第168話 夏の海…それは眩しい素肌
夏休みに突入し、連日の真夏の暑さに体が溶けてしまうのではと思ってしまう。この日の朝、炎天下の下で天斗と小山内は合流してこの暑さに恨めしい表情で愚痴っていた。
「暑いなぁ…何でこんなに暑いんだろ…」
「あぁ…温暖化とは言うがこれからもっともっと暑くなって行くんだろうなぁ…」
「こんな暑い日は海で思いっきり泳ぎてぇよなぁ…」
「海?いいね!海行こうよ!」
「行こうよって…この辺海なんてねぇじゃん…」
「黒ちゃん!こういう時こそ親を遣わないでいつ遣うんだよ!」
「いつって…親は基本そんな風に遣うもんじゃないと思うけど…」
「早速かおりちゃんと母ちゃんに聞いてみるわ!」
「それなら理佳子も誘いたいけどな…」
「わかった!じゃあ、理佳子ちゃん呼んで行こうよ!」
「いやいや、そんな急に理佳子呼べるわけないだろ…」
「だから、行きに拾って行けば良いんだろ?どうせ理佳子ちゃん家方面通るんだし…」
「あっ、そうか!それもそうだな…」
そして小山内は吟子に電話して海に連れて行ってくれるように頼む。吟子は快く承諾した。薫も大喜びし、理佳子もまた天斗と会える口実に大はしゃぎしていた。吟子が運転するワンボックスカーに揺られ一行は海水浴場に到着する。
薫が車から降りて
「んー、潮の香りがするぅ~!」
理佳子も続いて降りてきて
「海なんて久しぶり~!」
「やっぱり海の風は良いよな」
天斗が言った。
「よーし!早速着替えて海に入ろう!」
小山内も張りきっている。
海水浴場は小さい子供達を連れた家族でひしめき合っていた。その中でも若い女性や男性達も多く見られ、ビキニ姿のギャル達が波にのまれキャーキャーと黄色い声を上げている。天斗達も全員水着に着替えて海へ向かって歩く。
理佳子は細かいフリルの沢山付いた、オレンジ色の可愛いワンピースの水着に着替えて現れた。色白の肌が更に透明感を引き立てる。
り…理佳子…お前…メチャクチャヤバイぞ…周りの男達がみんなチラチラ見てる…ダメだよ…そんな…可愛すぎる…
かおりん…かおりんのビキニ姿可愛い~!ちょっとお尻くい込んでるぞ…り…理性が…
薫はモスグリーンのビキニを着て肌を露出している。薫もまた若く綺麗な肌と肢体を覗かせ男達の理性を狂わせる。
「よし!みんな海に飛び込もう!」
そう言って小山内は全力で海の方へ走りザバザバァーっと勢いよく入って腰まで浸かる。おぉ~危ねぇ~…俺の下半身の一部が急激に変化してヤバイことになるとこだった~!
小山内はその下半身を隠すために急いで海に入ったのだった。
「お前、張り切り過ぎだよ…心臓麻痺起こすぞ…」
「早く来いよ!気持ちいいぞ!」
理佳子と薫は波打ち際で足に海水の冷たさを感じてキャーキャー言っている。
「気持ちいいねぇ理佳!」
「うん、もう何年も海に来てないからすっごく嬉しい!」
「ねぇ、清!一緒に砂に埋まろ?」
「か…かおりちゃん…今はちょっと…そっちに行けないんだよ…」
「どうして?早く来てよ…」
かおりん…君はなんて罪深い女なんだ…君のせいで俺は今海から上がれないって言うのに…小山内は薫の身体に釘付けになり、更に下半身がおさまるのに時間がかかっていた。
あいつ…やっぱりバカなのか?
天斗はそれを察して笑っていた。
「清~!早く~!」
かおりん…それ以上俺を挑発しないでくれ…
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