第23話家の中にネズミかリスが居候?

23,家の中にネズミかリスが居候か


 ニャンコが家の中で暮らすようになって良い事が一つあった。


私の家は古いのでネズミらしき動物がいる。


はっきりと確認していないのでネズミとは断言できないがそれしか考えられない。


何年か前から台風の後とか秋の大雨の時に外の戸袋から壁を駆け上がっていく音がしていた。


その音は普段はあまり聞くことはなかったので台風などの時の避難場所として


家に入ってきているのなら見て見ぬふりをして居よう位の気はあった。


ところが秋になって椎の実やどんぐり,ナツメの実などを意味もなく拾ってきて


台所のテーブルの小箱に置いておくと


いつの間にか一個減り二個減りして行って数日で全部なくなった。


同じテーブルにリンゴを買って来て四、五個置いておくと


そのうちの一個をかじってあることに気がついた。


昼か夜にくるのかわからないが少しずつ少しずつかじっていく。


礼儀正しく律儀に一個を食べていく。


隣のリンゴには手を付けず一個が腐るまで食べ続けるのには感心した。


他には風呂上りに髪をとかしてティシユの上に置いた抜け毛が無くなっていて


洗面所の下の穴にその髪の毛が引っかかっていたのを見た時は


思わずリスなのではないかと思った。


ネズミの習性は知らないがリスは飼った事がある。


特に押し入れの戸襖や外壁と内壁の間を這うように走る音はリスのそれに似ている。


ネズミがそのように移動することはこの時は知らなかった。


もう一つネズミだとしたら増えるはずなのに物音は一匹分しか聞こえない。


ネズミなら数匹の物音が聞こえても良いはずである。


それにリスならいいなという願望もあった。


そのリスかネズミかわからない小動物の物音がニャンコちゃんにはわかるらしく


目を輝かせて天井を見上げている。


キッと耳を立てて天井に目を配る。


「私はあなたのお役に立つためにお仕事します」とでも言いたそうに真剣な目つきだ。


ニャンコは急に私の腕から飛び出すと押し入れの中に勇んで入っていったり


ネズミの通り道らしいところでじっとうずくまって待っていたりとお仕事モードに入っていた。


それは恰好だけだったのか中々捕ってくれない。


夜、家の中に入れれば捕まえてくれるだろうと夜も家の中に入れてみた。






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