第27話庭に別の猫が現れる

27,庭に別の猫が現れる


話は変わるが最近、庭に黒っぽい猫を見るようになった。


また、野良だろうか、険しい目つきをしているので可愛くは見えない。


家のニャンコちゃんも気に入っていないようで近寄って来ると威嚇している。


黒っぽい猫の方は仲良くしたい風に見える。


仲間なんだからいいだろうとでも言っているような・・・


近寄って来るとモモ子が見つけて追いかけると素早く縁の下へ逃げる。


最初の頃のニャンコちゃんのようであった。


ところがモモ子はニャンコの時よりもしつこく追いかけている。


まるで焼きもちでも妬いているように見える。


黒っぽい猫の方は仲間に入りたい様子である。


険しい目つきをしているので雄かもしれない。


ますますニャンコを外へ出すわけにいかなくなった。


ニャンコは雌なので子供が出来たら困るからである。


この黒っぽい猫もずっと私の家の側にいるのか


あるいは車の音を聞きつけて来るのかすぐにやって来る。


また、私の母性本能がくすぐられてしまう。


でももうこれ以上飼う訳にはいかないのが現実だ。


ニャンコとこの黒っぽい猫との差は庭へ来た順番でしかない。


少々ニャンコの方がおっとりとしたお嬢様猫なので可愛さがあり、


今外にいる黒っぽい猫は険しい目つきをしていて可愛くないという差はあるが


黒っぽい猫の方が先に居ついていたらこちらが家の猫になっていただろう。


後からどんなに可愛い猫がやってきたとしても雄と雌であったら一緒に飼う訳にはいかない。


それに猫同士の相性とモモ子との関係も大いに作用する。


そういう事情を知ってか知らずか黒っぽい猫は怒ったような顔をしながら


変になつっこくまとわりついてくる。


ねぇいいでしょう。もう一匹位飼ったって・・・と私の心を揺さぶるのだ。


最大限譲ったとしてもニャンコと仲良くなり


モモ子とも仲良くできなければうちの猫にはなれない。


ある日の昼、車で戻るとさっと黒っぽい猫が寄って来て足元にまとわりつくので


思わず抱き上げるとそれ自体は嫌がらないがずっと抱っこされているのは苦手のようだ。


すぐに手をすり抜けて下へ降り足元に擦り寄って来る。


なんだかお腹が膨れているような気がする。


もしかして妊娠しているため必要以上に擦り寄っているのかもしれない。


それはそのままここで生んでいいでしょうと承諾を求めている行為に見える。


まさか、それは困る。


ここで生んでもらったら困る。


責任が持てない。


今までは猫を見つけたモモ子が追いかけるのをやめさせていたが


モモ子のしたいようにさせた。


モモ子に追いかけられているうちに子供を産むにはふさわしくないと


思ってくれればそれが一番良いと考えていた。


今日からは近寄って来ても無視しよう。


なるべく冷たく振舞おうとかんがえていたのである。




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