理久くんとクロッカス

にゃん助

第1話 理久くんの朝①

ピピピピッ!!


「ふぁぁ・・・もうこんな時間か」


俺は目覚まし時計を止める。

いや・・・寝てないから、もはやただのアラームか。

となると、昨日の夜21:00頃から現在(6:00)までべッドの中で完徹でゲームをしたことになる。


「お兄ぃぃ!!」


ドアの奥からドタドタと階段をのぼる音が聞こえる。


「うるさいよ舞音〜、

階段は危ないから歩きな?」


ガチャ

ドアを開けた舞音―俺の妹は、中学生の制服の上からエプロンという珍しいコーディネートをして、菜箸を片手に口を開くと


「起きるのが、おっっそい!!早く起きろって言ってるでしょ〜!」

「いや、寝てねぇし」

「またゲーム?」

「そうだけど」

「なお悪い!」


スパーンと頭を叩かれた。

ちょっと大袈裟に頭を押さえて「いってぇー」そう一言いうと、ベッドから身を起こす。

そして、慣れた制服に腕を通す。

うん、ネクタイを結ぶのも慣れたな


「お兄はやく降りてきて!朝ごはんだよ〜!!」

「今行く〜」


鞄を持って足早に階段を降りる。

うちは、父親は俺が小さい時に亡くなり、母親は気づいた時には『いなかった』。

リビングに入ると舞音はキッチンにいて、誰もいないリビングが広く感じた。


「お兄、本日は舞音ちゃん特製エッグトーストですよ〜」

「おぉ〜!けど、舞音ちゃん特製って言っても、エッグトーストなんて誰が作っても一緒だろ」

「もぉ〜、お兄は分かってないなぁ〜。トーストの焼き加減から、卵の黄身の硬さまで、全て舞音ちゃんの計算された焼き加減なのです」


・・・それはすげぇな

俺は苦笑してからトーストを手にとる。


「舞音は中学校慣れたか?」

「何その話題、娘との接し方が分からないお父さんみたい〜」


せっかく俺が聞いてやったのに、笑いながらバカにされた・・・


「じょーだん、じょーだん!だいぶ慣れてきたよ、後ろの席の子が優しいの」

「そーか、良かったな」


急に舞音はニコニコすると、


「かっこいい男の子もいたよ?」

「舞音とられたらお兄、寂しくて死んじゃう」

「もぉ〜しょーがないな〜」


ニコニコしながらデレる舞音を見て思った・・・俺の妹、可愛すぎかよ!!

そんなこんなしてたら、


ピーンポーン


「もうそんな時間か」


家のチャイムがなった

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