癒やしの森

ヤシテ ミカエル

第1話家族

吉田あやみは出版業界で生活のため働いていた。

娘吉田友里恵がまだ幼稚園の時離婚して、

シングルマザーになってしまった。


まだ娘が幼稚園ということもあって、

あやみは離婚したくなかったが、喧嘩が絶えず離婚する決心をした。


喧嘩の原因はいつも同じだった。


お互い忙しく家事がおろそかになってしまった事が

原因だった。


女性が家庭を守るのが当たり前だと思っている旦那「吉田健介」と家事を分担して協力してほしい言う「あやみ」とは、意見が合わず毎日喧嘩が続いていた。


あやみは疲れていた。


娘も幼稚園の年長で喧嘩が絶えない事を感じて泣いてばかりいた。

あやみはそんな娘を悲しませたくない。そう思い

離婚を決意した。


あやみは実家に帰って、両親に打ち明けた。

てっきり怒るだろうと思っていた。

ところが

あやみの母親「井上百合子」

あやみの父親「井上政夫」は思っていたのとは違い

歓迎してくれた。


あやみの両親は孫の友里恵をとても可愛がってくれた。名字は夫のままにした。

変えるのが面倒なのと、まだ幼い娘が混乱しないようにとの配慮からだった。

幼稚園の送り迎え。食事の支度両親は忙しいあやみに変わって家事全般を引き受けてくれた。


あやみはそんな両親の愛情に恵まれながら忙しい

出版業界で毎日、時には残業をする時もあった。

それでもあやみの両親は、文句のひとつも言わず、

あやみを支えてくれた。


その甲斐があってあやみは、色々な雑誌の企画を

少しずつ任されるようになっていた。


あやみは段々忙しさが増していった。

旅行雑誌の取材が増えていった。京都の美味しい

和菓子の店や、お土産屋さんの紹介。

ホテルの紹介の為の取材が、一月に一度は重なり

娘との時間がなかなかとれなくなっていった。


でも、この仕事が好きなあやみは仕事を辞める事が出来なかった。


そんなあやみも娘が小学校四年生になった頃

大きな企画を任されるようになる。


一冊の旅行雑誌全てあやみが書くという企画だった

しかも働きづめで疲れているあやみの事を気遣って

有給と旅行券を渡されて始めての娘と二人っきりの旅行が実現する事になるとは、この時

あやみはまだ知らなかった。


そんな普通の日常が普通じゃなくなる日が来るとは

この時あやみと友里恵 あやみの両親、井上政夫

井上百合子 会社のみんなはまだ知らなかった。


あやみと友里恵は誰も知らない渦巻きのような

運命に巻き込まれて行く事になる。


続く

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