ここは【メイド喫茶】リリーズガーデン

フジシュウジ

幕間 

 ――駅前の噴水広場。午後三時。

 噴水の縁石に腰かけるひとりの少女。彼女を問いつめるようにして、ふたりの少女がその前に立っている。

 駅舎を出た人々が、そのただならぬ雰囲気に足を止める。

(少女は三人ともメイド姿)

 ひとりの少女が声をあげると、鐘が鳴ったとばかりに群衆がそろそろと集まってくる。

(ただし三人がそれを意に介することはない)

 いざ舞台の幕は開こうとしている。

 ――物語の始まりは、この日の一ヶ月ほど前にさかのぼる。

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