第11話


脱衣所で俺とマヒロは口論になっていた。


「ちょ、おまえな、俺に裸見せちゃっていいのか...!?」


「仕方ないでしょ!?怪我しちゃって

一人じゃ上手く身体洗えないんだから...!」


「おまえ、顔真っ赤だぞ...!

ひとりでなんとかできるなら、なんとかしたほうがいいんじゃねぇのか!?」


「...っ!もとはといえばさ!」


マヒロは怒ったように、包帯の巻かれた左腕を俺の顔の前に掲げて見せた。


「シ、シンジがいけないんだからね..!

ゲームばっかやっててさ、どーせ、寝不足でしょ?それで目眩起こしてさ!私のところに落ちてきたんだからさ...!」


くそ...


何も言い返さねぇ...!


「きれいに私の身体洗ってよ...!その前に、ほら、シンジ、脱がして、

私の服!」


「てか、シンジも脱いで!」


「ううう...」


そのぐらい片手でも頑張ればできるんじゃ...

と思ったが、


包帯の巻かれた痛々しい左腕が。


俺に何も言わせなかった。






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