　共同課外活動は随分と賑やかです。

　天才シェフことポワレ君は、「ほうれん草のオムレツ」「ほうれん草のお浸し」「ほうれん草とベーコンのバターソテー」など次々と料理を奏でいきます。

　本人は「オーブンがあればキッシュが作れるのに……」と悔しそうにしています。

「ポワレちゃんすごいです！　わたしも配るの手伝ってきます！」

「アンちゃん〜ファイトですよ〜」

「はあい！」

「お母様、わたくしお料理部のマリネという者です。部長です」

「まぁ、部長さん。アンちゃんがお世話になっています」

「いえいえお母様。是非ともロティ……杏蜜さんが作ったスープをお召し上がり下さい」

「あ、あのアンちゃんが！？」

「ええ、玉ねぎとジャガイモを薄切りにしてほうれん草をざく切りにして頂きました」

「なんとまぁ」

「ほうれん草のポタージュでございます」

「では、いただきます」

　ロティさんはポワレさんと一生懸命働きます。

　そんな娘の健気な姿に胸を打たれたお母さんはスープを口に運び、感動のあまり目に涙を浮かべています。

　こうして突然はじまったお料理部と農業部の共同課外活動は、無事に楽しいひと時が過ぎていきました。

「このパスタうっめぇ、ていうか奥村さんやっべっ」

「先生……保護者の方もおんねんからほどほどになぁ」

「遠野さあん〜ワインおひゃわり！」

「アンチョビ先生！　教師クビなるでぇ！？」

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