第122話 復讐か、落とし前か…

黒崎、小山内、薫、そして薫を慕う仲間達一向はバイクで薫の目星を付けている場所へと向かう。



「おい、黒崎の女は随分と可愛いじゃねーか。あんな男にこんなちっちゃくて、弱そうな女は不釣り合いだなぁ。俺達のものにしちまおうぜ!」


「お前ら、ほどほどにしとけよ。黒崎達ならきっとすぐにここを嗅ぎ付けてくるはずだ。アイツらはどこにでも目や耳があるからな…女捕られて黙ってるような男じゃねぇ。」


ここは、某ビルの一室で暴力団関係者が使っている部屋だった。中はかなり広く30畳ほどあった。実際には部屋は何も機能しておらず、机一つ置いてないので声は反響して響いていた。

このビル自体、ほとんどテナントが入っていないため少々騒いでも全く苦情も来ない。

中では20人が理佳子を囲んで立っている。

理佳子はうずくまって泣いていた。


「フッ…人質取ってりゃ俺達には手も足も出せねぇよ。お前の仇はちゃんと取ってやる。このお嬢ちゃんもかわいそうになぁ…あんな野郎と関わったばっかりに、こんな惨めな想いをするなんて…大丈夫だ!俺達が淋しく無いようにちゃんと可愛がってやるからよぉ~」


ハッハハハハハハハ!


「仇もいいが、ブツさばく女を無能にしてくれた落とし前もきっちり付けてもらわなきゃな!」


「うっ…うっ…うっ…ヒッうっ…うっ…」


「あらあら、かわいそうに声を圧し殺して泣いてやがるよ!たまんねぇなぁハッハハハ」


「虐めがいがあるよなぁ~」


「お嬢ちゃん、先ずは俺からだ」


や…やめてぇ…近寄らないで…たかと君…助けてぇ…たかと君…たかと君!


その時けたたましい爆音が聞こえてきた。


「ん?もしかしてもうアイツら来たんじゃねぇか?」


「思ったより早いな…」


「さすが黒崎だ、お前ら人質取ってても油断するなよ!あいつはマジでヤベェからな」


「心配要らねぇよ。誰も成せなかった黒崎潰し…今日俺達がその歴史にピリオド打つんだ!」


「おい!その女、奥に隠しとけ!あっさり連れてかれたら元も子もないからな!」



「このビルのはずだぜ!姉さん」


「ありがと!たかと、人質取るやつなんて臆病者ばっかりさ。一気にたたみかけて一網打尽にするよ!」


「かおりん…気をつけて…いざとなったら俺が守ってあげるからね…」


「小山内…ありがと!」


「でも…理佳子を盾に取られたら…」


「心配いらない!とにかく正面から派手に突っ込んで!」


「んじゃ行くかぁ~!」


小山内は気合いを入れて先陣を切っていく。


理佳子…無事かな…もし指一本でも触れてたらその指全部へし折って二度と使えないようにしてやる!


理佳…すぐ助けてあげるからね…もう少しだけ我慢して…


黒崎、小山内、薫、そして仲間5人計8人。

しかし、このメンバーでは相手20人は少し物足りないかも知れない…

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