第127話 stanley

「でも、昔から都市はあったわ。パリだって、ロンドンだって」と、フランスの女神。



「そう。愛されないで育った子供にとっては

苦痛なんだよ。規制されると。

服従させられた記憶がね、無意識にあるから。

だから反発したくなるのさ」と、ドイツの神様は

さすがに医学の国らしい(笑)。






都市は、結局人工物であるから

誰かの脳の中のイメージで出来たものだ、と


養老孟司先生も言う通りである。




不幸にして、愛のない母親から生まれた子は


親の都合で、無理強いをされて育つ。





親の脳の中のイメージ通りになんて、子供は

出来っこないのに。




そんな事すら分からない母親に、傷つけられて

育った子供は、だから規制に従うと


無理強いされた無意識の記憶を思い出すから



不快になる。




なので、意味もなく逆らう。



エスカレーターで歩くな、と言うと

むやみに歩く(笑)




幼稚この上ないが、当然で

その時、心が幼児に戻っているのである。




それを、アメリカの精神科医たちは



反抗挑戦性障害、などと呼ぶ。





エスカレーターで言えば、その時

道を空けて寄っている人々には、何等

苦痛でないのに、それができない人々もいる。





治療は簡単で、その古い記憶を呼び戻して


それは不条理だ、と消し去ればいい。




遠い過去には、脳外科手術でそれを

行ったりした。



いまは禁止されているロボトミーである。




麻酔で仮眠状態にして、記憶を操作するのは


どこかのカルト宗教が使って有名になったが


それも、もともとはアミタール面接と言う

医学書に書いてある方法だ。





人間は夢を見るとき、記憶を整理するので

魔法使いめぐのように、夢を自由に見る方法を

知っていれば、それを操作できる。



神様は、それを使おうと考えても見た。



スタンリー・キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」のように本埜木阿弥にならないと

良いけれど(笑)

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