第29話 Free
Free
ふたりの神様は、話ながら
エスカレーターを見た。
広いエスカレーターの、片側を開けて
狭苦しく並んでる(笑)
「なんだあれは」と、アメリカの神様は笑った。
エスカレーターは歩いてはいけない、と
書いてあるのに
空いているとこを、顔つきのおかしな
人々が歩いていくので
ぶつかりたくないので、片側を開けてるのだ。
「あれがジャパニーズの現実か」と
アメリカの神様は言った。
アメリカにはあんなのはない、と言いながら。
「そのようじゃの」と
めぐたちの神様は言った。
明らかにおかしな、悪い心が憑依している
連中、顔つきからしておかしな連中が
ジャパニーズを蹂躙しようとしているんだろう。
そういう連中が、コンピュータネットワークを使って
善良なジャパニーズを侵している。
そう仮定すると、アメリカの神様は
「それは、自由に解放してやるべきだ。
国際会議場で主張してやろう」と
フランスの神様にも言おうと、コンピュータを出した(笑)。
「こういう時に使うなら、便利なものさ」と。
めぐたちのしらないところで、こんなことが( ^∀^)
天罰
ふたりの神様は、そのエスカレーターに
並んで乗った。
アメリカンの神様は、それなりに主張も強い。
わざと、空いている方に乗った。
それで言う。「メールにあった、攻撃性を弱める方法、それで上手く行くなら、いいかもしれないな」と、言いかけた時
スーツケースを転がして来た年配男、サラリーマンふうの眼鏡の尖った男が
事もあろうに、神様を後ろから無言で押す。
いい歳をして、と誰でも思う。
意外に若者より年配に多いのだが(笑)。
神様は、ひらりと自らを無にした。
空中に消えたのだが、ほんの一瞬。
眼鏡男は、スーツケースごと
エスカレーターの下に転落した(笑)
どんがらがっしゃん。
何が起きたか本人はわからぬまま、気絶した(笑)。
「やるねぇ」と、神様が言うと
アメリカンの神様は、にやりと笑って親指を立てた。
「少し、痛い目にあった方がいいのさ、ああいうのは」と言って笑った。
自分で落ちたんだから、暴力でもなんでもない。
ルールの上でも、エスカレーターは歩いていけない、と
書いてあるのに
ふつうに乗ってる人々を、ルール違反するものが
強迫するなんてのは、自由の国アメリカには
居られないよ、撃たれて終わりさ、と
アメリカンの神様は、そう言った。Winkして。(笑)。
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