第26話猫のネズミ漁
26,猫のネズミ漁
モモ子の方は玄関から階段と二階の寝室への行き来と二匹を分けた。
モモ子は私のいない間はほとんどベッドに寝ているので
居間に入れなくても、何の問題もないはずである。
そうしたある日、昼の休憩時間に家に戻って居間のドアを開けると
大運動会を開催した様子。
あちこちから物が落ち、テーブルの上の物は斜めになっていたり
場所が移動したりしている。
床には格闘した後の血なのか体液なのかわからないが引きずったような跡、
そして獣の臭い。
ニャンコは疲れたのかソファの上に寝ていた。
大格闘はしたものの獲物は無いようで私と目を合わさない。
だが、一週間後に見事に私の期待に応えてくれた。
朝方、階下でドタンバタンと大きな音がして目が覚めた。
気が付くといつも頭の上で寝そべっているニャンコがいない。
もしかして・・・ある種の期待を持って恐る恐る階下へ降りて行った。
居間へ入るが何事もない。
台所、何も落ちていない。
台所の脇の脱衣所の戸が開いている。
ニャンコは脱衣所に居た。
粘着式のネズミ捕りにかかったネズミの尻尾をかじっていた。
私は慌てて叫びたいのをこらえてとりあえずニャンコを抱き上げて
「ご苦労さん」と声を掛けて居間の方に連れて行った。
後からノコノコついて来たモモ子が「何かあったの?」と聞きたそうに
顔を出したので一緒に居間に締め出した。
さてどうしょう。
ニャンコがネズミを捕ってくれそうもないのであきらめた私は
ネズミ捕りを買って来て脱衣所の棚の中段に仕掛けておいたのであった。
そのネズミ捕りにかかったネズミをニャンコが見つけて捕らえようとしたのか、
あるいはその場へ追い込んだのか。
慌てたネズミは渾身の力を振り絞って逃げようとして
粘着シートの箱のまま下へ落ちたのか、ニャンコが格闘したはずみに落ちたのか
わからないがとりあえず今、私の目には逆さまになったネズミ捕りの箱から逃れようにして
ピクピクしているネズミの半身と猫にかじられた尻尾がみえる。
とにかく処分しなくては・・・嫌々ながらも他にやってくれる人がいるわけではない。
なるべく姿も見ず手も触れずと思いボロ雑巾を厚めにかぶせ
その上にスーパーの袋をかぶせてそのまま上から包んだ。
そして口をぎゅーと結んでとりあえずごみの日まで外へ置いた。
ニャンコはまだ興奮しているのか目がランランと輝いている。
身体を調べたら粘着性の物はついてはいなかった。
とりあえずほめておく。
今回はネズミ捕りのおかげなのかもしれないが次もお願いしたいものだ。
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