可愛そうなので一緒に寝ようと思っているのだが


前の二匹の猫のようにはいかない。


夜は外へ出たいらしくニャオニャオなく。


このブチ猫もネズミを捕ってくれるかと期待しているのだがまだ捕らない


いつになったらお仕事をしてくれるのかと思っていた


ら2月になって鳥を捕ったらしい。


玄関先にお土産をおいてあった。


しかも食べた跡がある。


雑種のせいか野性味があるようだ。


猫は慣れると同時に図々しくもなる。


私が仕事から戻るのを待って玄関に現れ


家の中に入ってはエサをねだるようになった。


お蔭で私はモモ子の為というよりこのぶち猫の為に魚のあらや

中骨などの焼いたものを


毎日のように持って帰るように気を遣うようになった。


それなのにこのブチ猫は好き嫌いが激しかった。


好きな魚と嫌いな魚があるらしい。


猫が残した魚はモモ子の物になった。


このことがモモ子がブチ猫の存在を許すのに良い結果となっている。


モモ子はブチ猫がいることで普段はもらえないおやつをもらえるので


猫がいる方が良い事があると認識している。


この方法は前の二匹の猫で実証している。


でも、ブチ猫の方はまだモモ子になじめないらしく


前の二匹の猫のように散歩について歩く事はない。


家は一緒に出るのだが庭を出るともう別の方角に行ってしまう。


ところが3月28日、予期せぬことが起きた。


散歩について来た。


ほんの数百メートルではあったがこれは進歩に違いない。


だが、ここまでであった。


この日から2か月経っても数百メートル以上の距離が増えることはなかった。


元々先の二匹が変わっていたのだろう。


モモ子の散歩の後を付いてくる猫の三代目の襲名は無理なのかもしれない。


狩りをした時の獲物の種類も三匹が三匹とも違っていた。


一代目のアメリカンショートのニャンコ子はネズミが主だった。


二代目のロシアンブルーのニャオちゃんはハトやスズメなどの鳥が多かった。


そして、三代目の雑種の白ブチは・・・これは少し変わっている。



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