人間国編

マリファネット王国王都編

第7輪 勇者は敵だが敵じゃない!

「ほぇ~壁デカ~」


さすが王都というだけある

ここはマリファネット王国という人間国で一番魔人国に近い国

その王都

マリファネット王国王都には八角形で、各辺の位置に門がある

それも全部の場所に一般用、貴族用、使者用がある

つまり、この王都には合計24個の門がある(王城含め32個)


「...魔人国からの使者ですね、こちらへ」


魔人国からだから他の人よりも雑だけど、最低限の礼儀作法はなってるところを見るとここの王は優秀そう

もし、優秀じゃなかったら少なくともどこかに優秀な人がいる

王が優秀なことを願おう


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「...人魔だと?人魔を使者にするなど魔人国も墜ちたものだな」


あ、だめだこりゃ

というか、女尊男卑なんでしょ?

女王は?


「おい、勇者たちを呼んで来い」


勇者か~

テンプレ的に日本人かな?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「勇者たちよ、そいつが人魔だ」

「あれ?百合?」

「え?なんでみんなが?」


クラスメイトと担任が勇者?

どうしてこうなった

因みに私の通ってた学校は女子校だし、担任は女性だから、女尊男卑のこの世界的にはちょうどぴったりだよね


「寧ろ私たちが言いたいよ」

「百合って私たちが転移する前日に山火事で...」

「あぁ、その山火事ね、神様の手違いで起きたっぽいんだよね」

「え、何その神様...」

「それで――」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「だから、使者になって今に至るってこと」

「所々突っ込みたいんだけど」

「それは私自身思ってる」


初っ端から突っ込みどころ満載なんだよね

因みにスキルについては言ってない

ギフトは言ったけど

だって...

既に1人か2人くらい影響受けてるもん


「お、おい!勇者たち、何故そんなにそいつの話を聞くのだ!」

「それより、魔人国からの使者の話でしょ」

「魔王様は和解を望んでいます、なので、和解をしに来ました」

「魔人、特に魔王の言うことなど信じられるか!」


よく見る思考回路終わってる王


「1ヶ月だ!1ヶ月お前がこの王城に泊まって何もしなければ信じてやろう!」

「わかりました、では、魔王様に手紙を書かせてください、心配させるといけないので」

「監視を付けながら書け!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「なんか百合可愛くなったね」

「何?美桜もそうなの?」

「いや、違うよ」

「ならいいんだけど」


これ以上増えるとさすがにヤバいと思う


「そういえば、百合、この世界同性婚は当たり前っぽいよ」

「え?」

「しかも、同性でも妊娠するっぽいよ」

「え?」


何この世界

同性愛者に優しすぎじゃない?


「あそこの腐女子民は凄い喜んでた」

「やっぱり...」

「百合は1ヶ月したら魔人国に帰るの?」

「うん、地獄の百合生活が待ってるよ」

「まぁまぁ、悪いことだけじゃないんじゃない?」

「そうだといいけど」


ホントにそうであってほしい


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あれ?狭くない?」

「え?百合、何言ってるの?広いじゃん」

「いや、魔王の個室のお風呂広いって言ったじゃん」

「もしかして...」

「そのもしかして、ここより一回り大きい」

「その広さを1人って...」


ホントに可哀想だよね


「2人でも大きすぎるもん」

「そうだよね」

「...ん?なんかみんな私の周り来るじゃん」


もしかして...


「いや、美桜も言ってたけど百合可愛くなったな~って思って」

「絶対それだけじゃないでしょ」

「...」

「目をそらすって、図星ですって言ってるようなものじゃん」

「い、いや、そんなことないよ?」

「別に百合のおっぱゲフンゲフン胸を見たいわけじゃないよ?」


...

魅了貴様ッ!

クラスメイトにまで手を出して!

ホントに魅了の弊害が酷すぎる...

パッシブってのがまた余計に...

あとさ、クラスメイトみんな美形なんだよね


「あぁ!もう!熱い!先に出る!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「はぁ、なんでああなるかな~」


私は異性愛者なのに...


とことことこ


うん?誰かついてきてる?

...

気のせい?


ガチャ

ぼふっ


自室のベッドの方が柔らかい...

王城全部こんなのなのかな?

もしかしたら私が魔人国からの使者っていうのと、人魔だからっていう2つがあるからかもしれないけど


ガチャ


「え?」


誰か入ってきたーーーー!

ん?

なんか服が豪華...


「えぇっと、どちら様でしょうか?」


カチャン


「ん?手枷?え?」

「窃盗」

「してないよ!?」

「私の心を盗んだ」

「...」


魅了さん...

ホントに、ホントに自重してください

そして神様もどうしてこうした


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


...

牢屋にいるんだけどさ...


「ねぇ、拘束の仕方絶対ヤバイやつだよね?」

「気のせい」


気のせいじゃないですね、わかります

だって...


「下着見えるじゃんこれ!あと、なんでみんなガン見してるの!?」


全員ガン見してんじゃん!

私をここに連れて来た人含め全員!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る