第11話過去と準備

「好きです付き合ってください」


これは中学3年生の時の出来事

夏が終わり涼しい風が肌を通り、木々の葉は赤色に変化していく。そんな季節だった。僕に告白してきた相手の名は星川夢ほしかわゆめ学年1の美少女と名高い彼女はその言葉に強い自信をはらんでいた。だからなのか選んだ場所は放課後まだ人が残る教室だった。


「ごめんなさい!無理です!」

「え!?ど、どうして」

「僕は星川さんのことよく知らないし、忘れられない人がいるから」


僕は誠実でありたかった。中学生になってでてきたお試しで付き合うって価値観が僕にはわからなかった。僕があんまり女の子と関わることがなかったからなのかもしれないけれど、そこには抵抗があった。でも彼女から誰かと付き合ったなんて噂は流れたことがなかった……教室を涙目で走り去っていく彼女を目で追いながらそんなことを考えていた。聞いていた人が多かったせいか星川さんが振られたことは瞬く間に噂となって学校に広まってしまった。幸い彼女が普通に接してくれたので、僕がいじめられることはなかった。


***


懐かしい夢を見た。これまで一切モテなかった僕が初めて告白された出来事。それも学年1の美少女にだ。今思い返しても彼女は可愛いかったと思う。別に振ったことを後悔してるわけでもない。

ただの事実だ。ベッドから体を起こしてインスタントコーヒーを飲む。眠気覚ましにはピッタリだ  

朝食を食べて学校への支度を終えて学校に向かう

ギプスはあと2週間とるのにかかるため色々時間がかかってしまう。学校の昼休みは4人でご飯を食べる。亮太、愛衣、春風と学食に行って亮太と僕はサンドイッチ、愛衣と春風は弁当だ。学食は空いている。ほとんどの生徒が教室で食べるからだ。


「2人とも毎日同じもの食べて飽きないの?」

「飽きるか?」

「飽きないね」

「だよな」

「ねぇ晴人私に1口くれない?」

「別に良いよ」


持っていたサンドイッチを愛衣に渡すと美味しそうにほおばった。


「おいしぃ~けど、さすがに毎日食べてたら普通飽きるよ……」

「私にもくれる?」

「もちろん」


今度は春風にサンドイッチを渡す。こちらも同じように美味しそうにほおばった。見ていて幸せ。

とゆうかこれって、間接キスだよね!ってサンドイッチもうほとんどないな。


「食べ物買ってくる」

「あ、ごめんね私が食べちゃったせいで」

「春風が気にすることないよ」

「晴人くんもしよければ私の弁当分けようか?」

「悪いよそれは」

「私ももらったんだからおあいこ」


春風少しだけ気まずそうに…いや、照れながら


「晴人くん私箸1つしかないから……口開けてくれるかな、あ~ん」


え、どうしよう、心臓がもたないぐらい恥ずかしくて、ドキドキする。春風が差しだしたハンバーグを口を開いて食べる。


「どうかな?」

「弁当でこんなにおいしいなんてすごい」

「ありがとう、これ私の手作りだったから」


嬉しそうに、はにかむ笑顔でそう答える春風に僕のライフはとっくにゼロだった。


「じゃあ私の唐揚げもあげる」

「良いの?愛衣」

「私のは手作りじゃないけど、あ~ん」


愛衣だと小さい頃にこうゆうことがあったから恥ずかしい程度ですむから助かる。


「うん、おいしいそれに懐かしい」

「昔は家族でお花見したもんね」

「2人ってもしかして幼馴染みだった?」

「いちようそうなるかな小学校、中学校は違ったけど」

「なんだか運命的な再会だね」


うっ……気まずい僕それで愛衣を泣かせてるから言われると刺さるな……愛衣も同じように気まずさを感じているみたいなんだけど、亮太のやつ笑いを必死にこらえてるんだけど、殴ろうかな、殴るかよし顔をこっちに向けろ渾身の右ストレートをくらわせてやるから。そんな楽しい日常は今日も終わっていく。帰りのHRが終わると滝沢先生に呼び出された。


「滝沢先生どうしたんですか」

「1ケ月後に体育祭あるだろ」

「それがどうかしましたか?」

「体育祭の実行委員だった中村が知っての通り学校に来ていないだろ」

「もしかして……代わりにやれってことですか」

「私だって君たちだけにはやらせなくないんだ。だけど上から言われてしまってなすまない」


滝沢先生が半強制的ではなく、謝ってお願いするなんて珍しい。正直言ってあんまりやりたくない

中村の代わりが嫌なんじゃなくて体育祭が嫌いなだけだけど……まぁ亮太と2人でやっても良いってことだったし、頑張りますか。他のクラスメイトとの関わりは学級委員でしかなかったし良い機会かもしれないな

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