第14話いったい何者!?

俺はその場に崩れ前のめりに倒れた…


なん…だよ…これ…予定では…ここで小山内が…コイツら…ぶちのめす手筈じゃないか…

苦しくて息が出来ない…小山内も現れない…


重森…重森…


俺は朦朧とした意識の中重森の姿を目で探した。

あれ?なんか不思議な光景が…

俺の目の前で…次々とガラの悪い野郎共が倒れていく…


小山内…


じゃねぇ~~~!?


俺は自分が今目にしている光景をにわかには信じきれていない…


重森?…何で?


そして…俺は気を失った…






おっせぇーなぁ…黒ちゃんなにやってんだよ…

もう待ち合わせる時間とっくに過ぎてんのによ…

黒崎達を襲う手筈で待機してる不良グループの仲間達も待ちくたびれて痺れを切らしている。


「おぉいまだかよぉ…もう20分も過ぎてるっスよ!」


「悪い悪い、何かあったのかもな…ちょっと様子見てくるから待っててくれ」


そう言って黒崎達の姿を探しに行く。

確かに重森と合流したってメール来たのにおかしいなぁ…

もうとっくに合流出来てもおかしくないはずなんだよな…

しばらく歩いて細い路地に入った時に二人の姿が…

ちょっと待てよ…何で黒ちゃん座りこんでんだ?

てか、このガラの悪い連中…何でぶっ倒れてんだ?

あぁ…なるほど…俺たちと合流する前に本物の喧嘩に巻き込まれて全員黒ちゃんがやっちまったのか…

こりゃひとまず作戦立て直しだな…


待機させてる不良グループの下へ小山内は戻って行った。






「大丈夫か?」


重森が俺の横に座って言った。


「う…うん…」


俺はメチャクチャ情けない姿を晒している。

男の俺が女一人守れず、あろうことかその女に助けられてしまった…

俺は…気を失う寸前目にした光景が今でも信じられないでいる。

俺がみぞおちに一発喰らって倒れた時に重森は腕を掴もうとした相手の手を掴みくるっと一回転させて倒した。

更に次々襲ってくる相手を廻し蹴りや投げ技でバタバタバタと倒してしまった。

6人全員重森一人に地を舐めさせられている…


しかも重森は無傷…


この状況を簡単に受け入れるにはあまりに現実離れしていた…


「いったい…何者?」

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